はじめに
2024年12月26日(木)19:30~20:15に放送されるNHK総合「あしたが変わるトリセツショー」は、全国各地の100歳以上の元気な方々を徹底取材し、健康長寿を支える生活習慣や秘訣を3つのテーマにまとめた特別番組です。「老化を防ぐ食生活」「驚きの“ちょこ活”健康法」「世界が注目する“つながり”の力」を軸に、実践しやすい健康法が詳しく紹介されます。
出演者は石原さとみさん、ココリコ田中さん、YOUさんの3人。彼らの楽しい掛け合いとともに、視聴者も納得する科学的な知見や実例が解説されます。また、100歳の方々が語る「人生で一番面白かったこと」や「座右の銘」など、長寿にまつわる心温まるエピソードもたっぷり。
健康で長生きしている人は、ストレスをためないようクヨクヨ悩まず物事を前向きに考える性格の人が多い印象です。 長生きの高齢者には、「考えても仕方ないことは、考えないのが一番」と笑顔で話す人もいます。 また、人の悪いところより良いところに目を向けるよう意識している人もいました。2021/07/16
■ 100歳×100人 超人列伝
現役農家・陸上選手として活躍する宮内義光さん(鹿児島県・100歳)
宮内義光さんは鹿児島県に住む100歳の現役農家であり、驚くべきことに陸上選手としても活動を続けています。宮内さんの日常は驚くほど規律正しく、毎朝欠かさず2kmのランニングを行い、その成果として年代別の陸上競技で世界記録を次々と樹立しています。農業では長年培った経験を活かし、地域の農業発展にも貢献。農作業を通じて得られる適度な運動が、体力の維持に役立っているともいえます。さらに、競技会への出場を通じて仲間との交流を深めており、これが宮内さんの生活の活力の一部となっています。
デイサービスボランティアと登山を楽しむ阿久澤幸吉さん(群馬県・101歳)
群馬県在住の阿久澤幸吉さんは101歳ながら、多忙な毎日を送っています。月曜日から土曜日までデイサービスでボランティア活動を行い、高齢者のサポートをしています。また、絵画教室の講師としても活躍し、地域の文化活動にも貢献しています。休日には登山を楽しむなど、自然と触れ合う時間を積極的に確保。これにより心身をリフレッシュさせ、充実した生活を送っています。阿久澤さんのライフスタイルは、「忙しさこそが健康の秘訣」ともいえるような充実感にあふれています。
現役の町中華料理人・天川ふくさん(群馬県・101歳)
天川ふくさんは群馬県の町中華の厨房に立つ101歳の現役料理人です。週5日、厨房で腕を振るい続け、その料理は地元の常連客に愛されています。さらに、算盤を使い売上の計算をこなすなど、長年の経験と技術を駆使して店舗運営にも関わっています。天川さんの活動は、手先や頭を使うことが健康維持に役立つという好例です。地元の人々との交流も多く、その笑顔がさらにエネルギーを与えているようです。
■ 「食生活」で老化を防ぐ!
奄美群島が誇る長寿の秘密
鹿児島県奄美群島は、人口に占める100歳以上の割合が全国平均の2.7倍と、まさに長寿の島として知られています。この地域は、1979年に世界最高齢(120歳)として認定された泉重千代さんの故郷でもあり、長寿と健康に寄与する独自の食文化が注目されています。
発酵飲料「ミキ」が支える健康
奄美の代表的な健康食品の一つが、米と芋を発酵させた伝統飲料「ミキ」です。102歳の内山アキさん、100歳の岬哲夫さん、104歳の栄千鶴枝さんは、毎日欠かさずこのミキを飲み続けています。ミキには発酵食品特有の乳酸菌や酵母が豊富に含まれており、腸内環境を整える効果が期待されています。この飲み物は、地域の文化とともに受け継がれており、単なる栄養補給だけでなく、地域の伝統や家族の絆も深める役割を果たしています。
豊富な食物繊維を含む食文化
奄美の食文化は、ミキ以外にも野草や海藻、そして「食べる味噌」といった発酵食品が特徴です。これらの食品には豊富な食物繊維が含まれており、腸内フローラを整え、炎症老化を抑える効果があるとされています。具体的には以下のような食材が日常的に利用されています。
- 野草:つわぶきやニガナなど、ビタミンやミネラルが豊富。
- 海藻:昆布やもずくなどが一般的で、ミネラル補給に最適。
- 味噌:そのまま食べるスタイルで発酵食品の効果を最大限に活用。
「好きな食べ物」ランキング1位は食物繊維
100歳×100人の調査では、「好きな食べ物・健康を意識して食べるものは?」という質問に対し、「食物繊維」が1位にランクインしました。これにより、日々の食生活で腸内環境を意識することが、健康維持に重要な役割を果たしていることが伺えます。
炎症老化を抑える最新の研究成果
最新の研究では、100歳以上の中でも特に元気な人たちには、炎症老化が少ないことが明らかになっています。炎症老化とは、加齢に伴い体内で慢性的な炎症が起こる状態を指し、健康寿命を縮める一因とされています。この炎症を防ぐうえで、食物繊維の重要性が改めて注目されています。食物繊維を多く含む食品を摂取することで、腸内細菌が整い、炎症を引き起こす物質の生成が抑えられるとされています。
奄美の食文化が教える健康のヒント
奄美群島の食文化は、単に長寿を実現するための食材や調理法を超えて、地域全体で健康を支える仕組みが築かれています。この伝統的な食生活は、現代の私たちにとっても参考になるポイントが多く、特に発酵食品や食物繊維の取り入れ方は、手軽に真似できる方法といえるでしょう。
■ 驚きの「ちょこ活」健康効果!
フレイル予防に必要な運動
加齢に伴い筋力や活力が衰え、介護を必要とする一歩手前の状態になる「フレイル」。これを防ぐためには、日常生活に運動を取り入れることが重要です。しかし、特別な運動を継続するのは難しい場合もあります。そんな中で注目されているのが「ちょこ活」です。「ちょこ活」とは、日常生活の中で気軽に取り組める軽い運動を指し、特別な器具や時間を必要とせず、誰にでも実践できる点が魅力です。
超人的な運動習慣を持つ100歳の実例
いくつかの驚くべき実例が、運動が健康に与える重要性を示しています。
- 石田要一さん(福井県・104歳)
若い頃からスポーツに親しみ、96歳から砲丸投げを開始。年齢を重ねても新しいことに挑戦する意欲が、体力と精神力を支えています。 - 高崎慶男さん(茨城県・101歳)
剣道八段の腕前を持つ高崎さんは、100歳を過ぎても道場で稽古を続ける現役剣士。剣道で培った姿勢や礼儀も、健康の一助となっています。 - 柿崎芳のりさん(奈良県・100歳)
水泳の100歳部門において、25m自由形と背泳ぎで日本記録を保持する現役スイマー。長年の水泳が筋力と心肺機能の維持に寄与しています。
「ちょこ活」で無理なく健康維持
こうした超人的な運動習慣を真似するのは簡単ではありませんが、そこで役立つのが「ちょこ活」です。ちょこ活はスポーツとしての運動ではなく、生活の中で少しずつ体を動かす習慣を指します。以下のような活動がちょこ活に該当します。
- 階段を使う:エスカレーターやエレベーターを避け、可能な限り階段を利用。
- 家事を工夫:掃除や洗濯などの日常作業を意識的に行い、体を動かす機会を増やす。
- 移動中の工夫:通勤や買い物時に少し遠回りをして歩く距離を伸ばす。
専門家が語るちょこ活の利点
専門家によれば、ちょこ活は特に「運動が続かない人」に適しており、無理なく健康を維持できる点が大きな魅力です。以下のような健康効果が期待できます。
- 血流の改善による代謝の向上
- 筋力の維持と関節の柔軟性向上
- 精神的なリフレッシュ効果
日常生活にちょこ活を取り入れるコツ
ちょこ活を成功させるには、以下のような小さな工夫が鍵となります。
- タイマーを使う:長時間座りっぱなしにならないように、30分ごとに立ち上がるアラームをセット。
- ストレッチを習慣化:テレビを見ながらできる簡単なストレッチを取り入れる。
- 活動量計を活用:1日の歩数や活動量を記録し、モチベーションを保つ。
「ちょこ活」は、忙しい現代人や運動が苦手な方でも無理なく始められる健康法です。特別な準備が不要で、日常生活にすぐ取り入れられるため、フレイル予防や体力維持に最適な方法と言えます。自分のペースで取り組み、継続することがちょこ活成功のカギです。
■ 世界が注目!驚きの“つながり”パワー
鈴木信さんと沖縄長寿科学研究センターの取り組み
沖縄長寿科学研究センターの鈴木信さんは、90歳という年齢を迎えながらも現役の医師として活躍し、100歳以上の高齢者に関する研究に身を捧げています。鈴木さんは、これまでに行った「100歳1000人調査」の結果から、究極の健康法として「人と人とのつながり」の重要性を強調しています。この研究は、沖縄をはじめとする長寿地域での生活習慣や文化を詳細に調査し、健康長寿に寄与する要因を探るものです。
沖縄独自のつながり文化「模合」の役割
鈴木さんが注目するのは、沖縄で古くから続く「模合(もあい)」という文化です。模合は地域や仲間同士で形成される小規模なコミュニティで、以下のような活動を通じて参加者の絆を深めています。
- 共同の食事:定期的に集まり、お弁当や地元料理を持ち寄って楽しむ。
- 趣味の共有:詩吟や三線の演奏など、文化的な活動を通じて楽しむ。
- 相互扶助:お互いを支え合い、困ったときには助け合う仕組み。
このような模合の活動は、単なる娯楽や社交の場にとどまらず、健康寿命を延ばす要因として機能しています。仲間と過ごす時間は、孤独感の解消やストレスの軽減に寄与し、心理的な安定をもたらします。
科学が証明する“つながり”の健康効果
沖縄の模合文化が健康長寿に与える影響は、科学的にも裏付けられています。カリフォルニア大学のスティーブ・コール教授の研究によると、社会的なつながりが増えると体内の炎症を抑えられることが分かっています。炎症は加齢に伴う多くの疾患の原因とされており、これを抑えることが健康寿命を延ばすカギとなります。
さらに、つながりを持つことは以下のような効果をもたらします。
- ストレスホルモンの抑制:社会的なサポートはコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を減少させる。
- 免疫機能の向上:仲間との交流が免疫細胞の活性化を促進する。
- 精神的健康の改善:孤独感の軽減による鬱症状の予防。
人とのつながりを生活に取り入れる方法
鈴木さんの研究や模合文化の実例を参考に、日常生活で「つながり」を活かす方法を考えてみましょう。
- 定期的な集まりを企画:家族や友人と食事会や趣味の集まりを計画。
- 地域活動への参加:自治体のイベントやボランティアに積極的に関わる。
- オンラインでの交流:遠方に住む友人や親戚ともビデオ通話でつながる。
人とのつながりは、単なる人間関係を超えた健康の要素であることが、研究を通じて明らかになっています。沖縄の模合文化や科学的知見をヒントに、日常生活で「つながり」を大切にすることが、心身の健康と長寿につながると言えるでしょう。この実践は、誰にでも取り入れられる簡単な健康法の一つとしておすすめです。
■ 取材後記:生きがいがもたらす力
生きがいが健康と長寿を支える
番組スタッフが取材を通じて強く印象に残った言葉は「生きがい」。100歳以上の方々と接する中で、生きがいが日々の活力を生み出し、健康と長寿を支える大きな要因であることが明らかになりました。医師であり長寿研究の第一人者でもある鈴木信さんは、「生きがいを持っている人はものすごいパワーを発揮する」と語り、その重要性を強調しています。
生きがいを持つことの意味
100歳の方々から教えられたのは、年齢に関係なく目標や夢を持ち続けることの大切さです。以下のような具体例が、生きがいの持つ力を物語っています。
- 趣味や仕事を楽しむ:ある方は農業を続けながら地域のイベントに積極的に参加し、生きがいを感じています。
- 家族や地域との関わり:孫の成長を見守ることや、地域のコミュニティ活動に参加することが生きがいとなっているケースも。
- 新たな挑戦:年齢を重ねても新しいことに挑戦する意欲が、生きがいを生み出し、活力の源となっています。
生きがいがもたらす健康効果
生きがいを持つことは、身体的・精神的な健康に以下のような効果をもたらします。
- ストレス軽減:目標や夢があることでストレスを感じにくくなり、心身のバランスが保たれる。
- ホルモン分泌の安定:生きがいが幸福感を生み出し、セロトニンやドーパミンの分泌を促進。
- 免疫機能の向上:ポジティブな気持ちが免疫細胞を活性化し、健康を維持する力を高める。
生きがいを持ち続けるための工夫
年齢を問わず生きがいを持ち続けるには、以下のような工夫が役立ちます。
- 小さな目標を立てる:毎日の楽しみや達成感を得られる活動を計画する。
- 新しい趣味を見つける:興味を持った分野に挑戦し、新たな可能性を探る。
- 人との交流を大切にする:家族や友人、地域社会とのつながりを深めることで生きがいが広がる。
100歳以上の方々が教えてくれるのは、年齢に関係なく「生きがい」を持つことが可能であり、それが人生を豊かにし、健康を支える大きな力になるということです。いくつになっても夢や目標に向かって歩み続けることで、毎日が輝き、心身ともに健やかな生活を送ることができるでしょう。生きがいを見つけ、持ち続けることは、健康長寿への道を切り開く大きな鍵となります。
■ まとめ
今回の「あしたが変わるトリセツショー」では、「老化を防ぐ食生活」「ちょこ活」「つながりの力」という3つのテーマを通じて、100歳以上の方々の生活から学べる具体的な健康法が紹介されます。石原さとみさんやココリコ田中さんの軽快なやり取りも番組の見どころ。ぜひこの放送を通じて、日々の健康習慣を見直し、新たな挑戦を始めてみてください。
あなたの感想をお聞かせください
この記事に関するご意見やご質問があれば、ぜひコメント欄にお寄せください。この記事を参考に新しい健康習慣を試してみた結果なども共有いただけると嬉しいです!
コメント