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テレ東【新美の巨人たち】ゴジラ・THE・アート展×加藤夏希|怪獣とアートの衝突に迫る|2025年6月7日放送

新美の巨人たち

加藤夏希が体感!アートになった怪獣・ゴジラ70周年記念展の全貌とは

2025年6月7日放送のテレビ東京「新美の巨人たち」では、怪獣ゴジラの70周年を記念した展覧会「ゴジラ・THE・アート」を特集。今回の舞台は東京・六本木ヒルズにある森アーツセンターギャラリー。展示では現代アートの手法で表現されたゴジラの姿が並び、番組ナビゲーターの加藤夏希さんがその世界を巡りました。絵画や立体、インスタレーションなど多彩な手法で描かれた“アートとしてのゴジラ”を通して、怪獣の枠を超えたその深い存在意義が明かされました。

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横尾忠則の「PARADISE」に浮かぶ異世界のゴジラ

展示の冒頭に登場したのは、横尾忠則さんによる巨大な連作「PARADISE」。これは16枚のパネルで構成された大作で、カラフルな花や太陽、看板やパチンコ台といったモチーフが描かれ、現代日本の混沌を象徴するかのような世界が広がります。その中央に立つのがゴジラ。異なる視覚要素が混ざり合うこの作品の中で、ゴジラは破壊者ではなく、まるで楽園の守護神のように鎮座しています。作品全体が放つ圧倒的なエネルギーと情報量が、現代アートとしてのゴジラの新たな可能性を示していました。

若手アーティストたちが表現した“自分だけのゴジラ”

続いて紹介されたのは、現代の若手アーティストによる斬新なゴジラ像。たとえばCOIN PARKING DELIVERYの「GODZILLA VS MR.SHIRAI」は、デジタルアートの手法を使った新世代の表現。一方で村松佳樹さんは、彫刻で“口”というモチーフからゴジラの恐怖や生命力を伝えています。キュレーターの金秋雨(キン・シュウウ)さんは「それぞれの作家が時代や個人の体験と向き合い、ゴジラを自分の表現に昇華させている」と語っており、アートを通してゴジラの多面性が鮮やかに浮き彫りになっていました。

O JUNが描く「ひらがなのごじら」に込めた記憶

画家のO JUNさんは、ひらがなで書かれた「ごじら」をモチーフにした作品「Rays」を展示。額の中に描かれた文字は、まるで夢の中で見た光景のように淡く、クレヨンや油絵具が使われた温かみのある質感が印象的です。O JUNさんは、幼い頃にゴジラ映画を初めて見たときの衝撃を「文字にしたい」と考えたそうです。ひらがなを使うことでゴジラの恐ろしさではなく、柔らかくて不思議な存在感が伝わってくる、非常にユニークなアプローチとなっていました。

東京ビルドが再現した“ゴジラのいない世界”

スウェーデン在住の日本人アーティスト東京ビルドさんの展示では、ゴジラが破壊したはずの街のミニチュア模型が登場。実際にはゴジラの姿はなく、ゴジラの「存在の気配」だけが表現されていました。看板のかすれや瓦礫の表現など、細部にまでこだわった作りこみはまるで映画の特撮そのもの。さらに東宝の映像美術スタッフと連携し、実際に映画で使われたミニチュアも特別展示されており、映画とアートが交差する場所となっていました。

加藤夏希がピン留めする「ゴジラ上陸マップ」

加藤夏希さんは、これまでゴジラが映画で上陸した日本各地を地図上でピン留めしていくコーナーにも挑戦。東京都庁、横浜、沖縄、函館、神戸など全国の名所が続々と登場。中には海外(ニューヨークやパリ)への上陸シーンもあり、ゴジラが地球規模の存在として描かれてきたことがよくわかります。このコーナーでは、映画「シン・ゴジラ」や「ファイナルウォーズ」などに登場した実際のシーンが映像とともに紹介され、作品ごとの演出の違いも楽しめる構成でした。

彫刻家・小谷元彦が彫り出す“人のような怪獣”

最後に紹介されたのは、彫刻家小谷元彦さんによる木彫作品「the One ―呉爾羅(仮設のモニュメント6)」。高さ3メートルにもなる巨大な彫刻で、木の年輪が活かされた質感と緻密な造形が特徴です。小谷さんは、「ゴジラは怪獣でありながら、人間の恐れや怒りを映し出す存在でもある」と語り、あえて人に似たフォルムを与えることでその内面を表現しました。この作品の前に立つと、ただの怪獣ではなく、何か大切なことを訴えかけてくるような強い存在感が伝わってきました。

破壊者ではなく“問いを投げかける存在”としてのゴジラ

今回の展覧会「ゴジラ・THE・アート」を通して描かれたのは、単なるエンタメとしてのゴジラではなく、私たちが直面する社会の不安や歴史を映す象徴としてのゴジラでした。アーティストたちはその巨大な存在と真剣に向き合い、自分の表現で何かを伝えようとしていました。

番組を観ることで、改めて「ゴジラ」という存在が持つ意味の深さを感じることができました。展覧会は現在も開催中。興味のある方はぜひ、実際に会場でその“問いかける怪獣”の姿に触れてみてください。

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