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【ザ・ノンフィクション】結婚したい彼と彼女の場合〜令和の婚活漂流記2026〜前編 婚活と尊敬婚が揺れた青山と富士市のリアル|2026年2月1日

ザ・ノンフィクション

結婚したい彼と彼女の”リアル”が動き出す物語

このページでは『ザ・ノンフィクション 結婚したい彼と彼女の場合〜令和の婚活漂流記2026〜前編(2026年2月1日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
令和の婚活舞台に立つのは、難病を乗り越え再出発した男性と、裕福な家庭に育ちながら自分の幸せを探す女性。お見合い、価値観のズレ、年収差、心の距離…二人の前に立ちはだかる壁はどれも重く、そして等身大です。
日常と人生の狭間で揺れる彼らの選択を、静かに、そして濃密に追いかける物語が始まります。

久保さん31歳、難病と年収の壁を越えて婚活に挑む

フジテレビのドキュメンタリー番組 ザ・ノンフィクション の最新作
結婚したい彼と彼女の場合〜令和の婚活漂流記2026〜前編 は、令和の婚活市場で「普通の30代男性」がどれだけ厳しい現実に直面しているのかを、容赦なく映し出します。

主人公の一人は、神奈川県出身の介護福祉士・久保さん31歳。ITを学ぶために大学へ進学したものの、1年生の夏に難病の潰瘍性大腸炎を発症し、大学を中退。症状が落ち着いたあとも清掃業などを転々とし、専門学校で学び直して29歳で介護福祉士の資格を取りました。

現在の職場は高齢者施設。介護の現場は人手不足の一方で賃金水準は決して高くありません。国税庁の統計でも、30代前半男性の年収は300〜400万円台がボリュームゾーンとされ、久保さんもまさにその層に当てはまります。

そんな彼が頼ったのが、東京・南青山にオフィスを構える結婚相談所 マリーミー の婚活アドバイザー 植草美幸。メディア出演も多いカリスマ仲人で、過去のシリーズ「令和の婚活漂流記2024」でも、大きな反響を呼びました。

入会から2か月、なかなかお見合いが組めない久保さんに対し、植草は「すぐにケアマネジャーの資格を取ってキャリアと年収を上げる」「スーツを新調して外見の印象を変える」と具体的なテコ入れを指示。オプション料金を払い、スーツ購入にも同行してもらう徹底ぶりです。

しかし最初のカウンセリングで「3年後まで資格試験が受けられない」と打ち明けたことで、久保さんの「武器」は限られていることが露わになります。難病の履歴、非正規時代のブランク、そして年収。どれも彼自身の努力だけでは簡単に変えられない現実であり、番組はその重さを正面から描きます。

尊敬婚の現場・青山デートが映した「踏み込めない心」

そんな久保さんに、ようやく訪れた最初のお見合いの相手が、6歳年上の京子さん。東京都内の大手企業で人材育成を担うキャリア女性で、年収は久保さんの倍近く。今の婚活市場で増えているという「女性のほうが年齢も年収も上」の尊敬婚の典型例です。

舞台となるのは、ハイブランドショップやおしゃれなカフェが立ち並ぶ東京・青山エリア。乃木坂・表参道周辺は「外見や立ち居ふるまい」が強く試される街でもあり、婚活デートのロケ地としては非常に象徴的です。

お見合いでは、久保さんは潰瘍性大腸炎のことや大学中退の経緯など、自分の弱さも含めて包み隠さず話します。その誠実さが評価され、結果は仮交際へ。

しかし、ここからが本当の勝負です。結婚相談所ルールでは、仮交際中のデートで互いの結婚観をすり合わせていきます。京子さんは仕事の責任も重く、これまで一人で生きてきた時間が長い女性。久保さんは、神奈川県の自然豊かな町で育ち、一人暮らしを始めたのもつい最近。毎日自炊し、職場には手作り弁当、家計簿もつける堅実派ですが、婚活を始めてからはスーツ代やデート代で出費が増え続けています。

2回目のデートは、なんと1か月後。ラインのやりとりはほとんどなく、久保さんは「仕事で忙しいだろう」と遠慮し続けてしまいます。彼なりの配慮は、京子さんには「放置」に見えてしまう。

当日、久保さんは自分がどれだけ家事を分担できるか、細かく書き込んだ「家事タイムテーブル」まで準備して臨みます。ところが京子さんの本音は「支える/支えられるのではなく、対等な関係でありたい」。年収やキャリアの差を埋めるために「家事で貢献しよう」とする久保さんの必死さと、彼女が望む関係性が微妙にずれているのです。

そして決定的だったのが、会っていない期間の距離感。京子さんが本当に気にしていたのは「結婚観」ではなく、「私に興味があるのかどうかが伝わらない」という感情の部分でした。久保さんがフラれた理由は、まさにここにありました。

令和の婚活を動かす結婚相談所とマッチングのルール

番組が切り取るのは、個人の恋愛ドラマだけではありません。舞台裏には、令和の婚活をビジネスとして支える結婚相談所の仕組みが存在します。

植草美幸が代表を務める結婚相談所 マリーミー は、東京都港区南青山にオフィスを構え、全国から会員が集まる老舗の結婚相談所。プロフィールは、全国の相談所が加盟する連盟システムに登録され、地域や相談所の垣根を超えてマッチングされます。

この世界には、独特のルールがいくつもあります。
・お見合いの申し込み・成立はシステム上で管理される
・仮交際は同時に3人までOK
・お見合いから原則3か月以内に「真剣交際」か終了かを決める
・交際期限は最長6か月

久保さんの場合、入会から5か月たってもお見合いの申し込みがゼロになるほど苦戦。そこで植草は、システムだけに頼らず、自社の女性会員に片っ端から声をかける「アナログ営業」に踏み切ります。

また植草は、人口減少に悩む地方自治体から講演に招かれ、婚活イベントの企画・登壇も多数こなしています。番組に登場する静岡県富士市のマッチングイベントもその一つ。富士山の南西に位置し、製紙工業で知られるこの街も、若年層の人口流出に悩む地方都市の一つです。

会場では、地元の独身男女と都市部からの参加者が出会いを求めて集まりますが、「話しかけられない」「条件ばかり見てしまう」など、それぞれの弱点が露呈します。植草は、婚活で最も重要なのは「その人が幸せになれる結婚の条件を見極めること」だと語り、一人一人に厳しくも的確なアドバイスを投げかけていきます。

お嬢様育ち小百合さん、神奈川から世界を見たキャリアと葛藤

もう一人の主人公が、神奈川県で母親が経営する高齢者施設の理事を務める小百合さん35歳。年収は800万円台。両親とも経営者という生粋のお嬢様で、幼いころからピアノ、バレエ、語学など多くの習い事をして育ってきました。

高校卒業後は宝塚音楽学校を受験するも不合格。浪人して芸術大学へ進学し、劇団四季を目指しますが夢は叶わず、卒業後はオーストラリアへ。語学を学びながらカフェ開業の準備をしていたという異色の経歴の持ち主です。

現在は、神奈川県内の高齢者施設で理事として働きつつ、1年前に購入した新築マンションで一人暮らし。住宅ローンは、自身の収入で初めて組んだもの。家や車など大きな支出は、これまですべて親が負担してくれてきたため、「自分のお金で背負う責任」をようやく実感し始めたタイミングでもあります。

婚活の条件は意外なほどシンプルで、「子どもが欲しいこと」。連盟サイトにプロフィールを登録すると、全国の相談所からお見合いの申し込みが入ります。初デートの相手は、鉄道会社に勤める向井さん38歳。年収も800万円台で、経済的には釣り合いの取れた相手です。

向井さんが選んだのは、コスパが良いことで知られるイタリアンレストラン。都心部では、気軽に本格イタリアンが楽しめるチェーンや個店が多数あり、デートの定番スポットにもなっています。小百合さんは笑顔で会話を楽しみますが、向井さんが「子どもをたくさん欲しい」と語ると、心の中で「違う」と感じます。

小百合さんにとって、人生の選択肢は常に「親が与えてくれた環境」とセットでした。留学も、マンション購入も、その延長線上にあります。そこに「自分の子どもをたくさん育てる覚悟」を重ねられるのか。年齢、キャリア、生活レベルが高いからこそ、彼女の迷いはより複雑です。

サイゼリヤ初デートから年収4億円社長婚へ、価値観の分岐点

番組の中でも象徴的なのが、ファミリーレストラン サイゼリヤ でのデートシーンです。イタリアンのメニューをリーズナブルな価格で提供するチェーンとして知られ、日本全国の郊外モールや駅前に店舗を構えています。

サイゼリヤは「デートにふさわしいかどうか」をめぐって、しばしばネット上で論争の的になりますが、この番組でも「価値観の違い」を浮かび上がらせる小道具として機能しています。

小百合さんは最初の向井さんとのご縁を「子どもをたくさん欲しい」という価値観のズレから手放し、その後、別の男性と真剣交際へ進みます。お相手は、親子ほど年の差があるうえに、年収4億円の会社経営者。まさに桁違いのハイステータス婚です。

神奈川のお嬢様育ちで、これまで「お金に困る」という経験をしてこなかった小百合さんにとって、4億円という数字は決して夢物語ではありません。しかし、そこには「自分の人生をどこまで預けるのか」という怖さも同居しています。

一方、久保さんはというと、京子さんとの失恋から1か月が過ぎ、入会から5か月たっても依然としてお見合いゼロ。そんななか紹介されたのが、年収2000万円台という8歳年上の紗栄子さんでした。

小百合さんは自分よりはるかに高収入の男性に向かっていき、久保さんは自分よりはるかに高収入の女性を前に会話がかみ合わなくなる。サイゼリヤのような日常的な食事場所と、会員制レストランや高級マンションが似合う世界。その距離感が、令和の婚活市場で「誰となら並んで歩けるのか」という問いを突きつけます。

漂流する令和の婚活世代が抱える「お金と愛情」のリアル

結婚したい彼と彼女の場合〜令和の婚活漂流記2026〜前編 のラストで強く残るのは、「努力しても埋まらない差とどう向き合うのか」という問いです。

久保さんは、難病の履歴と非正規の時期を経て、ようやくたどり着いた介護福祉士という仕事に誇りを持っています。しかし年収は同世代の平均か、それ以下。婚活の現場では、プロフィールの「年収」の一行が、彼の人柄よりも先にジャッジされてしまう現実があります。

小百合さんは、年収800万円台・新築マンション持ちという恵まれた条件を持ちながら、それでも「この人となら日常を共にしたい」と心から思える相手を見つけられずにきました。年収4億円の社長との成婚を決めた背景には、「親の庇護から離れて、自分の意思で選ぶ結婚をしたい」という強い決意が透けて見えます。

番組が描くのは、「好きかどうか」だけでは成立しない令和の結婚の姿です。
・地方都市・静岡県富士市のように、自治体が人口減少対策としてマッチングイベントを主催する現実
・東京・青山や新宿といった都市の舞台で、条件と感情の間で揺れる30代男女
・結婚相談所 マリーミー のような民間サービスが、人生の節目をビジネスとして支えつつも、その過程で個人の弱さや痛みをも容赦なくさらけ出させてしまう構造

そのどれもが、「婚活はがんばれば必ず報われる」というきれいごとからは遠い世界です。むしろ、報われない努力や、タイミングの悪さ、ちょっとしたLINEの頻度の違いが命取りになる厳しさをえぐり出しています。

前編の段階で、久保さんの婚活はまだ途上、小百合さんの選択も視聴者の賛否を呼びそうな形で提示されただけにすぎません。後編では、二人が「お金」と「愛情」のバランスをどのように選び取り、自分なりの幸せの形にたどり着くのか。その行方を見届けたくなる、非常にヘビーで、しかし目をそらせないドキュメントになっています。

 

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