豪雪地で学ぶ“冬を乗り切る暮らしの知恵”とは
このページでは『よじごじDays(2025年12月12日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。新潟・上越市と福島・南会津という豪雪地で育まれてきた暮らしの工夫や、人のつながり、そして現代にも役立つ節約の知恵まで、番組で紹介されたエピソードを余すことなくたどります。雪は大変な存在である一方、知恵と工夫があれば暮らしを支える力にもなる。そのリアルが詰まった回でした。
新潟・上越市で学ぶ雪国の家と節電の知恵
新潟県上越市は日本海に面した豪雪地帯です。番組では、雪と共に暮らす家の工夫が紹介されました。雪国の住宅では、屋根や窓に雪の重みが直接かからないように羽目板が設けられ、冬でも家を守る構造になっています。
照英が訪ねた丸田さん夫婦の家では、ストーブの温風をこたつの中へ送り込む工夫がありました。暖房を一つ増やすのではなく、すでにある熱を上手に使うことで、電気や灯油の使用を抑えながら部屋全体を暖めています。雪国ならではの知恵ですが、寒冷地以外の家庭でも応用できる発想です。
また、町全体で行われる雪かきも印象的でした。深夜2時から始まる除雪作業は、通勤や通学の時間までに終わらせるためのもの。個人の暮らしだけでなく、地域全体で冬を乗り切る姿が描かれていました。
上越の冬を楽しむ心 少年に戻る雪遊びと雪の灯籠
上越の冬は厳しいだけではありません。照英が道中で出会った子どもたちは、学年の違いを気にせず雪合戦に夢中でした。雪が日常にあるからこそ、遊びも自然と生まれます。
さらに体験したのが『雪の灯籠』づくりです。スコップで雪に穴をあけ、紙コップに入れたろうそくを置くだけというシンプルな作り方ですが、雪景色に灯りがともる光景は特別です。これは地域を元気にしたいという思いから始まった冬の風物詩で、上越市では毎年2月に『灯の回廊』として大規模なイベントが行われています。雪を敵にするのではなく、楽しみに変える姿勢がここにはあります。
茅葺きの宿に残る囲炉裏文化と雪国の食
照英が宿泊したのはあさひの里 大島庄屋の家。昔ながらの生活を体験できる施設で、かやぶき屋根の建物が当時の暮らしを今に伝えています。
囲炉裏のある部屋では、火を囲むことで自然と人が集まり、体だけでなく心まで温まります。かやぶき屋根は囲炉裏から出る煙で内側を燻すことで、傷みにくくなると伝えられてきました。これは雪国の家が長持ちするための、理にかなった工夫です。
夕食には山菜を中心とした料理が並び、さらに特別にイノシシ料理も振る舞われました。地元の地酒『蛍の舞』とともに味わう食事は、冬の厳しさを忘れさせる豊かさがありました。雪国の食は、保存や栄養を考え抜いた暮らしの知恵でもあります。
福島・南会津の家を守る断熱の工夫「バッタン」
福島県南会津町では、家の外に設ける『バッタン』と呼ばれる雪囲いが紹介されました。これは家と雪の間に空間をつくることで、冷たい空気を直接室内に伝えにくくする仕組みです。
ミスターちんが訪ねた持石商店のオーナーは、この空間が断熱の役割を果たしていると話していました。特別な機械や高価な設備ではなく、木と雪を使った昔ながらの方法で、家の中の暖かさを守っています。雪国の知恵は、自然を拒むのではなく、上手に受け入れる発想から生まれています。
南会津に受け継がれる防寒文化と人が集う冬の風習
南会津では防寒具にも文化が息づいています。『南郷刺し子』は、藍染めの厚手の木綿に幾何学模様を刺したはんてんで、1歳のお祝いとして子どもに贈られる風習があります。制作には早くても1年かかり、ハレの日に着る特別な防寒着として大切に受け継がれてきました。
また、寒い日にご近所が集まる『あめよばれ』という風習も紹介されました。温かい水アメを囲みながら、自然と会話が生まれる時間です。水アメはもち米と麦芽から作られ、長時間かけて仕上げます。さらに『ニシンのざくざく煮』などの郷土料理も登場し、食を通して体を温め、心をつなぐ南会津の冬の姿が伝えられました。
冬の光熱費を抑えるプロ直伝の節約ワザ
番組の後半では、節約アドバイザーの和田由貴さんが、冬の光熱費対策を解説しました。暖房は冷房の約6倍のコストがかかるため、効率を上げることが重要です。
サーキュレーターは暖房器具から遠い位置に置き、天井に向けて空気を循環させると暖房効率が上がります。また、湿度を20%上げることで体感温度が約4℃上がり、暖房の使用を抑えやすくなります。
給湯については、お湯は水の約3倍のコストがかかる点が強調されました。資源エネルギー庁のデータでは、シャワーを1日1分短縮するだけで年間約3000円の節約につながります。浴槽にふたをする、家族で入浴時間を空けないといった基本的な工夫も、冬の家計を助けるポイントです。
まとめ
『よじごじDays(2025年12月12日放送)』は、雪国の暮らしを通して、冬を乗り切るための知恵と人の温かさを描いた回でした。上越市の家づくりや雪を楽しむ文化、南会津の断熱の工夫や人が集う風習、そして現代に役立つ節約ワザまで、すべてが日々の暮らしにヒントを与えてくれます。雪は厳しい存在でありながら、知恵と工夫があれば暮らしを豊かにする力にもなる。そのことを静かに、しかし力強く教えてくれる内容でした。

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