「キラビト!」|江戸更紗の職人・中絛康隆さんが登場
2025年7月16日(水)の「めざましテレビ」(フジテレビ)内の人気コーナー「キラビト!」では、伝統的な染色技法「江戸更紗(えどさらさ)」の職人・中絛康隆(なかじょう やすたか)さんが登場します。放送は朝6時16分ごろの予定です。インド生まれの染物文化が日本でどのように育まれたのか、そして数十枚の型紙を使った繊細な技術に迫ります。
インド発祥、日本で花開いた「江戸更紗」の歴史
江戸更紗は、もともとインドで紀元前3世紀頃に誕生した木綿布の染め「更紗」が起源です。南蛮貿易を通じて室町から桃山時代に日本に渡り、当初は高級な舶来品として扱われていました。その希少さから、次第に日本国内で模倣技術が発展し、「和更紗」として広まりました。
江戸時代の後期、大阪から型染め職人が江戸に移り住んだことがきっかけで、神田川流域での染色がさかんになります。江戸の水は鉄分を多く含む硬水で、この水を使うことで、独特の渋く落ち着いた色味が生まれました。この色合いこそが、京更紗などと異なる江戸更紗の個性となっています。
数十枚の型紙を使う手仕事の魅力
江戸更紗は、型紙を使って模様を染めていく「型染め」の技法を用います。作品ごとに色や柄の細部を表現するために、30枚以上の型紙を使うことも珍しくなく、複雑なものでは100〜300枚もの型を重ねることもあります。
それぞれの型紙は、色や模様ごとに細かく役割が分かれていて、伊勢和紙を柿渋で強化した「伊勢型紙」が使用されます。この型紙は薄くても丈夫で、繰り返しの作業にも耐えられる特性があります。
作業は一つひとつ手作業で行われ、まず生地を板に張り付け、型紙をあてて刷毛やヘラで染料を塗り込んでいきます。色ごとに型紙を交換し、染めたあとは蒸して定着させ、最後に水洗いして仕上げます。このようにして生まれる布は、立体感や深みのある色合いが特徴で、すべてが一点ものです。
色を変えるだけで表情が変わる、型染めの奥深さ
中絛康隆さんが紹介される今回の放送では、型紙の組み合わせによって、色を変えるだけでまったく雰囲気の異なる作品ができるという、江戸更紗の奥深さも取り上げられる予定です。同じ型でも色の配置を変えることで、全体の印象ががらりと変わり、見る人の感性によって楽しみ方も広がります。
型の技術と色のバランス、そして繰り返し重ねられる工程によって生まれる表現力の豊かさは、機械では再現できない手染めならではの魅力です。
現代の暮らしにもなじむ江戸更紗アイテム
手染めのがま口ポーチは和と機能の融合
江戸更紗の伝統文様を活かしたがま口ポーチは、見た目の美しさと実用性をあわせ持つ小物として注目されています。生地には絹が使われ、なめらかで上品な手触りが特徴です。中には小銭やアクセサリー、イヤホンなどを入れられ、毎日使いたくなる便利さがあります。職人が一点ずつ丁寧に染めた模様は、同じデザインでも色味が異なり、すべてが“世界に一つ”の仕上がりとなっています。バッグに入れて持ち歩くだけで和の風情を感じられます。
風呂敷は包むだけじゃない“使える”工芸
江戸更紗があしらわれた風呂敷は、かつては物を包む道具として重宝されてきましたが、いまではエコバッグやファッションアイテムとしての使い方も広がっています。たとえば、お弁当包みやギフトラッピングのほか、ショールとして首に巻いたり、クッションカバーとして使ったりと、用途はさまざまです。花鳥や唐草などの繊細な柄が全面に広がる風呂敷は、和室にも洋室にも自然となじみ、暮らしの中で存在感を放ちます。
スマホケースで日常に和の美を
スマートフォンケースは現代の生活に欠かせないアイテムですが、そこにも江戸更紗のデザインが取り入れられています。特に人気なのは、手帳型のケースに型染めの唐草文様などをプリントしたものです。色味は落ち着いた藍や紅などが中心で、派手すぎず、どこか懐かしさを感じさせる仕上がりが特徴です。伝統の文様がスマホを通して日々の暮らしに溶け込むことで、古いものと新しいものが自然につながっていることを実感できます。
このように、江戸更紗は着物やインテリアだけでなく、現代のライフスタイルに合わせて進化した日常使いの小物としても注目されています。伝統を今のかたちで楽しめるアイテムたちは、職人の技と感性によって、新たな価値を持って私たちの手元に届いています。
【放送概要】
項目 | 内容 |
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番組名 | めざましテレビ「キラビト!」 |
放送日 | 2025年7月16日(水) |
放送時間 | 朝6:16頃(予定) |
登場人物 | 江戸更紗職人・中絛康隆さん |
技法 | 型染め(江戸更紗) |
特徴 | 数十枚の型紙を使い分ける手染め技法、色によって雰囲気が変わるデザイン |
【ソース】
・めざましテレビ公式X(旧Twitter)
・江戸更紗について(東京の伝統工芸)
・kaji’s antiques|江戸更紗の歴史と技法
・染の里おちあい|江戸更紗制作工程
・特選呉服 結城屋|型染め技法紹介
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