坂田基禎が「水回りが全部外にある家」の再生に挑む
2026年10月4日放送の「大改造!!劇的ビフォーアフター」2時間スペシャルで、「京町家の粋人」と呼ばれる建築家・坂田基禎(さかた・もとのり)さんが匠として登場します。
舞台は奈良県大和郡山市。築120年を超える古民家には、風呂や洗面所、洗濯機などの水回りがすべて屋外にあるほか、雨漏りや寒さ、耐震性など多くの問題があります。
坂田さんは、古い建物を単に新しくするのではなく、そこに残る家族の記憶や建物本来の魅力を生かしながら、現在の暮らしに合う住まいへ変えてきた建築家です。今回も、亡くなった父の思い出を残したいという家族の願いを受け、庭の池や思い出の品まで設計に取り込んでいきます。
この記事でわかること
- 坂田基禎さんの経歴と現在の仕事
- 「京町家の粋人」と呼ばれる理由
- ビフォーアフターで手掛けてきた建物
- 築120年超の古民家で今回向き合う問題
坂田基禎は「京町家の粋人」と呼ばれる一級建築士

坂田基禎さんは、京都市生まれの一級建築士です。
京都府立山城高等学校を卒業後、福井工業大学建設工学科建築専攻へ進学。1979年に卒業すると、AZ Institute 環境計画研究所で経験を積み、1985年6月に坂田基禎建築研究所を開設しました。
現在は株式会社坂田基禎建築研究所の代表として、住宅だけでなく商業施設、宿泊施設、医療・福祉施設など幅広い建築に携わっています。
主な経歴は次の通りです。
- 1954年6月:京都市生まれ
- 1973年3月:京都府立山城高等学校卒業
- 1979年3月:福井工業大学 建設工学科建築専攻卒業
- 1979年4月:AZ Institute 環境計画研究所へ
- 1985年6月:坂田基禎建築研究所を開設
- 現在:株式会社坂田基禎建築研究所代表・一級建築士
1992年にはBSビルディングで「第38回大阪建築コンクール」渡辺節賞、1994年と1996年には住宅作品でHOPEコンクール京都市長表彰、1997年にはグラフィソフト社のCADコンクールでグランプリを受賞しています。
京町家で育った経験が坂田基禎の建築につながっている
坂田さんを象徴する呼び名が「京町家の粋人」です。
その根底にあるのは、自身が京都で生まれ育った経験です。
京町家について坂田さんは、外の自然を完全に遮断するのではなく、光や風、季節の移り変わりを住まいへ取り込みながら暮らす建築として捉えています。
だからといって、昔の姿をそのまま残すことだけを目的にはしていません。
古い建物が持つ風情や素材を大切にしながら、キッチンや浴室、収納、動線、安全性など現代生活に必要な機能を組み合わせる。その「古さと暮らしやすさの両立」が坂田さんの仕事の大きな特徴です。
坂田基禎建築研究所の考え方にも、それはよく表れています。
住宅は建築家の作品を見せる場所ではなく、そこで暮らす人の人生や生活観、将来の夢を形にするもの。そのため、住む人との打ち合わせを重ね、土地や家族ごとに異なる住まいをつくることを重視しています。
今回の「大改造!!劇的ビフォーアフター」と非常に相性のいい建築家だと分かります。
ビフォーアフターには2009年から何度も匠として登場
坂田基禎さんは、今回初めて「大改造!!劇的ビフォーアフター」に登場する建築家ではありません。
2009年の「逃げ遅れる家」をはじめ、古い京町家、温泉地の見番、海外の古い集合住宅など、難しい条件を抱えた建物を何度も担当してきました。
番組公式に残っている主な担当物件には、
- 2009年「逃げ遅れる家」
- 2010年「縁側が脱衣所の家」
- 2011年「ぬけ落ちそうな見番」
- 2012年「とんでもなく傾いた家」
- 2013年「目をそむけてきた庭」
- 2013~2014年「台所でシャワーを浴びる家」
- 2015年「怖くて住めない家」
- 2015年「湯船のない温泉」
などがあります。
特に「台所でシャワーを浴びる家」では、番組初の海外物件としてフランス・パリの築約150年の建物にも挑戦しました。
日本の京町家だけに特化した建築家ではなく、古い建物の構造や文化を読み取り、その場所に合わせて再構成する経験を重ねていることが分かります。
今回は築120年超「水回りが全部外にある家」
2026年の2時間スペシャルで坂田さんが向き合うのは、奈良県大和郡山市に残る築120年超の木造住宅です。
かつて米農家を営んでいた家で、父が亡くなった後、80代の母と長男が暮らしています。
最大の問題はタイトル通り「水回りが全部外」にあることです。
風呂、洗面、洗濯などをするために屋外へ出なければならず、特に夜間や冬場には高齢者に大きな負担となります。
さらに、
- 雨漏り
- アライグマによる被害
- 耐震性への不安
- 家全体の寒さ
- 高齢の母が暮らすうえでの移動負担
など、築年数だけでは片付けられない課題が重なっています。
父の思い出を消さずに暮らしやすくする
今回の改修で注目したいのが、坂田さんが「古い物を全部撤去して新しくする」という方向に進んでいないことです。
依頼する家族には、亡くなった父の思い出をできるだけ残したいという希望があります。
坂田さんは庭に残された池や、家の中にある思い出の品に目を向け、改修後の住まいへ生かしていきます。池を泳ぐ鯉まで撮影し、それを新しい家の仕掛けにつなげる場面も用意されています。
この考え方は、坂田さんが以前から掲げてきた「住まいは住まい手のもの」という姿勢と重なります。
築120年以上という歴史を「不便だから消す」のではなく、残す部分と変える部分を選びながら次の世代へつなぐ。
今回の古民家は、坂田基禎という建築家の特徴が非常に分かりやすく現れる仕事になっています。
魔裟斗と組んで古民家の難工事に挑戦
現場では坂田さんだけでなく、「ビフォーアフター工務店」の魔裟斗さんも工事へ参加します。
解体を進めるとベニヤ板の奥から頑丈な土壁が現れ、土間工事では大量のコンクリートを運ぶ重作業も発生。
元鉄筋工という経歴を持つ魔裟斗さんと、古い建物の扱いを熟知する坂田さんが組み、改修を進めます。
今回のテーマは単なる豪華リフォームではありません。
80代の母が安心して暮らせること、将来は家族が同居できること、さらに子どもたちの家族も週末に集まれる家にすること。
築120年超の古民家を「昔の家」から再び家族が集まる場所へ戻すことが、大きな目的になっています。
坂田基禎建築研究所は京都市中京区
坂田さんが代表を務める株式会社坂田基禎建築研究所は、京都市中京区にあります。
- 名称:株式会社 坂田基禎建築研究所
- 所在地:京都市中京区御幸町通竹屋町上ル毘沙門町533 松屋ビル501
- 設立:1985年6月
- 登録:一級建築士事務所
- 業務:建築・インテリア・エクステリアの計画、設計、監理、調査、研究、企画、コンセプトワーク
- 営業時間:9:00~18:00
- 休業日:日曜・祝日
住宅の新築やリノベーションだけでなく、店舗、飲食店、宿泊施設、病院・クリニック、福祉施設なども手掛けています。近年も京町家を含む住宅リノベーションの実績が継続して掲載されています。
まとめ
坂田基禎さんは、1954年に京都市で生まれ、1985年に自身の建築研究所を開設した一級建築士です。
京町家で培われてきた光や風、自然との関係を大切にしながら、現在の生活に必要な機能を組み合わせる建築を続けてきました。
「大改造!!劇的ビフォーアフター」でも2009年から複数の難物件を担当し、「京町家の粋人」として知られる存在です。
今回向き合うのは、築120年を超え、水回りがすべて屋外にある奈良県大和郡山市の古民家。
暮らしにくさを解消するだけでなく、亡くなった父の思い出や家の歴史を残し、80代の母と家族が安心して暮らせる住まいへつなげていくところに、坂田さんらしい建築の考え方が表れています。
参考リンク


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