北関東の厨房に無人カメラ密着!群馬81歳うどん職人と茨城69歳の町中華名人の奮闘記
2025年6月12日放送の「有吉の深掘り大調査」(テレビ東京)は、「北関東 厨房ドキュメントSP」と題し、群馬・伊勢崎市と茨城・日立市の老舗飲食店に無人カメラを設置して、ベテラン店主たちの1日を丁寧に記録。また都内の絶品グルメ情報も豊富に紹介され、「孤独のグルメ」で登場した中華店の人気ぶりや、名物メニューに込められた思いも明かされました。
群馬・伊勢崎市「せっちゃんうどん」81歳女将が毎日打ち続ける渾身の手打ち麺
群馬県伊勢崎市にある「せっちゃんうどん」は、81歳の女性店主・加藤さんが50年以上にわたり一人で店を守り続けている地元の名店です。この日は、12台の無人カメラが設置され、開店前から閉店後までの1日を追いました。
加藤さんの1日は早朝から始まります。営業前にすでに50人前の出前注文が入り、玉ねぎだけでも50個以上を毎日使用。厨房では、加藤さんが一玉ずつ手でうどんを打ち続けていました。粉をこね、生地を伸ばし、切る作業まで全て自分でこなしており、機械を使わない昔ながらの方法で作っています。
・うどんの生地はその日に使う分だけを手打ち
・天ぷらや煮物などのおかずもすべて店内調理
・仕込みと同時進行で電話応対や配達準備もこなす
・スタッフは加藤さんと息子さん、さらに2名の高齢従業員。平均年齢はなんと80歳
出前だけでなく、昼には店内の席が満席になるほどの人気ぶりです。常連客が次々と入店し、「何も言わずに自分の席に向かう」ほどの信頼関係が築かれていました。曜日ごとに内容が変わる定食は、ご飯と主菜に加えて、必ず手打ちうどんがセットで付いてくるスタイル。しかもうどんはおかわり自由という太っ腹なサービスも、多くの常連に喜ばれています。
営業中、注文が集中するとすでに打ってあったうどんが足りなくなり、加藤さんは途中でうどんを追加で打ち始める場面もありました。そんな中でも、慌てることなく一つひとつの作業に手を抜かない姿が印象的でした。
営業が終了すると、片付け作業に移り、従業員が順に帰宅。その後も店には灯りがともり続け、加藤さんと息子さんが2人で翌日の仕込みを続ける姿が映し出されました。買い出しから仕込み、出前配達まで、毎日多くの工程を二人三脚でこなす日々。厨房に立ち続ける加藤さんの姿からは、料理への情熱とお客さんへの感謝の気持ちがにじみ出ていました。
この店では、警察署からの大口注文もあるそうで、この日は警察署への出前分10人前のうどんが一時的に行方不明になるというハプニングも。しかし最終的には単純な個数の勘違いであることが判明し、すぐに対応が行われました。
最後のお客さんを見送ったあとも厨房は静かに忙しく、高齢の体で毎日これだけの量をこなしている加藤さんの姿に、多くの視聴者が驚いたことでしょう。うどん1玉1玉に込められた思いと、それを受け取る地域の人たちの信頼が、この店を今も支え続けています。
茨城・日立市「桃苑」69歳店主が挑む600個の餃子づくりと町中華の一日
茨城県日立市にある老舗町中華「桃苑」は、69歳の店主が開店6時間前から厨房に立ち、600個の餃子を仕込む繁盛店です。この日は20台の無人カメラが設置され、開店準備から閉店後までの動きが丁寧に記録されました。
朝6時ごろから店主が厨房に入り、まず始めるのは餃子の皮づくり。粉を水で練って生地をこね、寝かせ、のばし、丸く切るところまでを一貫して自分で行います。市販の皮を使わないのは、「皮の厚みやもちもち感を自分でコントロールしたいから」。仕込みだけで餃子120人前・600個分を用意します。
餃子の具は、野菜を中心にしながら、背脂と店独自の秘伝ダレを加えることで、肉のようなコクを実現。肉を使わなくても満足感のある味を出せる工夫が詰まっています。皮と具のバランスを計算しながら包む作業も、全て手作業で丁寧に行われました。
・餃子の工程は「粉から皮づくり」→「具材の仕込み」→「一つずつ包む」までをすべて店主1人で
・1個ずつ丁寧に包むことで、焼いたときに具が飛び出さないよう工夫
・包んだ餃子は営業前の冷蔵庫へきちんと保存され、開店に備える
まかないの時間になると、メニューにはない特別料理が毎日登場。店主はこの時間を「料理の実験」と捉え、味の研究にも活かしています。スタッフも厨房で和やかに食事をとり、雰囲気の良さが映し出されていました。
開店30分後にはすでに満席に。厨房では店主が一人で複数の鍋とフライパンを操りながら、さまざまな料理を同時進行で調理。看板メニューの餃子は、蒸す→揚げる→焼くという三段階で仕上げられ、表面はカリカリ、中はジューシーに。油の温度管理や焼き加減にも細心の注意を払っていました。
餃子以外にも、ピーマン定食、レバニラ定食、広東メン、チャーハン、カタヤキソバなど多くの定番メニューが注文され、どれもスピーディーに提供されていきます。
・餃子は蒸してからラードで揚げ、仕上げに焼き色をつけて香ばしく
・厨房内では常に店主の動きが止まらず、瞬時の判断で火加減や盛り付けを調整
・注文が重なる時間帯も、店主一人で混乱なく対応
閉店時間を過ぎても、店頭には持ち帰り餃子を買い求める客が絶えず、用意した600個すべてが完売。厨房の中では片付けと清掃が静かに進められ、1日の疲れが見える中でも、最後まで丁寧に作業を続ける姿が印象的でした。
店主はインタビューで、「母から受け継いだ店を守るために、体がきつくても続けていきたい」と語っていました。肩や体に痛みを抱えながらも、店とお客のために立ち続ける姿勢は、多くの視聴者の心に残るものだったと思います。
町中華の味と誇りが詰まった一皿一皿に、長年の経験と工夫、そして地域への愛情が感じられる一日でした。
「孤独のグルメ」に登場!ミッキー飯店の人気と秘話
東京・中野坂上にある「ミッキー飯店」は、ドラマ『孤独のグルメ』に登場したことでも知られる、老舗の町中華です。放送の影響もあり、この日も開店前から行列ができるほどの大盛況。中には名古屋から訪れたというお客さんもおり、全国的な人気の高さがうかがえました。
看板メニューは、黒く仕上がったニンニクチャーハンと「ミッキーライス」。ニンニクチャーハンは、たまり醤油を使うことで深いコクと色合いを出しているのが特徴で、ひき肉とニンニクがたっぷり入ったパンチのある一品です。
「ミッキーライス」は、店の客の半数以上が注文するほどの圧倒的人気メニュー。この料理は約55年前、先代の店主が考案したもので、時代や客の好みに合わせて少しずつ味のバランスを調整し、長い年月をかけて完成された味になっています。
・ミッキーライスは、炒めた具材に特製ソースをかけてご飯に乗せたボリューム満点の一皿
・ニンニクチャーハンは、見た目からして黒く、インパクトのある見た目と香りが特徴
・どちらも、ひと口目でガツンとくる味わいと、クセになる後味が魅力
店名の「ミッキー飯店」には、ちょっとユニークな由来があります。開店当初、当時人気があった「キッコーマン」「キリンビール」「汽船会社」の3つの“き”からヒントを得て、「ミッキー」と命名されたとのこと。実は、元の店名は「盈喜飯店」でしたが、漢字が難しく読みにくいため、親しみやすいカタカナに変更したそうです。
さらに注目すべきは、ドラマでは登場しなかった裏メニューや隠れた人気メニューの存在です。「ミッキーカタ焼きそば」や「ミッキーメン」など、リピーターに支持される料理も多く、どのメニューにも創業者の工夫と個性が詰まっています。
・「ミッキーカタ焼きそば」は、あんかけのとろみと香ばしく焼かれた麺の食感が絶妙
・「ミッキーメン」は、チャーハンやライスとはまた違った味わいで、男性客に人気
・どの料理も、ボリュームがありつつ、後味がすっきりしていて食べ飽きないのが魅力
また、ドラマの影響で訪れる一見さんも多い中、地元の常連が今も変わらず通い続けていることも、この店の実力を物語っています。厨房では、開店前からスタッフがてきぱきと動き、長年の経験で培われたチームワークの良さも垣間見えました。
昭和から続く味と店の雰囲気を守りつつ、今も進化を続ける「ミッキー飯店」。その裏にある物語や工夫の積み重ねが、今日もまた多くの人を惹きつけています。
都内・各地のおすすめグルメ店も紹介
今回の放送では、北関東の厨房密着に加え、東京都内や関東近郊の注目グルメ店も多数紹介されました。いずれも地域の人々に愛され、個性豊かなメニューと確かな味で人気を集める名店ばかりです。
まず紹介されたのは、渋谷区・初台にある「中華料理 永楽」。名物は**ふんわりとした玉子がたっぷり乗った「玉子チャーハン」**です。見た目はオムライスのようですが、中身は本格中華の炒飯。玉子のふわふわ食感と、香ばしいチャーハンのコントラストが絶妙です。
次に登場したのは、足立区・北千住にある「市場食堂さかなや」。ここでは、**「煮穴子一本のせ海鮮丼」や「豪華海鮮丼」、「天丼定食」**といった、新鮮な海の幸を贅沢に使ったメニューが人気。煮穴子はふっくらとやわらかく、丼ぶりいっぱいに広がるその見た目は圧巻でした。
さらに同じ北千住には、**多国籍料理が味わえる「無国籍酒肴 Himeji」**も登場。ペペロンチーノや明太クリームパスタ、「今月のパスタ」など月替わりで多彩なメニューが並び、洋食系パスタながらもどこか和の味わいも感じられる独自のテイストが魅力です。
そしてもう一軒、北千住からは**「究極のまかない ここのつ」。こちらの「究極のレバにら炒め定食」**が特に注目されました。新鮮な鶏レバーを使用し、しょうが・にんにく・酒・醤油に約6時間漬け込むことで臭みを抑え、20年以上継ぎ足している自家製焼き鳥のタレが決め手。鶏の唐揚げ定食やもつ煮丼もあり、ボリュームも満点でした。
杉並区では、「天津飯店」が紹介されました。ふわとろの玉子と甘酸っぱいあんが絶妙に絡んだ天津丼が看板メニューで、リピーターも多い一品です。老舗らしい落ち着いた雰囲気の店内で、どこか懐かしい味が楽しめます。
中野区・富士見町駅周辺からは3店舗が登場しました。
・「勝楽」では、昔ながらの醤油ラーメンが人気。あっさりした中にも深みがあるスープと、手打ち風の麺が好相性で、地元の人たちに長く愛されています。
・「三代目大江戸寿司」では、「ランチにぎり」や「海鮮丼」が注目されました。ランチ時はサラリーマンや家族連れでにぎわい、新鮮なネタをリーズナブルに味わえると好評です。
・「きっちゃんキッチン」では、三元豚のロースかつ定食が看板メニュー。厚切りながらもやわらかく揚がったとんかつは、脂の旨味がしっかりありながら後味が軽く、女性客にも人気です。
また、「凪」も同じく中野区から紹介され、魚中心の定食を提供する繁盛店として取り上げられました。中でも、「サケカマ定食」や「ギンダラ煮付定食」「生姜焼定食」が人気で、魚屋から毎日仕入れる新鮮な魚を使った料理は、どれも定評があります。肉系メニューもあり、魚が苦手な人でも楽しめるバリエーションが揃っています。
これらの店舗はいずれも、味・価格・雰囲気の三拍子がそろった、地元に根付いた名店ばかり。今回の放送では、名物店主のこだわりや、料理の細かなポイントも丁寧に紹介されており、観ているだけで訪れたくなる内容となっていました。どのお店も、一皿一皿に長年の工夫と地域への思いが込められているのが伝わってきました。
職人技が光る町工場の裏側も紹介
番組の後半では、日本各地で伝統と技術を守り続ける町工場の現場にも無人カメラを設置し、その仕事ぶりをじっくり映し出していました。大量生産とは違う、一つひとつに思いを込めた手仕事の世界が明らかになりました。
まず紹介されたのは、東京都足立区にある町工場。ここでは、86歳の同い年コンビがペアで作業を続けており、皇室御用達として知られる高級スリッパを製造しています。そのスリッパは、外側に牛革、底面に豚革、内側には馬革を使うという非常に贅沢な仕様。足に触れる感触や耐久性にこだわり抜いており、すべての工程が手作業で行われているため、1日に作れるのはわずか10足ほどです。黒を基調とした「moco NO.4501」というモデルは除電機能も備えており、工業用途だけでなく贈答品としても高い人気を集めています。
続いて登場したのは、群馬県の老舗ダルマ工房。ここでは、約150年の歴史を持つ伝統的なダルマ作りを継承しています。特徴的なのは、素材にリサイクルされた紙製の卵パックを使用していること。1日に使う卵パックは約900枚にものぼり、それらを水とともに撹拌してドロドロにしたものを型に流し込んで成型していきます。こうして1日約500個のダルマが完成します。環境に配慮しつつ、日本人にとって馴染みのある縁起物をつくり続ける姿は、現代のモノづくりの新たな在り方として注目されました。
最後に紹介されたのは、京都・中京区にある創業100年を超える「北川商店」。ここでは、蚕の繭から取れる真綿を使った高級布団を手作りしています。番組では、職人たちが卓球台ほどの広さの作業台に真綿を広げて何層にも重ね、布団の中綿として仕立てていく様子が映されました。1枚の布団を仕上げるのに必要な繭の数は約3000個。この真綿布団は完全オーダーメイドで、一枚あたりの価格はおよそ20万円にもなる高級品です。
注目すべきは、夏用の真綿布団の需要が年々高まっていること。その背景には、猛暑によって就寝時にもエアコンをつけたまま眠る人が増えたことがあり、冷房の風による冷えを防ぎつつ、通気性が良く快適に眠れる真綿布団が重宝されています。
これらの工房では、一つひとつの製品に熟練の技と心が込められており、大量生産では味わえない価値が宿っていると改めて感じさせられました。画面越しにも、職人たちの真剣な眼差しと丁寧な手の動きから、ものづくりの尊さや手仕事の美しさがしっかりと伝わってきました。
まとめ
このように今回の放送では、厨房や工房の裏側にある努力と工夫、そして人々の熱い思いが丁寧に描かれました。無人カメラだからこそ捉えられた自然な表情や働きぶりが、より一層その魅力を引き立てていました。番組はTVerやU-NEXTでも視聴可能です。
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