100年の味と技を訪ねて老舗巡り!神田編
2025年6月6日放送の『よじごじDays』(テレビ東京)では、「100年を超える老舗の物語 神田編」が特集されました。MCは石塚英彦さん、ゲストに宮川一朗太さんを迎え、東京・神田に息づく老舗を訪ね、その歴史や技、味の魅力を紹介しました。約1300年の歴史を持つ神田明神をはじめ、江戸末期創業の甘酒店「天野屋」、創業140年の履物店「大和屋」、明治時代から続く居酒屋「みますや」など、受け継がれる味と技の背景にある物語に迫りました。放送ではさらに梅雨時季のジメジメ対策に役立つ生活情報もクイズ形式で紹介され、暮らしに役立つ知恵も学べる内容となっていました。
約1300年の歴史を誇る神田明神
神田の老舗巡りの最初に訪れたのは、西暦730年に創建された「神田明神」です。この神社は東京・神田にある由緒ある神社で、およそ1300年の長い歴史を持ち、地域の守り神として多くの人々に大切にされてきました。毎年5月には日本三大祭の一つとされる「神田祭」が開催され、約30万人の参拝者が訪れる一大イベントとして知られています。
この神社には、歴史の中で多くの重要人物が関わってきました。中でも有名なのが徳川家康が関ヶ原の戦いに向かう際、戦勝祈願を行った神社としてのエピソードです。家康が勝利を収めたこともあり、以後、神田明神は江戸の総鎮守として大切にされ、庶民から武士、商人に至るまで多くの人々の信仰を集める存在となりました。
神田明神は時代とともにその役割を広げ、今では東京を代表するパワースポットとしても注目されています。境内には大きな随神門が立ち、重厚で迫力のある社殿や、歴史を感じさせる彫刻や装飾が施されており、訪れた人を魅了します。また、現代の参拝者に向けた取り組みも多く、境内にはお守りや御朱印だけでなく、カフェや資料館なども併設されており、伝統と現代が調和する空間となっています。
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創建は西暦730年。東京に現存する神社の中でも特に古い部類に入る
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神田祭は日本三大祭の一つで、特に江戸時代には将軍家の保護を受けた
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徳川家康が戦勝祈願をしたことで、勝運・出世運の神社として知られるように
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地元の商売繁盛や家内安全を祈る人々にも深く親しまれている
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社殿や随神門は荘厳な造りで、歴史的建造物としても高い評価を受けている
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近年はIT企業やアニメファンなど若い世代の信仰も集めている
長い歴史の中で、災害や戦火を乗り越えてきた神田明神は、神田の街の発展とともに歩んできた象徴的な存在です。昔も今も人々の願いを受け止め、力を与え続けるこの場所には、訪れるたびに新たな発見と心の安らぎがあります。
江戸末期創業「天野屋」の伝統甘酒と創業秘話
次に紹介されたのは、1846年創業の老舗甘酒専門店「天野屋」です。江戸末期に創業したこの店では、現在も昔ながらの製法を守り続けています。最大の特徴は、地下6メートルのレンガ造りの「土室(むろ)」で育てる糀(こうじ)です。この土室は保湿性に優れ、気温の変化を受けにくいため、糀づくりに最適な自然環境が保たれています。
糀の育成は非常に繊細な作業で、毎日こまめに手入れをしないと発酵の状態が狂ってしまうほど。熟練の技と感覚が必要とされ、少しの変化が仕上がりを左右します。このように、手間を惜しまず丁寧に仕込まれた糀を使った甘酒は、自然な甘みと奥深いコクが感じられる逸品です。
番組では、宮川一朗太さんが「冷やし甘酒と味噌おでんのセット」を堪能しました。夏でもすっきりと飲める冷やし甘酒は、糀由来のやさしい甘さが特徴で、体にもやさしいドリンクです。味噌おでんは、甘酒と相性がよく、発酵食品同士の組み合わせとしても注目されます。さらにこの甘酒は、神田明神に神事の際に献上される特別な品でもあり、歴史的にも格式ある存在とされています。
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糀は、地下6mのレンガ造りの「土室」で育成
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湿度と温度が一定に保たれるため、発酵に最適な環境
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手間のかかる作業だが、品質を守るため毎日手入れが必須
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糀の甘さを活かした「冷やし甘酒」は著名人にも人気
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神田明神に献上される甘酒として格式の高さがうかがえる
さらに、天野屋の創業にはドラマのような逸話があります。創業者・天野新助は京都・丹後出身の元侍で、江戸にいた弟が剣術道場を開いていたところ、道場荒らしに襲われ命を落とすという事件が発生。新助は仇討ちを決意し、情報が集まりやすい神田の街道沿いで茶屋を開業し、旅人に甘酒をふるまいながら犯人の手がかりを探していたと伝えられています。この物語もまた、老舗の歴史に深みを与えています。
これからの季節には、「氷甘酒」という冷たいメニューも登場。シャリっとした氷の食感と、やさしい糀の甘さが融合した涼味あふれる一品で、夏の暑さをやわらげてくれます。伝統を守りながら、時代に合わせた提供方法も工夫されているのが、天野屋の魅力のひとつです。
明治時代創業「みますや」町の人々に支えられた老舗居酒屋
最後に紹介されたのは、1905年創業の老舗居酒屋「みますや」です。場所は東京・神田エリアの神保町と小川町の間にあり、明治時代から続く趣のある木造建築が目印となっています。外観は当時の面影をそのまま残しており、店の中に一歩入ると、どこか懐かしい空気と落ち着いた雰囲気に包まれます。
提供される料理は、創業当時から変わらぬ味を守り続けている「牛にこみ」や「どじょう丸煮」、「やながわなべ」、「タコ酢」などの伝統メニュー。いずれも素材のうま味を活かした素朴で滋味深い味わいで、時代が変わっても多くの人に親しまれています。宮川一朗太さんも番組内で、これらの料理を味わいながら老舗の魅力に触れていました。
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建物は木造で、明治の雰囲気を残す貴重な店構え
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店内は座敷席や木製のテーブルなど、昭和の風情を残す落ち着いた空間
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料理はどれも手間ひまかけた煮込み系が中心
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地元の常連客から観光客まで幅広い層に支持されている
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昔からの味を変えず、出汁や火入れのタイミングにもこだわり
みますやの歴史には、多くの困難とそれを乗り越えた町の力があります。関東大震災の際には建物が全焼してしまいましたが、昭和3年に再建。その後も戦争による空襲で一部が焼けてしまいましたが、町の人々がバケツリレーで火を食い止めたことで、全焼を免れたという逸話が残っています。このエピソードは、ただの飲食店ではなく地域にとって大切な存在であったことを物語っています。
こうした町との深い絆が、今の「みますや」を支えているのです。長い年月をかけて培われた信頼やつながりが、店の味や空気感に自然とにじみ出ており、訪れる人の心をつかみます。変わらぬ味、変わらぬ空間、そして変わらぬ地域との関係——それが老舗「みますや」の魅力です。今後も神田の一角で、人々に寄り添う憩いの場として、静かにその暖簾を守り続けていくことでしょう。
梅雨のジメジメ対策クイズで学ぶ生活の知恵
番組後半では、洗濯・掃除のプロによる「梅雨時季のジメジメ対策クイズ」も放送されました。
●洗濯物がより早く乾く干し方は?→アーチ干しが正解
●臭いの気になる洗濯物はどこに入れる?→洗濯機の底が正解
●クローゼットの除湿剤の置き場所は?→クローゼットの下が正解
これらの知恵は、家庭ですぐに実践できる役立つ情報でした。アーチ干しは空気の流れを意識した干し方で、効率的な乾燥を促します。湿気は下にたまりやすいため、除湿剤の設置場所にも注意が必要です。
神田に息づく老舗の魅力と技を再発見
今回の『よじごじDays』では、神田という街に脈々と続く老舗たちの誇りと情熱が紹介されました。それぞれの店に共通するのは、伝統を守りながらも時代に合わせて進化する姿勢と、それを支える地域との絆や家族の絆です。日々の暮らしの中にある日本の良さや人の温かさを、老舗の物語を通して感じられる特集でした。今後もこうした魅力を多くの人に伝えていく番組の展開に注目です。
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