鎌倉で始まったアポなしアサ飯は、食の町の奥行きまで見えてくる旅でした
ZIP!の「アポなしアサ飯」で前田公輝さんが訪れたのは、海と畑の距離が近い鎌倉でした。今回の見どころは、ただ名店を紹介するだけではなく、地元の人の口コミを頼りに歩き、そこから食の匠へたどり着いていく流れにあります。鎌倉は観光地として有名ですが、実はしらすや鎌倉野菜といった食材の強さも大きな魅力です。鎌倉市も地元農産物のブランド化を進めていて、色とりどりの野菜が地域の食文化を支えています。また湘南のしらす漁は2026年も3月11日に解禁され、春の食の話題として注目されています。こうした季節感のある土地で、人づてに朝ごはんの達人を探していく今回の企画は、鎌倉の“おいしい背景”まで感じられる内容になっていました。
口コミから見えてきた、しらすと鎌倉野菜の強さ
今回の舞台になった鎌倉が“食の宝庫”として映るのは、海の恵みと畑の恵みがどちらも身近だからです。しらすは湘南らしさを感じる代表的な食材で、禁漁明けの時期には「今年もこの季節が来た」と地元でも大きな話題になります。実際、2026年も相模湾のしらす漁は3月11日に解禁され、春の味覚として多くの店が入荷情報を発信していました。いっぽうで鎌倉野菜は、特定の1種類だけを指すのではなく、鎌倉周辺で育てられた新鮮で色鮮やかな野菜の総称として広く親しまれています。鎌倉市の案内でも、北部を中心に多様な野菜が作られ、ブランドマークの普及が進められていることが紹介されています。つまり今回のアポなし調査は、たまたまおいしい店を探す旅ではなく、地域そのものが強い食材を持っている町で、その魅力を担う人を探す旅だったと言えます。
地元の人に声をかけると、すぐに店名が出てくるのも印象的です。観光地では有名店が先に浮かびがちですが、本当に信頼されている店は、こうした日常の口コミの中で名前が挙がります。番組で「しら川」や「Pizzeria IL Porto」が教えられた流れには、鎌倉や湘南の人たちが、普段から“この人の料理はすごい”と実感している空気がよく出ていました。だからこそ、アポなしという不確定な旅でも、話が本物の店へつながっていくのだと思います。
巨大アマダイを釣る「旬魚菜 しら川」が気になる理由
番組の中でまず気になったのが、腰越で名前が挙がった**「旬魚菜 しら川」です。食べログ掲載情報では、店は神奈川県鎌倉市腰越3-20-7にあり、江ノ電・腰越駅から徒歩約3分という海に近い立地です。ジャンルも海鮮や食堂系として紹介されていて、口コミでもしらす丼**や魚料理の満足度が高いことがわかります。海沿いの町で、地元の人が真っ先に勧める魚の店として名前が出てくるのは、それだけ素材の良さと扱いの確かさがあるからだと感じます。
今回番組内で特に引きが強かったのは、店主が釣るという巨大アマダイの話です。アマダイは上品な白身魚として知られますが、「巨大」という言い方が入るだけで、単なる魚料理の店ではなく、素材を自分で追いかける店という印象になります。しかも腰越という場所は、鎌倉の観光中心部とは少し違う、漁港や海の暮らしが近い空気を残したエリアです。そうした土地で出会う魚の店は、見た目の派手さよりも、旬や鮮度、その日ならではの仕入れに価値があることが多いです。今回の放送でも、鎌倉観光の表面だけでは出てこない、“地元の朝のリアルな食”へ近づいていく感じがとてもよく出ていました。
「しらす」で有名な町でありながら、同時にアマダイのような魚の話題が出るところにも、鎌倉の食の層の厚さがあります。観光客目線ではしらす丼がまず浮かびますが、地元の人はその先にある季節の魚や、店主の技術まで見ています。今回の企画は、そうした“観光グルメの一歩奥”をのぞかせてくれるのが面白いところでした。
世界一のピザ職人と「カンピオーネ」が生んだ人情ドラマ
もう一つの大きな山場が、片瀬漁港の近くで名前が挙がった**「Pizzeria IL Porto」です。店の案内や公式Instagramによると、ここは片瀬江ノ島駅から徒歩3分前後**の場所にあり、2023年のPizza World Cupで優勝経験を持つ小出さんが焼く本格ナポリピッツァを味わえる店です。湘南や江の島の景色と一緒に楽しめる立地の良さもあり、世界大会の実績だけで終わらず、“わざわざ行きたい店”として成立しているのが強いです。
番組で紹介された看板メニュー**「カンピオーネ」は、見た目も中身も印象に残る一枚です。店や紹介記事では、表面はクラシックなマルゲリータのように見えながら、中にはカニの身やだし、モッツァレラ、クリーミーなマッシュポテトなどを包み込んだ、三日月形の包み焼きピッツァとして紹介されています。外側は高温の薪窯で焼かれて香ばしく、内側には具材のうまみが閉じ込められるため、外はカリッと、中はもっちりという食感の差が大きな魅力です。価格は2860円**で、店の代表作としてしっかり位置づけられています。世界大会で評価された理由が、形の珍しさだけでなく、食感と具材設計の完成度にあることが伝わってきます。
そして今回の放送で良かったのは、前田公輝さんがただ食べて感想を言うだけで終わらなかったことです。自分で取材交渉をし、相手の仕事の邪魔にならない形で話を聞き、さらに「何か手伝いたい」と申し出て、窯の火入れという仕事につながっていく流れには、このコーナーらしい人情がありました。アポなし企画は断られる緊張感もありますが、そのぶん受け入れてもらえた時に、料理だけでなく人の温かさまで見えてきます。世界一のピザという華やかな肩書きと、朝の店仕事を丁寧に回す現場の空気。その両方が見えたことで、「イルポルト」は単なる話題店ではなく、職人の積み重ねがある店として強く印象に残りました。
今回の鎌倉回を通して見えてきたのは、口コミが本当に強い町では、最終的に“人”に行き着くということです。しら川のように海の近くで魚の力を見せる店もあれば、Pizzeria IL Portoのように世界大会級の技術を湘南の景色の中で届ける店もあります。そこに前田公輝さんの柔らかい聞き方や動き方が重なって、ただのグルメ紹介ではない、朝の街に入り込むような空気が生まれていました。鎌倉の食文化を知るという意味でも、職人の仕事に触れるという意味でも、かなり見応えのある回だったと思います。
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