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【日本のチカラ】名古屋発!女性だけのチンドン屋「べんてんや」の挑戦と夢|2025年5月3日放送

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Documentary

名古屋発!女性だけのチンドン屋「べんてんや」の音楽と人生

2025年5月3日(土)朝5時20分からテレビ朝日で放送された『日本のチカラ』では、名古屋を拠点に活動する女性だけのチンドン屋「べんてんや」が特集されました。街を彩る鮮やかな衣装、迫力ある音楽、そして何よりも強くたくましい生き方を貫くメンバーたちの姿が丁寧に描かれました。この記事では、放送内容をすべて網羅しながら、「べんてんや」の歩みとその魅力、そしてメンバー一人ひとりの人生にも深く迫ります。

べんてんやの仕事は「音楽を届ける」こと

名古屋市中区にある歴史的建造物「名古屋市市政資料館」で、べんてんやは演奏の仕事をしていました。仕事の内容は、チンドン太鼓を先頭に、クラリネット、サックス、トランペットなどを鳴らしながら商店街や施設を練り歩き、チラシを配ったりイベントを盛り上げたりすることです。ただのにぎやかしではなく、「音楽を聴かせること」がべんてんやの一番の強みです。メンバーは音楽経験豊富な女性たちで構成され、常に3〜4人でチームを組み、依頼に応じて柔軟に活動しています。

チンドン屋は江戸時代末期の行商がルーツといわれており、日本独自の文化です。現在、全国にいるチンドン屋は150〜200人ほどで、そのなかでも「べんてんや」は、女性だけで構成され、演奏の完成度と華やかさで注目を集めています。衣装はカラフルな着物とウィッグ、花の髪飾り。その姿で楽器を演奏しながら歩くだけで、街の空気が一気に明るくなります。

奇祭「国府宮はだか祭」での伝統的な役割

べんてんやが活躍するのは街中だけではありません。愛知県稲沢市で行われる「国府宮はだか祭」では、祭りを支える奉賛会に先導役として参加しています。この役割を任されるようになったのは、今から15年前。結成間もない頃、奉納の目立たせ役として声がかかったのが始まりでした。今ではその存在が地域の人々に欠かせない存在になり、祭りの名物のひとつとなっています

祭り当日、べんてんやのメンバーは参道を演奏しながら練り歩き、最後は神社の社殿へ進みます。演奏には応援歌も取り入れられており、場を盛り上げながら無事に奉納を終えます。このように、べんてんやはただのパフォーマーではなく、地域の伝統と共に生きる表現者でもあるのです。

代表・スージーの原点と覚悟

べんてんやを率いるのは、サックス担当の横江美穂さん(通称スージー)です。愛知県に生まれ、3人兄弟の長女として育ちました。音楽との出会いは小学生の頃、鼓笛隊の活動がきっかけでした。大学は名古屋のお嬢様大学として知られる金城学院大学に進学し、音楽活動に熱中。特にサックス演奏に強くのめり込みました。

卒業後は名古屋の商社に就職。営業事務として、営業社員10人のサポート業務や雑務に追われる日々を過ごしました。そんな忙しさの中での救いが、学生時代から続けていた女性バンドの活動でした。週末にライブをこなすことで、なんとか自分を保っていたといいます。

しかしメンバーの状況が変わるにつれ、活動も縮小。そんな時、「ちんどん屋みたいだね」というお客の言葉が心に残り、次第にちんどん屋の世界へ関心が向いていきます。ある日、昭和風のブース演出を頼まれた展示会で衣装を工夫し、初めて「ちんどん太鼓」を作ってもらいました。この時の仕事が、べんてんやの出発点となりました。屋号「べんてんや」は、依頼主の社長が命名してくれたものです。

音楽と生活を両立させるメンバーたち

スージーさんの自宅兼事務所「スージーハウス」では、スケジュールの管理、給与や経費の精算、道具の手入れなど、すべてを自分たちで行っています。音楽が好きという強い気持ちだけでなく、運営の実務もすべてこなす姿勢が、べんてんやを支える大きな力になっています。

べんてんやのメンバーはそれぞれ異なる生活環境にあります。

うっしー(牛田さん):西尾市在住。自宅で着物の着付け教室を開きながら、ちんどん屋を続けている。ちんどん屋での動きから「着崩れない」と評判を呼び、生徒が集まるようになりました。実は、着付けで足を引っかけて転んだことがあり、それが今の指導に活かされていると語っています。元はジャズドラマーで、大学の先輩だったスージーさんに誘われてこの世界に入りました。

すずこ(葛島さん):クラリネット担当。クラシックの舞台で数々の演奏経験を持ち、現在は自宅でクラリネット教室を開いています。3年前に結婚し、音楽と家庭を両立しています。子どもがいるメンバーも多く、それぞれが無理なく続けられるような仕組みができています。

地域とともに歩む「べんてんや」

名古屋市内の大須商店街では、べんてんやが何度も演奏を行っており、地域の人々との深い絆があります。ボランティアの田邊靖彦さんは、スージーさんが学生時代からの知人で、長年にわたりべんてんやの活動を応援しています。

また、べんてんやのメンバーが出演するライブイベントも行われ、観客には長年のファンが多く集まりました。さらに、高齢者施設での演奏も行われ、ちんどんの明るい音色は高齢者の心にも元気を届けています

全国の舞台へ!全日本チンドンコンクールにも出場

富山県富山市で開催された全日本チンドンコンクールにも、べんてんやは参加。全国から実力派のちんどん屋が集まり、演奏の技術や表現力を競います。今回の優勝は福岡県のチームとなりましたが、べんてんやの存在感は会場でも際立っており、多くの観客の注目を集めました。


名古屋を出発点に、音楽で人の心を動かし、笑顔を届ける「べんてんや」。女性として、音楽家として、自分らしい生き方を貫くその姿は、見る人に大きな勇気と希望を与えます。伝統を守るだけではなく、時代に合わせて自分たちの形で進化させていく。それが、べんてんやが今も、そしてこれからも輝き続ける理由です。

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