「洗濯ハカセ」神崎健輔はクリーニング職人とITの2つの顔を持つ
Tシャツの首元を氷水で整える方法を解説していた「洗濯ハカセ」とは、どんな人物なのでしょうか。『あさイチ(Tシャツの伸びた首まわり&黄ばみの悩み撃退SP)(2026年8月24日)』に登場した神崎健輔さんは、国家資格を持つクリーニング師でありながら、宅配クリーニングのシステム開発にも携わる異色の専門家です。28歳で家業へ戻った転機から、洗濯を「科学」として伝える現在の仕事まで見ていきます。
この記事でわかること
- 洗濯ハカセ・神崎健輔さんが何をしている人物なのか
- 28歳で会社員を辞めて家業へ戻った経緯
- 長崎のクリーニング店「白洋社」との関係
- 宅配クリーニングNexcyやIT開発にも携わる理由
神崎健輔は国家資格を持つ「洗濯・シミ抜き職人」
神崎健輔さんは、「洗濯ハカセ」の名前で家庭の洗濯方法を発信している洗濯・シミ抜きの専門家です。
単に洗濯に詳しいタレントや評論家ではありません。
国家資格のクリーニング師を取得し、実家が営む老舗クリーニング店「白洋社」で実際に衣類の洗浄やシミ抜きに携わってきた職人です。現在は白洋社の部長を務めています。
さらに、株式会社クラスタスのCTO(最高技術責任者)、宅配クリーニングサービスNexcy(ネクシー)のCTOという肩書も持っています。
「洗濯の専門家」と「IT技術者」という、一見すると離れて見える2つの仕事を組み合わせているのが神崎さんの大きな特徴です。
クリーニング店の家に生まれたが最初から家業を継いだわけではない
神崎さんは、幼いころから実家のクリーニング店を手伝いながら育ちました。
しかし、そのまま自然に家業へ入ったわけではありません。
一度はクリーニングとはまったく別の業界へ就職しています。
転機になったのが28歳のときでした。
会社員を辞めて実家のクリーニング店へ入り、本格的にクリーニングの仕事を始めます。
家業だから最初から洗濯のプロだったわけではなく、社会人として別の道を歩んだ後に戻ってきたという経歴です。
現在の「洗濯ハカセ」という親しみやすい姿だけを見ると意外ですが、その背景には現場で技術を積み上げた時間があります。
365日シミ抜きを続けて「汚れを落とす科学」にのめり込んだ
家業へ戻った神崎さんが担当したのがシミ抜きでした。
本人のプロフィールでは、365日シミ抜きを担当するような日々を送り、そのなかで洗濯の面白さに気づいたことが語られています。
もともと理系的に物事を考えることが好きだった神崎さんにとって、
「なぜこの汚れが落ちるのか」
を考える作業は相性がよかったようです。
シミ抜きは、強い洗剤を使えば解決するという単純なものではありません。
油、たんぱく質、色素など汚れの性質を見分け、衣類の素材や染色を傷めない方法を選ぶ必要があります。
神崎さんは、こうした経験を重ねるうちに「汚れを落とすのは科学」という考えを持つようになりました。
今回紹介された「Tシャツは濡れているときほど伸びやすい」という説明も、経験則だけでなく、繊維の性質から理由を考える神崎さんらしいアプローチです。
「洗濯ハカセ」が生まれたきっかけは地域の洗濯講座
神崎さんが「洗濯ハカセ」として知られるようになったきっかけは、クリーニング店の仕事そのものではありませんでした。
地域のイベントなどで行った洗濯講座です。
市の図書館や保育園などから依頼を受け、家庭で使える洗濯の知識を伝えるようになりました。
そこで、クリーニング店だけで使っていた専門知識を一般家庭向けに分かりやすく伝える活動を始めます。
やがて洗濯に関する情報を発信するブログも開設し、「洗濯ハカセ」として活動を広げました。
家庭の洗濯で役立つ内容が中心なのも、この経緯を知ると納得できます。
プロだけが使える特殊な薬品や機械の話ではなく、
「家庭にあるものでどうすればいいか」
まで落とし込んで伝えることが、現在の活動につながっています。
実家の白洋社は長崎県南島原市のクリーニング店
神崎さんが働く有限会社白洋社は、長崎県南島原市を拠点とするクリーニング会社です。
大手クリーニングチェーンの「白洋舍」と名前が似ていますが、別の会社です。
白洋社は地域の衣類クリーニングを手がけてきた店で、神崎さんは部長としてその技術を受け継いできました。
現在のNexcyでも、このクリーニング現場で培われた技術が生かされています。
ネットで申し込む宅配型になっても、実際に衣類を扱う部分はクリーニング職人の仕事です。
インターネット上の便利な仕組みと、昔から受け継がれてきた職人技。その両方に関わっているのが神崎さんです。
宅配クリーニングNexcyを支えるCTOでもある
神崎さんのもう1つの顔がIT技術者です。
株式会社クラスタスのCTOとしてシステム開発などに携わり、宅配クリーニングNexcyの立ち上げにも関わっています。
Nexcyは、店舗へ衣類を持って行くのではなく、自宅からクリーニングを依頼できるサービスです。
2015年のサービス発表時には、神崎健輔さんがCTO、神崎志織さんがCEO、神崎光博さんが取締役として運営する体制が紹介されていました。
現在のサービスでも神崎さんは洗濯の専門家として品質面を支えています。
シミ抜きでは、長年の職人経験と科学的な考え方を組み合わせた方法が採用されています。
クリーニングからAIを使った受付システム開発まで広がった
ITの仕事は通販サイトを作るだけではありません。
神崎さんは2014年に株式会社クラスタスを立ち上げ、CTOに就任しました。
その後はシステムエンジニアや販促マネジメントに携わり、2021年にはクリーニング店舗の無人化を目指したAIを活用する受付レジの開発にも取り組んでいます。
さらに、その経験をほかの業種のデジタル化支援にも広げています。
クリーニング職人として現場の問題を知っているからこそ、
「受付のこの作業を減らせないか」
「離れた場所から利用しやすくできないか」
という課題をITで解決できるわけです。
神崎さんの仕事は「洗濯とITを別々にやっている」というより、クリーニングの現場をITで変えていると考えると分かりやすいでしょう。
Tシャツの首元を氷水で整える方法にもプロの考え方が表れている
今回、神崎さんが紹介した方法の1つが、伸びたTシャツの襟を氷水で整える方法でした。
襟をじゃばら状にして氷水へ約20秒つけ、水分を押さえるように取り、形を整えて平干しします。さらに洗濯のりとアイロンを使うことで、整えた形を保ちやすくします。
同時に神崎さんが重視していたのが、直し方だけではなく伸ばさない扱い方でした。
特に濡れたTシャツは伸びやすく、
- 1枚ずつ適切な大きさの洗濯ネットへ入れる
- 重たい衣類と一緒に詰め込まない
- 干す前に激しく振らない
- ハンガーは首元ではなく裾から入れる
- できれば平干しする
といった方法が紹介されています。
「伸びたら直す」だけでなく、原因を考えて再発しにくくするところに、洗濯ハカセらしさがあります。
白Tシャツの黄ばみ対策でも「汚れの正体」から考える
白いTシャツの黄ばみについても同じです。
黄ばみの原因になるのは、衣類に残った皮脂やたんぱく質などの汚れです。
そこで、濃縮タイプの液体洗剤を黄ばみに直接なじませて10~30分置き、汚れをすすいでから粉末タイプの酸素系漂白剤につけ置きする方法が紹介されました。
最初から強い処理をするのではなく、汚れをゆるめてから漂白するという順番です。
神崎さんの解説には、
「どんな汚れなのか」「衣類がどんな状態なのか」を考えてから方法を選ぶ
という一貫した考え方があります。
これは365日シミ抜きを続けてきた経験と、「洗濯は科学」という視点がつながっている部分です。
洗濯だけでなく「暮らしの困りごとを技術で解決する人」
神崎健輔さんを「Tシャツの洗い方に詳しい人」とだけ見ると、その活動の一部しか見えてきません。
28歳で別業界から家業へ戻り、クリーニング師としてシミ抜きを追究。そこで得た知識を地域の洗濯講座で伝え、「洗濯ハカセ」として全国へ発信するようになりました。
さらにIT技術を生かして宅配クリーニングを立ち上げ、AIを使った受付システムの開発にも活動を広げています。
職人の経験、科学的な洗濯知識、IT技術。
この3つが重なっていることが、神崎さんの大きな特徴です。
家庭の洗濯術が分かりやすいのも、単に便利ワザを集めているからではなく、クリーニングの現場で「なぜそうなるのか」を長く考えてきた背景があるからなのです。
参考リンク


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