茅野市が動き出す、新しい地域創生のかたち
このページでは『田村淳のTaMaRiBa(2026年2月2日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
長野県の高原都市・茅野市が、駅前エリアを舞台に大胆な地域創生プロジェクトを進めています。
特急一本でアクセスできる利便性と、八ヶ岳の自然が広がる環境。その両方を武器に、若者の地元離れを止め、移住者や起業家を呼び込もうという挑戦が始まりました。
複合施設ベルビアの再生、八ヶ岳エリアの共創コミュニティ、そして新たな文化を生み出すプロジェクトまで、多様な動きが交差するこのまちは、いま確かに変わり始めています。
地域創生の最前線・茅野市が描く未来ビジョン
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長野県の高原都市・茅野市は、八ヶ岳連峰のふもとに広がる自然豊かなまちです。首都圏からは新宿駅から特急一本でアクセスでき、「自然と都市の距離がちょうどいい地方都市」として近年注目を集めています。
このまちが今、真正面から挑んでいるテーマが地域創生です。若者の地元離れを食い止めること、そして新しい移住者や起業家を呼び込むこと。その両方を同時に叶えるために、茅野市は行政だけでなく、地元企業や金融機関、都市部の大企業、クリエイターまで巻き込んだプロジェクトを動かしています。
八ヶ岳や蓼科高原などの観光資源を生かしながら、単なる観光地ではなく「住んで働ける場所」に変えていく。この方向性のもと、滞在型テレワーク「ウェルネステレワーク」のように、健康と働き方を組み合わせたプログラムも実証実験が進んでいます。
今回の田村淳のTaMaRiBaでは、その象徴的な舞台として茅野駅直結の複合施設「ベルビア」と、八ヶ岳エリアで活動するプレイヤーたちに密着し、まちの未来像を具体的に描き出していました。
駅直結複合施設ベルビアと「ワクワクするベルビア」の挑戦
JR中央本線の茅野駅を出てすぐ目の前にそびえるのが、駅ビル型の複合施設ベルビアです。かつて百貨店が入っていた建物を活用し、現在は専門店街、飲食店、公共施設、医療機関などが入る“まちの玄関口”になっています。
館内には、子育て世代の拠点となる茅野市こども館 0123広場や、茅野市役所出張所、地域職業相談室、さらには映画監督・小津安二郎ゆかりの展示コーナーまで設置されており、「買い物・行政・文化・子育て」が一つの建物に凝縮されています。
しかし、その一方で、百貨店撤退後の空きスペースという課題も抱えてきました。そこで登場するのが、ベルビアの空き区画をプロデュースする北原友さん率いる会社と、その取り組みであるワクワクするベルビアです。北原さんたちは、1階の空きスペースを「市民・ビジネス・観光」が交差する複合拠点に変えようと構想。
番組では、その中身として
・起業家やフリーランスが集うビジネススペース
・観光客が情報収集や休憩に使えるスペース
・地元市民が気軽に立ち寄れるコミュニティスペース
などを組み合わせ、常に人が行き交う“にぎわいの交差点”に育てていくプランが紹介されました。
茅野駅直結という圧倒的な立地を生かし、ベルビアを「移住検討者や起業家が最初に出会う場所」「八ヶ岳方面へ向かう前に立ち寄るハブ」として再構築していく。この発想こそが、地方都市が駅前再生に挑む一つのモデルケースと言えます。
八ヶ岳エリアをつなぐ「8Peaks family」と共創コミュニティ
八ヶ岳エリアで観光や宿泊、飲食などに関わる事業者が集まり、横のつながりを強めている有志団体が8Peaks familyです。長野・山梨にまたがる八ヶ岳の魅力を軸に、宿泊施設、アウトドア事業者、飲食店、ワークスペース運営者などがネットワークを形成し、「エリア全体でお客さんを迎え入れる」動きを作っています。
番組では、この8Peaks familyの特徴として、
・誰がどこで何をしているのか“見える化”されていること
・新しい事業を立ち上げたい人が、すぐに相談できる相手を見つけられること
・イベントやプログラムを共同で企画しやすいこと
が強調されていました。
例えば、八ヶ岳エリアには、ライフスタイルショップやカフェを備えたコミュニティ拠点8BASE、コワーキングやワーケーション施設、タイニーハウスを活用した滞在施設など、個性的な場所が点在しています。
こうした点を線に、線を面にしていく役割を担うのが8Peaks familyであり、茅野市の地域創生においても欠かせないプレイヤーになっています。
番組内では、茅野駅前のベルビアで構想中の複合拠点と、八ヶ岳高原エリアの施設群が連動することで、「駅前から山まで一気通貫で楽しめるまち」の姿も示されました。観光客が駅前で情報を得て、そのまま八ヶ岳のワーケーション施設や宿泊施設に向かう――そんな流れが生まれれば、滞在日数や消費額の増加にもつながります。
森ビル×諏訪信用金庫×起業家が組むインキュベーション戦略
今回のプロジェクトの中核にあるのが、都市部の大企業と地方金融機関、地域の起業家がタッグを組むインキュベーション戦略です。都市開発やイノベーション支援を手がける森ビルは、東京・虎ノ門などでインキュベーション施設を運営しており、その知見を生かして茅野市との連携プロジェクト「ウェルネステレワーク」などを推進しています。
番組で描かれたのは、この森ビルが駅前の複合拠点に「インキュベーション施設の出張所」を構えるアイデアです。都心のスタートアップ支援機能を一部持ち込むことで、
・東京と茅野を行き来しながら事業を育てる起業家
・自然豊かな環境で新規事業の合宿やブートキャンプを行いたい企業
を呼び込み、地方と都市を往復する新しい働き方をつくろうとしています。
さらに、地域に根ざした金融機関である諏訪信用金庫も重要な役割を担います。諏訪エリアの企業だけでなく、他県からの企業やスタートアップを積極的につなぎ、資金面での支援やマッチングを行うことで、起業しやすい土壌を整えているのです。
複合拠点内には、
・起業時の法的相談に応じる弁護士
・物件探しや契約を支える不動産会社
も配置し、「アイデアが浮かんだら、その場で相談〜契約まで一気に進められる」環境づくりを目指しています。ここまで機能を集約した地方のインキュベーション拠点はまだ珍しく、茅野市は“地域創生×スタートアップ”の先進事例として全国から視察が来るポテンシャルを秘めています。
裂き織りチノパンで地域文化をブランド化するプロジェクト
番組終盤で登場したのが、ファッションブランドアーバンリサーチと連携したチノパンプロジェクトです。茅野市と「チノ(Chino)」という名前の響きから、まちのシンボルとなるアイテムとしてチノパンに着目。ここに、隣接する原村に根付く伝統技法裂き織りを組み合わせるという、遊び心とストーリー性に満ちたアイデアが紹介されました。
裂き織りとは、古布を細く裂いて糸代わりにし、織り直して新たな布に生まれ変わらせる技法です。もともとは布が貴重だった時代の生活の知恵であり、「ものを大切にする文化」「記憶を受け継ぐ布」として近年再評価されています。原村周辺でも、この技法を使ったバッグやマフラーなどが作られており、地域のクラフト文化として根付いています。
今回のチノパン企画では、ベルト部分やポケットの縁、ワンポイントのタグなどに裂き織りの生地をあしらうことで、「八ヶ岳エリアの物語をまとった一本」に仕上げていく構想が語られました。橘ケンチさんたちは、デザイン面で「日常使いできるシンプルさ」と「地域らしさ」のバランスをどう取るか、番組内で具体的な改善案を出していきます。
このプロジェクトのポイントは、単なるご当地グッズに終わらせないことです。
・都市のセレクトショップでも違和感なく並ぶクオリティ
・サステナブルな素材・リメイク文化としてのメッセージ性
・履くことで茅野市や八ヶ岳への関心が高まるストーリーテリング
こうした要素を掛け合わせることで、裂き織りや地域の生活文化そのものをブランドとして打ち出そうとしているのが印象的でした。
複合拠点のオープンを祝うアイコニックなアイテムでありながら、その後も長く売り続けられる商品として育てていくことができれば、まさに「地域創生ビジネス」の成功例となるはずです。
この回の田村淳のTaMaRiBaは、駅前再生、観光まちづくり、インキュベーション、金融支援、クラフト文化までを一本の線でつなぎ、茅野市が目指す“ワクワクする地方都市”の輪郭を、非常に立体的に見せてくれる内容になっていました。
まとめと注意点
今回紹介した内容は、番組をもとにまとめていますが、実際の放送内容と違う場合があります。長野県の茅野市では、駅前施設ベルビアを中心に、八ヶ岳エリアと連動した地域創生の動きが力強く進んでいます。起業家、金融機関、行政、そして地元の人々が交わることで、新しいビジネスや文化が生まれる未来が近づいています。


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