後藤真実はペルシャ湾沿岸の女性の装いを追う中東研究者
2026年9月24日放送の「バカリズム×カズレーザー まっすぐいきてる。」に登場する後藤真実さんは、秋田大学大学院国際資源学研究科の助教・卓越研究員です。成蹊大学法学部を卒業後、クウェート、カタル、イラン、イギリス、アラブ首長国連邦へと研究の場を広げ、現在はペルシャ湾沿岸地域の女性の服装や仮面文化を研究しています。
後藤さんが注目するのは、単に「珍しい仮面」ではありません。女性がどんな服装を選び、仮面をどのように身につけ、その背景に社会の変化や移住、アイデンティティがどう関わっているのかを、現地での聞き取りやフィールドワークから追い続けています。
この記事でわかること
- 成蹊大学法学部から中東研究へ進んだ経歴
- クウェート・カタル・テヘランで学んだ研究歴
- エクセター大学博士課程からNYUアブダビへ進んだ流れ
- 秋田大学で続ける女性の服装と仮面文化の研究
成蹊大学法学部から中東研究へ進んだ経歴

後藤真実さんは、2007年4月に成蹊大学法学部法律学科へ入学し、2011年3月に卒業しています。大学で取得した学位は法学士で、現在の文化人類学や湾岸地域研究とは一見すると異なる分野からスタートしました。
その後の進路は大きく海外へ向かいます。
成蹊大学卒業後の2011年10月にはクウェート大学のアラビア語コースへ進み、2012年8月に修了。続いて2012年9月から2013年6月までカタル大学でもアラビア語を学びました。
後藤さんは世界各地の文化を現地で体験することを重視してきた研究者で、秋田大学の紹介でも多くの国を訪れて経験を積んできたことが紹介されています。机上だけで中東を理解するのではなく、現地へ入り、人々の暮らしや言葉に触れながら研究を積み重ねてきたことが、その後の研究スタイルにつながっています。
法学部卒業から約半年後にはクウェートでアラビア語を学び始め、その後カタルへ。ここから後藤さんの本格的な湾岸地域研究が始まっていきます。
クウェート・カタル・テヘランで学んだ研究歴
後藤さんの研究歴で特徴的なのが、研究対象となる地域の言語を現地で学び続けてきたことです。
主な学歴は次のようになります。
- 2011年3月:成蹊大学法学部法律学科卒業
- 2012年8月:クウェート大学アラビア語コース修了
- 2013年6月:カタル大学アラビア語コース修了
- 2015年6月:カタル大学大学院湾岸地域研究専攻修士課程修了
- 2015年・2016年:テヘラン大学でペルシャ語を学ぶ
- 2019年3月:エクセター大学大学院博士課程修了
カタル大学大学院では湾岸地域研究を専攻し、修士号を取得しました。
この修士課程で、後藤さんの現在につながる大きな研究テーマが形になっていきます。
湾岸地域では、文化や歴史について男性側から記録された資料が多い一方、女性の生活や服装について残された資料は限られています。
そこで後藤さんは、女性の立場から湾岸社会を見る研究に着目しました。
女性の服装と湾岸地域、そして社会の変化を組み合わせて研究することで、政治や資源だけでは見えてこない中東社会の姿を明らかにしようとしたのです。
テヘラン大学でペルシャ語を学び仮面文化へ
後藤さんが研究している仮面は、ペルシャ湾周辺の一部地域で女性が身につけてきたものです。
イラン側と湾岸アラブ諸国の双方で見られ、形や色、素材、使い方は地域によって異なります。
後藤さんは、この仮面文化をより深く調べるため、2015年と2016年にテヘラン大学のペルシャ語コースで学びました。
研究では、アラビア語だけでなくペルシャ語や英語も使いながら現地で聞き取りを行っています。
秋田大学のインタビューでは、スカーフだけでは説明できない仮面文化の多様性や、女性がどのような思いで日常的に仮面を身につけているのかを知りたいという関心から研究を深めていったことが紹介されています。
その後、アラブ首長国連邦、イラン、オマーン、カタル、バハレーンなどで現地調査を実施。
仮面を「宗教的な衣装」とだけ捉えるのではなく、
- 地域文化
- 女性のアイデンティティ
- 移住
- 経済発展
- 社会変化
- 政治的背景
などとの関係から研究しています。
エクセター大学博士課程からNYUアブダビへ
カタル大学大学院で修士号を取得した後、後藤さんは2015年9月からイギリスのエクセター大学大学院へ進みました。
所属したのはアラブ・イスラーム学研究所で、アラブ・イスラーム学を専攻。2019年3月に博士課程を修了し、博士号を取得しています。
博士論文のテーマは、湾岸地域における仮面と物質文化、アイデンティティなどに関する研究でした。
博士課程修了後も研究は続き、
- 2019年4月〜2022年3月:日本学術振興会特別研究員PD
- 2019年11月〜2020年3月:ザイード大学客員研究員
- 2022年4月〜12月:日本学術振興会海外特別研究員
- 2022年7月〜2023年6月:ニューヨーク大学アブダビ校客員研究員
として研究を進めています。
日本学術振興会の海外特別研究員として採用された際の研究テーマは、アラブ首長国連邦に暮らす非アラブ系外国人妻の身体表象などを扱う民族誌研究でした。研究拠点となったのがニューヨーク大学アブダビ校です。
仮面そのものだけでなく、移民女性がどの服装を選び、社会へ溶け込もうとしたり、自分のルーツを表現したりするのかへと研究対象を広げています。
2023年から秋田大学助教・卓越研究員
後藤さんは2023年1月から、秋田大学大学院国際資源学研究科の助教を務めています。
同時に、文部科学省の令和4年度卓越研究員にも採択されました。秋田大学では初めてとなる卓越研究員の採用でした。
2026年現在の所属・専門は次の通りです。
- 所属:秋田大学大学院国際資源学研究科
- 職名:助教
- 卓越研究員:2023年1月から
- 専門:湾岸地域研究
- 研究分野:文化人類学・民俗学・ジェンダー・中東地域研究
- 主な関心:服装・装い、物質文化、女性の民族誌
秋田大学では資源政策コースに所属しています。
「資源」という言葉から石油や天然ガスを研究しているようにも見えますが、後藤さんが注目するのは、その土地で暮らす人々です。
中東・湾岸地域を資源や政治だけから見るのではなく、人々の服装、文化、移動、アイデンティティから読み解いています。
ペルシャ湾沿岸の女性の服装と仮面文化を追う研究
後藤さんの研究を象徴する存在が、女性が顔につける独特な仮面です。
読売テレビ「まっすぐいきてる。」でも、この仮面文化が大きなテーマになります。
番組では、仮面の歴史や模様の意味、地域で広まった背景などを紹介。後藤さんが研究のためイエメンへの渡航も検討していたことや、なぜそこまで仮面文化を追い続けるのかにも迫ります。
後藤さんの博士論文にも、湾岸地域の仮面と物質文化、アイデンティティを扱った研究があります。
さらに近年は、ペルシャ湾を行き来した移民を通じて女性の装いがどのように伝わり、変化してきたのかも研究しています。2024年度には「ペルシャ湾における移民を通じた女性の装いの伝播と変容に関する民族誌的研究」で女性研究者支援コンソーシアムあきた賞の若手研究者学術研究部門を受賞しました。
衣服や仮面は、一見すると身につける道具です。
しかし、そこには「自分はどこに属するのか」「どんな社会で生きているのか」「伝統をどう受け継ぐのか」といった人々の意識が表れます。
後藤さんは現地の女性たちの声を聞きながら、服装という身近なものから湾岸社会の変化を読み解いています。
まとめ
後藤真実さんは、成蹊大学法学部を卒業後、クウェート大学とカタル大学でアラビア語を学び、カタル大学大学院で湾岸地域研究の修士号を取得した研究者です。
さらにテヘラン大学でペルシャ語を学び、イギリスのエクセター大学でアラブ・イスラーム学の博士号を取得しました。
博士課程修了後は東京外国語大学、日本学術振興会、ザイード大学、ニューヨーク大学アブダビ校などで研究を続け、2023年1月から秋田大学大学院国際資源学研究科の助教・卓越研究員を務めています。
現在の中心テーマは、ペルシャ湾沿岸地域の女性の服装や仮面文化です。
仮面の形だけを見るのではなく、移民、社会変化、女性のアイデンティティまで含めて現地で調査しているところが、後藤さんの研究の大きな特徴です。
参考リンク


コメント