粕谷哲が世界へ広めた「4:6メソッド」と現在の仕事
2026年10月4日放送の「一茂×かまいたち ゲンバ」では、世界チャンピオンが淹れるコーヒーと、同じ豆でも味を変えられる独自の抽出メソッドが特集されます。番組のテーマと重なるのが、2016年のWorld Brewers Cupをアジア人として初めて制し、「4:6メソッド」を世界へ広めたコーヒープロフェッショナル・粕谷哲さんです。
粕谷さんが本格的にコーヒーの道へ進んだのは2013年。それからわずか3年で世界王者となりました。
現在はコーヒーカンパニー「PHILOCOFFEA」の代表として千葉県内4店舗と東京・表参道の旗艦店を展開。店舗経営だけでなく、ファミリーマートのコーヒー監修、商品開発、企業へのアドバイス、世界大会を目指す競技者の育成まで活動を広げています。
この記事でわかること
- 粕谷哲さんがコーヒー開始3年で世界一になった経緯
- 世界大会で披露した「4:6メソッド」の仕組み
- PHILOCOFFEAの現在の5店舗
- ファミリーマート監修や競技者育成など現在の仕事
粕谷哲は2016年にアジア人初のWorld Brewers Cup王者
公式動画:世界制覇から10年かけて辿り着いた最新式のドリップレシピ
粕谷哲さんは1984年生まれ、茨城県美浦村出身。青山学院大学大学院を修了後、ベンチャーIT企業で働いていました。
人生が大きく動いたのは2012年です。
1型糖尿病を発症して入院した際にコーヒーへ興味を持ち、翌2013年には「コーヒーファクトリー」でバリスタとして歩み始めました。
そこからわずか3年後の2016年、手作業によるフィルターコーヒーの抽出技術や味、表現力を競う「World Brewers Cup」に出場。日本人として初めて決勝へ進み、アジア人として初の世界制覇を成し遂げました。
長い下積みを経て頂点へ到達したのではなく、コーヒーを本格的に始めて短期間で世界一まで駆け上がったことが、粕谷さんの経歴で最も強烈な部分です。
世界一を生んだ「4:6メソッド」は湯量を数字で管理する
世界大会で粕谷さんが披露したのが、現在まで名前が残る「4:6メソッド」です。
従来、ハンドドリップでは注ぐスピードや動きなど、経験による「技術」が味を大きく左右すると考えられてきました。
4:6メソッドは、それを湯量という数字でコントロールしやすくした抽出方法です。
基本は、
- コーヒー粉に対して約15倍のお湯を使う
- 総湯量を「4:6」に分けて考える
- 前半40%で味わいの方向性を調整する
- 後半60%で濃度を調整する
という考え方です。
例えばコーヒー粉20gなら、使用する湯量は300g。その300gを前半120gと後半180gに分けて抽出を組み立てます。
粕谷さんが目指したのは、職人しか再現できない方法ではありませんでした。
「誰でも簡単においしいコーヒーを淹れられる」ことを基本に、味の調整を目で確認できる数字へ置き換えたことが4:6メソッドの大きな特徴です。世界大会での優勝後、プロのバリスタだけでなく一般のコーヒー愛好家にも広がっていきました。
同じ豆でも淹れ方で味が変わる理由
2026年10月4日の「一茂×かまいたち ゲンバ」でも大きなポイントとなるのが、「同じ豆なのに、淹れ方によって味が変わる」という部分です。
コーヒーは豆だけで味が決まるものではありません。
使用する粉の量、お湯の量、温度、挽き目、抽出時間、注ぎ方によって、カップへ溶け出す成分のバランスが変わります。
粕谷さんの方法では、感覚だけに頼らず「どこへどれだけお湯を使うか」を整理することで、自分が求める味へ近づけていきます。
だからこそ「世界王者の特殊な手さばきを見て終わる」のではなく、家庭でも試せる方法として残りました。
さらに粕谷さんは世界制覇から10年が経った2026年にも新たなドリップレシピを公開しており、一度完成した方法に留まらず、抽出技術そのものを更新し続けています。
世界一の後にPHILOCOFFEAを立ち上げた
世界大会優勝はゴールではありませんでした。
粕谷さんは2017年に「PHILOCOFFEA」を立ち上げ、自らコーヒー豆の買い付けや焙煎、品質管理まで手掛ける体制を築いていきます。
2018年にはPHILOCOFFEAシャポー船橋店をオープン。
その後、
- 2021年:PHILOCOFFEA 201
- 2021年:PHILOCOFFEA プラッツ習志野店
- 2025年:PHILOCOFFEA 表参道店
- 2026年:PHILOCOFFEA 旧焙煎所
と店舗を広げました。
2026年7月31日にオープンした「旧焙煎所」は、PHILOCOFFEAが創業期から焙煎を行ってきた場所をリニューアルした店舗です。
粕谷さん自身も、この場所をPHILOCOFFEAの原点と位置付けています。世界王者になった人物が大型チェーンを目指すだけではなく、自分たちが始まった場所を再び店として残している点も印象的です。
現在はコーヒーを「淹れる人」だけではない
粕谷さんの現在の仕事は、店舗でコーヒーを淹れることだけではありません。
PHILOCOFFEAの代表として豆の選定、焙煎、抽出レシピ開発に関わる一方、企業の商品開発や監修にも携わっています。
代表的なのがファミリーマート「FAMIMA CAFÉ」のコーヒー監修です。
全国のコンビニで日常的に飲まれるコーヒーにも、世界大会で培った知識を応用しています。さらに国内外企業へのアドバイス、講演、競技者の育成など、仕事の範囲は広がっています。
World Brewers Cupで世界一になった後には、自分自身が競技者として大会へ出るだけでなく、選手を指導する側にも回りました。
PHILOCOFFEAによれば、2018年には粕谷さんが指導した選手もWorld Brewers Cupで世界一になっています。
自分だけがうまく淹れられる技術ではなく、人へ伝え、再現できる形にする。
4:6メソッドの考え方と、現在の粕谷さんの活動には同じ方向性があります。
PHILOCOFFEAは千葉4店舗と東京・表参道に1店舗
粕谷さんのコーヒーを実際に体験できるPHILOCOFFEAは、2026年10月時点で5店舗あります。
PHILOCOFFEA シャポー船橋店
- 所在地:千葉県船橋市本町7-1-1 シャポー船橋南館1階
- 営業時間:10:00~21:00
- アクセス:JR船橋駅シャポー口改札から約30秒
PHILOCOFFEA プラッツ習志野店
- 所在地:千葉県習志野市本大久保3-8-21 プロシード京成大久保
- 営業時間:10:00~18:00
- アクセス:京成大久保駅から徒歩約1分
PHILOCOFFEA 201
- 所在地:千葉県船橋市本町2-2-13 滝口ビル2階
- 営業時間:10:00~18:00
- アクセス:京成船橋駅から徒歩約5分
PHILOCOFFEA 表参道店
- 所在地:東京都港区北青山3-8-15 GREEN TERRACE 表参道B1F
- 営業時間:10:00~19:00
- アクセス:表参道駅A1・B2出口から徒歩約2分
PHILOCOFFEA 旧焙煎所
- 所在地:千葉県船橋市本町2-3-29
- 営業時間:10:00~18:00
- アクセス:京成船橋駅から徒歩約5分
- 定休日なし
本社兼焙煎所の「PHILOCOFFEA ROASTERY」も船橋市にありますが、こちらは一般店舗ではありません。
コーヒー豆は公式オンラインショップでも購入できる
PHILOCOFFEAでは、店舗だけでなく公式オンラインショップでもコーヒー豆を販売しています。
世界王者の名前を冠した高価な豆だけを扱うのではなく、浅煎りから深煎り、シングルオリジン、カフェインレス、ブレンドなど幅広い商品があります。
自宅で4:6メソッドを試したい人にとっては、粕谷さんが選定・焙煎に関わる豆と抽出方法を組み合わせられるのもPHILOCOFFEAの特徴です。
YouTubeでも家庭向けの抽出方法や豆の選び方を継続的に発信しており、2026年5月時点でチャンネル登録者数は18万人を超えています。
まとめ
粕谷哲さんは1984年に茨城県美浦村で生まれ、大学院修了後はIT企業で働いていました。
2012年の入院中にコーヒーへ興味を持ち、2013年からバリスタの道へ。わずか3年後の2016年にはWorld Brewers Cupで日本人初の決勝進出を果たし、アジア人として初めて世界一になりました。
その大会で世界へ披露したのが「4:6メソッド」です。
職人の感覚に依存しがちだったハンドドリップを、湯量という数字でコントロールしやすくしたことで、世界のバリスタから家庭のコーヒーファンまで使える方法へ広がりました。
現在はPHILOCOFFEA5店舗を展開し、商品開発、ファミリーマートのコーヒー監修、世界レベルの競技者育成にも携わっています。
コーヒーを始めて3年で世界一になったこと以上に、その技術を「誰でも再現できる形」に変え、多くの人へ広げ続けていることが、粕谷哲さんの現在につながっています。
参考リンク
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図解 コーヒー一年生


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