所さんのそこんトコロ
このページでは『所さんのそこんトコロ!(2025年12月12日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
極小のアートから命がけの現場、そして日本各地に点在する巨大施設まで、普段の生活ではなかなか見えない「そこんトコロ」を一気にのぞき見できる回でした。ただ驚くだけでなく、人の工夫や知恵がどう形になっているのかが、じんわり伝わってきます。
極小ジオラマドームに広がるtsukikaさんの世界
ここからは、番組で紹介された内容に沿って、筆者からの補足として tsukika さんの極小ジオラマドームの魅力をもう少し具体的に紹介します。画面越しでも伝わってきたのは、ただ小さいだけではない、強い世界観と丁寧なものづくりでした。
手のひらサイズに閉じ込められた風景
愛知県刈谷市 で活動する tsukika さんが手がける極小ジオラマドームは、直径わずか数センチほどの透明なドームの中に、空・雲・海・街といった風景が立体的に表現されています。サイズだけを見ると玩具のようにも思えますが、のぞき込むと奥行きがあり、まるでその世界に吸い込まれるような感覚になります。景色は一つ一つ異なり、夕焼けの海や穏やかな空など、見る人の記憶や感情に静かに触れてきます。
コロナ禍から始まった制作の歩み
制作のきっかけは、コロナ禍で自宅にいる時間が増えたことでした。外出が制限される中で、身近な場所でできる表現としてジオラマ制作に向き合うようになり、少しずつ作品の数が増えていきました。試行錯誤を重ねながら完成度を高めていく過程で、極小というサイズだからこそ表現できる世界が形になっていきます。その積み重ねが、現在のジオラマドームにつながっています。
SNSで注目され世界へ広がった作品
完成した作品を SNS に投稿すると、その独特な世界観と精密さが注目を集めるようになりました。写真や動画越しでも伝わる立体感や透明感は、多くの人の目に留まり、国内だけでなく海外からも反響が寄せられます。その流れの中で、フランスで行われた『ジャパンエキスポ』 への出展が実現しました。日本発の極小アートとして、国境を越えて評価されたことは、tsukikaさんの表現が持つ力をはっきり示しています。
小さな世界に込められた大きな魅力
極小ジオラマドームは、サイズの小ささとは裏腹に、時間や感情、物語を感じさせる作品です。細部まで目を凝らすほど、新しい発見があり、見る人それぞれが違う風景を思い浮かべます。番組で紹介されたその世界は、静かでありながら強く印象に残り、極小アートの奥深さをしっかり伝えていました。
レジンと工夫で作る極小アートの制作工程
ここでは、番組で紹介された内容をもとに、筆者からの補足として 極小ジオラマドームがどのように作られているのか をもう少し具体的に紹介します。小さな作品の中に、多くの工程と工夫が重ねられていることが、画面からもしっかり伝わってきました。
レジンを流し込み形を整える最初の工程
ジオラマドームの制作は、シリコン製の型にレジンを流し込む作業 から始まります。レジンはそのまま固めるのではなく、型をゆっくり回しながら全体に行き渡らせ、均一な厚みの土台を作っていきます。この段階で形が決まるため、わずかな傾きやムラも許されません。土台が整ったあと、UVライトを当ててレジンを硬化 させ、透明な外側のドームが完成します。
色と素材で表現する空と雲
外側ができたあと、内部の表現に進みます。空の青は着色剤 を使い、微妙な色の違いを重ねながら表現されます。単色ではなく、場所によって濃淡がつけられ、奥行きのある空が生まれます。雲には練り消し が使われ、ちぎり方や配置によって形や立体感が変わります。身近な素材を使いながらも、仕上がりは現実の空を切り取ったような自然さがあります。
500以上のパーツを支える逆さまの制作
ジオラマドームの内部には、500以上もの小さなパーツ が使われています。海や街、細かな景色を組み上げる工程では、作品を 天地逆にした状態で制作 します。これは、重力を利用してパーツを正確な位置に固定するためです。上下が逆の状態で細かな作業を続けるため、集中力が途切れると仕上がりに影響が出ます。完成まで一つ一つの工程を積み重ねる根気が必要です。
スタジオを引き込んだ夕陽の海のジオラマ
スタジオでは、所ジョージ をイメージした 夕陽の海のジオラマドーム が披露されました。小さなドームの中に沈む夕日と海の広がりが表現され、サイズを忘れるほどの存在感がありました。極小でありながら、色や配置によって時間帯や空気感まで感じさせる仕上がりで、スタジオ全体がその世界観に引き込まれていたのが印象的でした。
激レア食材ハンター谷田の危険生物ハント
ここでは番組で紹介された内容をもとに、筆者からの補足として 谷田 さんが挑んだ危険生物ハントの現場を、もう少し具体的に紹介します。画面越しでも伝わってきたのは、自然と真正面から向き合う緊張感でした。
岡山県和気町の山に入る準備と覚悟
今回の舞台は 岡山県和気町 の山中です。激レア食材ハンター 谷田 さんが狙うのは、危険度MAXともいわれる『オオスズメバチ』でした。山に入る前から、防護服や道具の準備が入念に行われ、軽い気持ちでは立ち入れない現場であることがはっきり伝わってきます。周囲の環境を確認しながら進む足取りには、常に警戒心がにじんでいました。
専門家と進める慎重な調査
同行したのは、スズメバチ捕獲の専門家 熱田 さんです。二人は山の中を歩きながら、オオスズメバチの動きや周囲の状況を細かく観察し、巣につながる手がかりを探していきます。ハチの飛び方や現れる場所一つ一つが重要な情報となり、無駄な動きは一切ありません。専門家の知識と経験が、調査の精度を大きく支えていました。
一瞬の判断が命を左右する現場
オオスズメバチが相手となる現場では、一瞬の判断ミスが命取り になります。距離の取り方や立ち位置、周囲の音や気配にまで神経を張り巡らせながら、調査は進められました。自然相手のため、想定外の動きが起こる可能性も常にあり、緊張感は最後まで途切れませんでした。
危険生物ハントが伝える重み
このハントは、ただ珍しい食材を探す企画ではありません。自然の中で生きる生物と向き合い、その危険性を理解した上で行動する姿が映し出されていました。オオスズメバチという存在の怖さと同時に、それに挑む覚悟と慎重さが、強く印象に残る場面でした。
伝統のハチ追いで迫るオオスズメバチの巣
ここでは番組で紹介された内容をもとに、筆者からの補足として オオスズメバチの巣に迫るまでの工程 を、事実と描写に沿って詳しく紹介します。長年受け継がれてきた方法だからこそ成り立つ、緊張感の高い作業でした。
ハチの動きを頼りに巣を探すハチ追い
オオスズメバチの巣を見つけるために用いられたのが、『ハチ追い』と呼ばれる伝統的な方法 です。仕掛けとして用意した はちのこ に寄ってきたオオスズメバチに目印を付け、そのハチがどの方向へ飛んでいくのかを目で追いながら巣の位置を探っていきます。ハチは一直線に飛ぶとは限らず、途中で見失うこともあるため、視線を切らさない集中力が求められます。
石垣の隙間で断念した最初の巣
ハチ追いによって最初に突き止めた巣は、石垣の隙間 にありました。場所が狭く、周囲の安全を確保するのが難しいと判断され、この巣の捕獲は断念されます。無理に進めれば危険が大きくなるため、ここで引き返す判断も重要な選択でした。
別の個体を追って見つけた石の下の巣
その後、再び別のオオスズメバチを追跡し、今度は 石の下にある巣 を発見します。場所を慎重に確認したうえで、捕獲作業が進められました。まず 谷田 は、オオスズメバチが一斉に飛び出さないよう、特製の筒で巣の入口を塞ぐ 作業を担当します。
役割分担で進めた命がけの捕獲
入口を塞いだあと、巣に戻ってくるオオスズメバチを 叩き落とす役割 を仲間が担当し、連携しながら作業が進められました。周囲を警戒しつつ土を掘り返し、慎重に巣を取り出していきます。その結果、合計3つのオオスズメバチの巣 を確保することができました。
一つ一つの動作が安全と直結する現場で、伝統の技と冷静な判断が重なり、捕獲が成功した場面でした。
サナギの素揚げとはちのこ料理の実食
捕獲した巣からは、オオスズメバチのサナギとはちのこを取り出し、その場で調理します。サナギの素揚げや、はちのこを使ったおにぎりは、見た目のインパクトとは裏腹に、貴重な栄養源として昔から食べられてきた食材です。
危険と向き合ったからこそ味わえる一口には、命をいただく重みが強く感じられました。
宮城・美里町 ピンク色の光に包まれた巨大レタス工場
ここでは番組で紹介された内容をもとに、筆者からの補足として 美里町の巨大レタス工場・美里グリーンベース の中身を、もう一段具体的に紹介します。畑の真ん中に現れた不思議な光の正体は、日本の農業の今を映す最先端の現場でした。
畑の真ん中に現れた不思議なピンク色の建物
謎の巨大施設として登場したのが、宮城県美里町 の広い畑の中に建つ 美里グリーンベース です。外から見ると、夜になると周囲がほんのりピンク色に染まって見える独特な建物で、農業施設とは思えない光景が広がります。中に入ると、天井いっぱいに設置されたLED照明が規則正しく並び、施設全体がやわらかなピンク色の光に包まれていました。
赤と青の光が支える安定したレタス栽培
このピンク色の正体は、赤と青の波長を組み合わせたLED照明 です。レタスが光合成を行う際に必要な波長に合わせて設計されており、太陽光に頼らずとも効率よく成長させることができます。天候や季節に左右されにくいため、屋内でも一年を通して安定した生産が可能になります。光の量や時間も細かく管理され、レタスにとって最適な環境が保たれています。
自動化された工程と独自の栽培方法
美里グリーンベースでは、種まきから栽培までの工程が自動化 されています。人の手を極力減らすことで、品質のばらつきを抑え、効率よく大量生産が行われています。栽培方法には、土耕と水耕の良さを組み合わせた 『舞台ハイブリッド土耕栽培』 が採用されています。土の力を活かしながらも管理しやすい仕組みで、安定した育成につなげています。
国内最大級規模が生み出す生産力
この工場は 国内最大級規模の植物工場 として知られており、1日に 数万株のレタス を生産できる体制が整っています。広い施設内では、同じ品質のレタスがずらりと並び、出荷までの流れも効率化されています。畑の中に建つ巨大施設でありながら、天候に左右されない農業を実現している点が、強く印象に残る現場でした。
静岡の陸上エビ養殖場と愛知の砂糖原料巨大施設
ここでは番組で紹介された内容をもとに、筆者からの補足として 二つの巨大施設が何を支えているのか を、事実と描写に沿ってもう少し詳しく紹介します。どちらも普段は目にすることのない場所ですが、日本の食を裏側から支える重要な現場でした。
磐田市に広がる日本最大級の陸上エビ養殖場
静岡県 磐田市 の田園地帯に現れたのは、日本最大級とされる 陸上エビ養殖場 です。施設の中には、水深約3メートルの大きな水槽が並び、そこで 『バナメイエビ』 が養殖されています。海ではなく陸上で育てることで、水温や水質を人の手で細かく管理でき、天候や海の状況に左右されにくい安定した生産が可能になります。
水槽の底にたまる排泄物を回収する仕組みも整えられており、エビにとって快適な環境が保たれています。その結果、病気のリスクを抑えながら品質の高いエビを育てることができ、年間約400万尾 という規模で出荷されています。
陸上養殖がもたらす安定と環境への配慮
陸上養殖の大きな特徴は、環境への負荷を抑えられる点 にあります。自然の海を汚す心配が少なく、必要な分だけ水を循環させて使うことで、効率的な養殖が行われています。安定した供給が可能になることで、食卓に並ぶエビの品質も保たれやすくなります。番組では、広大な施設と整然とした水槽の様子から、計画的に管理された現場であることがはっきり伝わってきました。
碧南市にそびえる三角形の巨大倉庫
一方、愛知県 碧南市 にある横幅約130メートルの巨大な三角形の施設は、サトウキビから作られる 『粗糖』 を保管するための倉庫です。近くに巨大なクレーンがあり、海外や国内各地から運ばれてきた原料が次々と運び込まれます。沖縄や鹿児島だけでなく、タイやオーストラリア などからも粗糖が集められています。
大量保管を可能にする建物の工夫
この施設では、一度に 約3万トン もの粗糖を保管することができます。隣接する砂糖工場では、1日に大量の原料が使われるため、安定供給のための備蓄が欠かせません。屋根を三角形にすることで、内部に柱を作らず、広く大きな空間を確保できる構造になっています。この形によって、重機が自由に動き回り、大量の原料を効率よく扱うことが可能になります。
見えない場所で支えられる日本の食
磐田市の陸上エビ養殖場と碧南市の砂糖原料倉庫は、どちらも表に出ることは少ない施設です。しかし、その存在があるからこそ、安定した食材が日々届けられています。巨大なスケールと細かな工夫が重なり、日本の食を静かに支えている現場であることが、番組を通して強く伝わってきました。
見えない努力が集まる場所こそ「そこんトコロ」
極小のアート、命がけのハント、そして巨大施設の裏側。どの企画にも共通していたのは、人の知恵と工夫が積み重なって今の形があるということです。
普段は意識しない食べ物や風景の裏側に、これほど多くの試行錯誤があると知ることで、日常の見え方が少し変わってきます。所さんのそこんトコロ!は、そんな気づきを自然に届けてくれる番組でした。

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