もくじ
なぜ高齢になると介護予防・機能向上・体操が必要なのか
日本は世界一の長寿国です。80歳以上の元気な高齢者も、
もう珍しくはなくなりました。
しかし一方で、
寝たきりや要介護高齢者もどんどん増加しています。
また、日本の高齢者の特徴として先進諸外国に比べて、
生活レベルが低下すると、元のレベルに回復させるのは難しいとされています。
(私が働いているグループホームでも、全員要介護高齢者、歩けなくなって車いす移動になると、もう歩けるように機能回復させることは、とても難しいと感じます。)
だからこそ、高齢者ひとりひとりが、
生活の基盤である健康を維持・向上していかなければいけません。
それを怠ってしまうと、徐々に機能低下していき、
要介護・寝たきりになってしまいます。
その重要な解決策のひとつが、体操です。
こういった体操を継続的に行うことで、
回復できないほどの、機能低下を防げるようにしましょう。
高齢者の筋力が低下すると、何が問題なのか
日常生活の基本的活動がしづらくなります。
例えば、寝返る、座る、立つ、歩く、階段の昇降などです。
あとは、高齢者特有の猫背などの姿勢や遅足、すり足などの動作の緩慢で、
筋力の低下が大きな原因と言われています。
特にすり足は危険です。
すり足はよくつまづくんです。歩くときひざが伸びて棒状態。
転倒のリスクが格段に高くなり、骨折など起こせば、
一気に寝たきりの可能性が高まります。
ゆっくりと行える体操で機能維持・向上
今回紹介する動画は、
各部位丁寧にゆっくりで、無理なく行える体操です。
『準備運動』『首・肩回りの体操』『ひざ痛予防』
『表情筋の体操』『腰痛予防』『体力向上』『整理体操』
と、各部分別に効果的な体操が、分けられています。
鹿児島県の『よかよか体操』というものです。
私の意見ですが、
とても基本に忠実な体操で、わかりやすく簡単で、
しかも効果的だと思います。
詳しくは動画をご覧ください。
『準備運動』
住み慣れた地域でいきいきと自分らしい生活が送れるよう、また、人と人とのつながりを大切にした地域づくりをめざして、鹿児島大学と共に開発した、介護予防に効果的な体操です。
準備体操
準備運動は、体を温める目的でストレッチ中心の軽めの運動です。
急激に動くと、痛みを誘発したり、けがの原因にもなります。
少し「物足りない」程度にして、次の運動にしっかり備えましょう。
椅子に浅く腰掛け、ひざを90度くらいにして、背筋を伸ばしてください。
- おじぎ
胸を張って腰から折れるように、背中とお尻の筋肉を刺激します - ひねり
- 足うら伸ばし
- 肩まわし
『肩こり予防に効果的な体操』
- 肩の上げ下げ
- 肩甲骨まわし
- おへそのぞき
首の後ろの筋肉を意識した運動 - トビラ開き
肩甲骨を前後に動かす運動 - 首・肩つなひき
首を横に倒して反対の肩を下げる運動
肩こりを予防する体操いいですね。
自分用にもやっておきたいです。
高齢者のみならず、肩こりに悩むあなたもぜひ。
『ひざ痛予防に効果的な体操』
- 前後スライド
足の裏を浮かせずに床を滑らせます - 左右スライド
ももの裏の筋肉を使って股関節をひねる運動 - 足あげ
足を延ばして持ち上げる少し強めの運動
『表情を豊かにする体操』
- おめめパッチリ
両眼を閉じたり大きく開く運動 - ウインク
交互に片目を閉じたり開いたりする運動 - ウーイー
口を尖らせたり横に引っ張ったりする運動 - あべこべ
首の動きと目の動きを利用した協調性の運動
『腰痛予防に効果的な体操』
- お尻上げ
骨盤を持ち上げる運動お尻を片方ずつ引き上げます - お尻スライド
骨盤を交互に前に出す運動 - すわってマーチ
座ったままの歩行運動 - 立ち上がり
立ち上がりの運動体を前に倒すことを意識する - 前曲げ(立位編)
立位で体を前に曲げる運動 - ひねり(立つ編)
腕を上げた状態で体が真横になるようにひねります
この運動は介護者が行ってもいいですよね。
介護の仕事は、腰をよく痛めます。
介護と腰痛は、切っても切れない関係です。
『体力向上に効果的な体操』
- 両足つま先立ち
- 片足つま先立ち
- 片足前・横・後
片足で足を3方向に振り出します - 踏み出し
こちらは立って行う体操です。
高齢者の方は、気を付けてくださいね。
『整理体操』
- 整理体操1
足のゆらし
足うら伸ばし - 整理体操2
手のゆらし
深呼吸
まとめ
どうでしたか?
とても分かりやすい動きで、
継続的に行えやすい体操じゃないでしょうか。
さっそく私も、「自分用」に毎日続けてみたいと思います。
各事業所で、この体操を取り入れてみてはいかがでしょうか。