昼めし旅で出会う日本の台所 土地の恵みと人のぬくもりを感じる一日
このページでは『昼めし旅(2025年12月12日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
今回の放送は、茨城県北茨城市、栃木県壬生町を中心に、各地の家庭に息づくご飯と、その背景にある暮らしや人柄までしっかり伝わってくる回でした。旬の食材、長年受け継がれてきた料理、そして突然の出会いから生まれる温かな食卓が、この番組らしい魅力として詰まっています。
茨城県北茨城市 旬のあんこうと元気いっぱいのお母さんの台所
旅のスタートは茨城県北茨城市。森尾由美が訪れたこの地域は、冬になると『あんこう』が旬を迎え、『あんこう鍋』や『あんこうの刺身』が名物として知られています。大津漁業協同組合のある港町らしく、海の恵みが暮らしに根づいている土地です。
街を歩く中で出会ったのは、とても明るいおばあちゃん、秋葉キエ子さん。農作業の手を止めてのご飯交渉は成立し、自家栽培の青パパイヤや大根、にんじんを使った料理が始まりました。
青パパイヤとおからが主役 お正月にも並ぶ家庭の定番料理
秋葉さんの台所では、青パパイヤをオリーブオイルで炒め、ツナ缶と大根やにんじんの葉を合わせた『青パパイヤとツナの炒め物』が完成します。クセのない青パパイヤは、野菜として使いやすく、普段の食卓にも自然になじみます。
さらに、大根、にんじん、きくらげを炒め、きび砂糖と『はぼまい昆布しょうゆ』で味付けし、仕上げにおからを加えた『野菜とおからの炒り煮』も登場しました。お正月の定番料理として作られてきた一品で、素朴ながらも体にやさしい味わいが印象的でした。
あんこうが評判の宿で体験 伝統の吊るし切り
北茨城市で次に訪れたのは、あんこう料理で評判のあんこうの宿 まるみつ旅館。『全国ご当地鍋フェスタ 鍋-1グランプリ』で2連覇した『あんこう鍋』や『あん肝ラーメン』が名物で、あんこうコラーゲン風呂まで備えた宿です。
ここでは、あんこうを7つの部位に分ける伝統の『吊るし切り』を見学。天井から吊るしたあんこうをさばくこの技法は、北茨城ならではの食文化として受け継がれています。
まかないご飯に驚き あん肝尽くしの豪快メニュー
宿のまかないとして紹介されたのが、あん肝ラーメンのスープを使った『あん肝のおでん』。はんぺんや厚揚げを煮込んだ、濃厚でコクのある一品です。
さらに、あん肝の切れ端をバターで炒め、ピーマンやニンジン、ごはんと合わせ、卵で包んだ『あん肝を使った超濃厚シーフードオムライス』も登場しました。特製ケチャップまであん肝入りという、ここでしか味わえないまかないご飯でした。
栃木県壬生町 全国一の産地で広がるかんぴょうの可能性
続いて向かったのは栃木県壬生町。おもちゃのまちとして知られ、壬生町おもちゃ博物館もある町ですが、もう一つの顔が『かんぴょう』の一大産地です。栃木県は全国シェアの9割以上を誇り、壬生町はその中心地です。
ここで出会ったのが、歌手でラジオパーソナリティとして活動する佐藤さん。自宅には防音室もあり、音楽と生活が自然につながっている様子が印象的でした。
今晩試したくなる かんぴょうと豚肉のミルフィーユ
佐藤さんのご飯は、かんぴょうの新しい使い方が満載でした。きゅうりやミニトマトと和えた『カンピョウマリネ』、ショウガの酢漬けにしたかんぴょうを豚ロース肉で巻いた『ショウガの酢漬け豚肉カンピョウ巻き』、そして『カンピョウと豚肉のミルフィーユ』。
乾物のイメージが強いかんぴょうが、日々のご飯にしっかり主役として使われているのが伝わってきました。
山梨県甲府市と長崎県南島原市 広がるご飯調査の輪
番組後半では山梨県甲府市へ。オリオン活版印刷室で昔ながらの活版印刷を体験し、その流れで小澤美寿々さんの家庭へ。手羽の唐揚げや『レンコンのジャーマンポテト風』、春菊の胡麻和えなど、工夫の詰まった夕食が並びました。
さらに長崎県南島原市では、有明海を望む棚田の風景の中でご飯調査。イチゴ農家の楠田耕三さん一家の食卓には、雲仙しまばら鶏の煮物やワケギの湯通し、コウイカの刺身が並びます。
漁港では中野力さん・理恵さん夫妻と出会い、マダイやカサゴが水揚げされたばかりの海の幸を使った料理も登場しました。豚肉を使わずタコで作る『ぶたあえ』など、その土地ならではの知恵が光ります。
まとめ 昼めし旅が映す、料理と暮らしのリアル
『昼めし旅』は、レシピだけでなく、その料理が生まれた背景や人の暮らしまで一緒に伝えてくれます。北茨城市のあんこう、壬生町のかんぴょう、各地の家庭料理は、どれも特別な材料よりも、日々の積み重ねから生まれた味でした。
2025年12月12日放送回は、日本の台所の今と、これからも続いていく食の風景を感じさせてくれる内容でした。


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