母ひとり子ひとりの物語〜息子が娘になる日〜
フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』では、毎回さまざまな人生のドラマが描かれます。2025年8月3日放送の回では、「母ひとり子ひとりの物語〜息子が娘になる日〜」と題して、22歳の若者とその母親が選んだ“本当の自分らしさ”をめぐる物語が届けられます。未婚の母として息子を育てあげたかずよさんと、心の性に正直に生きようと決めたミヤビさん(本名:とものりさん)が歩んだ2年の日々。その中には、迷いや不安、葛藤、そして希望が詰まっていました。
新宿・歌舞伎町のリングで叫んだ決意の言葉
番組の冒頭では、ミヤビさんがリングに立ち、「女になって、必ず帰ってきます」と叫ぶ場面から始まります。プロレスラーとして活躍する中、自分の性に向き合い「女性として生きる」と決意した瞬間です。家族や仲間が見守る中で放たれたその言葉には、強い意志と新しい人生への覚悟が込められていました。
幼いころから感じていた違和感と生きづらさ
ミヤビさんは幼い頃から「男の子」として育てられながらも、自分の心とのギャップに苦しんできました。ピンクの服やプリキュアに惹かれる一方、周囲の目を気にして少年野球や柔道にも打ち込んでいたといいます。中学・高校ではひげが目立ちはじめ、「男らしさ」を求められる環境に合わせて生きることを選びました。しかしそのたびに心はきしみ、やがて「自分を偽ること」に限界が来たそうです。
手術費用200万円をためるための過酷な日々
ミヤビさんはタイで性別適合手術を受けることを決め、必要な費用200万円を自力でためることを決意します。昼間はプロレスの練習、夜はキャバクラで深夜3時まで働き、睡眠時間はわずか2〜3時間。それでも「本当の自分で生きたい」という思いが支えとなり、前を向いて努力を続けました。
支え続けた母・かずよさんの想い
かずよさんは未婚で息子を産み、祖母とともに育ててきました。そんな大切な一人息子が「娘として生きたい」と言った時、戸惑いや心配もあったといいます。命の危険を伴う手術、本当に幸せになれるのかという不安、それでも「わが子を信じて支える」という気持ちを選びました。リング上の姿を涙ながらに見つめる姿には、母の深い愛情がにじみ出ていました。
家族に見送られて、人生を変える旅立ち
ついに手術に向かう日、ミヤビさんは母と祖母に見送られてタイへと旅立ちます。手をつなぎ、笑顔で見送ろうとする中で、言葉にはできないさまざまな思いが交差します。空港での別れのシーンでは、三人が強く結ばれた絆を感じさせました。
2年間にわたる親子の記録が伝えるもの
この番組は、2年間にわたって密着した映像で、親子が向き合い乗り越えてきた時間を丁寧に伝えています。ミヤビさんが「自分の人生を自分らしく生きる」と決意したこと。そして、その背中を母が信じて送り出したこと。その両方がなければ、この物語は生まれませんでした。
誰かを支える勇気、自分を信じる勇気、その両方の大切さを静かに教えてくれる回になりそうです。放送では、手術の行方やミヤビさんのその後も描かれるかもしれません。視聴後は、きっと自分の人生についても考えたくなる、そんな時間になるでしょう。
番組情報:
放送日:2025年8月3日(日)
時間:14:00~14:55
放送局:フジテレビ
番組名:ザ・ノンフィクション「母ひとり子ひとりの物語〜息子が娘になる日〜」
※放送内容は予告に基づくもので、実際の内容は当日変更となる可能性があります。
プロレスラーとしてのエチカ・ミヤビさんの活動と発信
エチカ・ミヤビさんは、性別適合手術を受けた後もプロレスラーとしてリングに立ち続けています。手術のために一時活動を休止していましたが、その間もトレーニングを欠かさず、手術から約8か月後の2024年9月に新宿FACEで開催された大会で試合復帰を果たしました。その日のリングでは、身体も言葉もすべてを使って“女性として再出発した自分”を表現し、観客に強い印象を残しました。
団体への所属と復帰戦の詳細
ミヤビさんが所属する団体は「PPP.TOKYO」という個性派選手が多く集まる女子プロレス団体です。復帰戦は「宴・解放戦線」と題された大会で行われ、観客席からの注目も高く、多くのファンがカメラを構えて見守っていました。リング上では躍動感あふれる動きと力強い表情が印象的で、ブランクを感じさせない堂々としたファイトスタイルを見せていました。
SNSでの発信活動とその役割
ミヤビさんはリング外でも積極的に活動しています。X(旧Twitter)やInstagramでは、試合の様子や日々の練習風景、思いを綴った言葉を発信しており、自分の存在を通じてLGBTQ+に対する理解を広げようとしています。SNSは、ミヤビさんにとって自分の声を直接届けられる大切な場になっており、フォロワーとの交流も大切にしています。
プラットフォーム | アカウント名 | 主な内容 |
---|---|---|
X(旧Twitter) | @ECHIKA__MIYAVI | 試合情報、練習動画、気持ちの記録など |
echikamiyavi | 写真、プライベート、活動報告など |
発信に込めた想いと社会への影響
SNSでの発信は、単なる宣伝ではなく、自分が歩んできた道のりや変化をそのまま届けるものになっています。特に同じように悩んでいる人たちへのエールとしても機能しており、フォロワーの中には感動や共感の声を寄せる人も少なくありません。自分を受け入れるまでの道のりや、家族との関係の変化、リング上での挑戦は、多くの人にとって励ましや気づきになっています。
エチカ・ミヤビさんの活動は、リングの中だけでなく、社会や人の心にもしっかり届いているのです。これからもその歩みは注目されることでしょう。
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