日本を訪れる前から「日本の風景」を作り続けてきたHuib Maaskant
2026年10月5日放送のテレビ東京「世界!ニッポン行きたい人応援団」では、日本の情景に魅了されたオランダ人ジオラマ作家が初来日し、長野県の穂高・白馬を巡ります。
その人物が、オランダを拠点に活動する模型・ジオラマ作家のHuib Maaskant(ホイブ・マースカント)さんです。
Maaskantさんは25年以上にわたって本格的な模型制作を続け、日本を題材にした鉄道模型レイアウト「Karakura」を制作。田園や山、人々の暮らしまで含めた「列車の周囲にある世界」を小さな空間へ作り込んできました。2025年にはオランダやスウェーデンの鉄道模型イベントでもKarakuraを公開しています。
この記事でわかること
- Huib Maaskantさんがどんなジオラマ作家なのか
- 日本を表現した模型「Karakura」の特徴
- オランダのテレビ番組で優勝した模型制作の実力
- 映像・広告の仕事からプロの模型制作へつながった経歴
Huib Maaskantはオランダのプロ模型・ジオラマ作家

Huib Maaskantさんは、オランダで「Magica Miniatura」を運営する模型・ジオラマ作家です。
個人の趣味として模型を作っているだけではなく、依頼を受けて模型鉄道やジオラマを制作するほか、映画、広告、写真、SNSコンテンツ向けの模型やミニチュアセットも手がけています。
模型制作を本格的に続けてきた期間は25年以上。
本人が大切にしているのは、単に小さく精密に作ることではありません。
「何がその模型を特別にするのか」「どんな物語を伝えるのか」という視点を持ち、見続けたくなる小さな世界を作ることを制作の軸にしています。
日本を再現した「Karakura」は1:150の鉄道模型
Maaskantさんを象徴する近年の作品が、日本をテーマにした「Karakura」です。
Karakuraは日本型Nゲージに合わせた1:150スケールの模型鉄道で、日本の地方風景をイメージした架空の世界が作り込まれています。
スウェーデンのスカンセンが2025年に開催した模型鉄道イベントでも、Maaskantさん自身がオランダからKarakuraを持ち込み、正式に展示されました。スカンセンも「Huib Maaskant from the Netherlands」「Japanese layout Karakura」と紹介しています。
風景には列車だけではなく、田園、家屋、自然などが配置されています。
2025年にオランダ鉄道博物館で公開された際には、架空の日本の村を舞台に、列車が田んぼや仏像のそばを走る模型として紹介されました。
つまり主役は「鉄道車両だけ」ではありません。
列車が走っている場所そのものを丸ごと作ることが、Maaskantさんの模型の特徴です。
Karakuraは子どもや車いす利用者にも見やすい高さへ動かせる
Karakuraには、精密さとは別の工夫もあります。
模型全体の高さを連続的に調整できる構造になっており、子どもや車いすを利用する人でも見やすい高さまで下げることができます。
ベルギーの模型鉄道イベントでも、この高さ調整機構がKarakuraの特徴として紹介されています。
大きな模型鉄道では、通常は大人の目線に合わせて展示台が固定されがちです。
しかしKarakuraでは作品を見る人に合わせて「世界そのもの」を上下させられます。
風景を精密に作る技術だけでなく、見る人がその小さな世界へ入り込みやすい展示方法まで考えられている作品です。
2025年にはオランダ鉄道博物館の大型イベントへ出展
Karakuraは2025年3月、オランダの鉄道博物館「Spoorwegmuseum」で開催された模型鉄道イベント「On traXS」にも出展されています。
イベントにはオランダだけでなく、ドイツ、ベルギー、フランス、ポーランドなどから模型作品が集まり、その中の1作品として、
- 作品名:Karakura
- 制作者:Huib Maaskant
- スケール:Nゲージ
と正式に紹介されました。
同年10月にはスウェーデン・ストックホルムのスカンセンにも遠征。
オランダから車で約16時間かけて移動し、日本を表現したミニチュア風景を展示しています。
スウェーデンのSVTは、その際にMaaskantさんが持ち込んだ作品を「日本のミニチュア風景」として紹介しました。
日本を題材に作った小さな風景が、ヨーロッパ各地で展示されてきたことになります。
原点には父親の鉄道模型があった
Maaskantさんと模型との出会いは、子どものころにさかのぼります。
2021年にオランダのミニチュア制作番組で優勝した際のインタビューでは、父親が持っていた電気式の鉄道模型に親しんだことが模型好きの原点として語られています。
大人になってから再び模型制作へ深く入り、20年以上にわたって本格的に技術を磨いてきました。
その歩みは、単に市販の鉄道模型を並べるところからは大きく離れています。
建物を作り、地面を作り、植物を植え、色を重ね、汚れや経年変化まで表現する。
Maaskantさんの現在の作品は、列車を走らせるための模型というより「列車が本当にそこを走っているように見える世界」を構築する方向へ進んでいます。
映画監督を学び広告のクリエイティブディレクターとして活動
Maaskantさんには、模型とは別の長いキャリアがあります。
オランダ映画テレビアカデミーで監督について学び、その後は広告・デジタルマーケティング分野で長年クリエイティブディレクターとして活動してきました。
この経歴は現在のジオラマ制作ともつながっています。
ジオラマでは、建物や樹木を精巧に作れば完成というわけではありません。
どこへ視線を向けさせるのか、どんな出来事が起きているように見せるのか、照明をどう置き、奥行きをどう作るのか。
映画や広告と同じように「1つの画面の中で物語を伝える」視点が必要になります。
Maaskantさん自身も現在、映画や広告向けのミニチュアセット制作をMagica Miniaturaの仕事として扱っています。
オランダの「Klein Maar Fijn」で優勝
Maaskantさんの名前をオランダ国内で大きく知らしめた出来事が、2021年のテレビ番組「Klein Maar Fijn」です。
オランダSBS6で放送されたミニチュア制作コンテストで、Maaskantさんは初代優勝者となりました。
決勝で制作したのが「Ode aan de modelbouwer(模型作家への賛歌)」。
模型作家が庭の鉄道模型を作っている姿を、さらに模型として表現する「模型の中の模型」でした。
作品のスケールは1:22.5。その中にさらに1:220の小さな鉄道模型が配置されています。
決勝では数日間という限られた制作時間の中で完成させ、優勝。
作品はその後、オランダの大型ミニチュア施設「Miniworld Rotterdam」でも紹介されました。
短い時間で風景を組み上げる経験を持つMaaskantさんにとって、10月5日の「世界!ニッポン行きたい人応援団」で挑む3日間のジオラマ制作も、その技術が試される場になります。番組では長野県の穂高・白馬で実際の日本の風景を見たうえで制作へ入ります。
模型作家を仕事にする「Magica Miniatura」を展開
現在、Maaskantさんが活動の中心としているのがMagica Miniaturaです。
所在地はオランダ・アメルスフォールト。
ここでは完成品の制作だけではなく、
- オーダーメイドの鉄道模型
- ジオラマ制作
- 映画・写真用ミニチュア
- 模型制作ワークショップ
- 企業向けチームビルディング
- 模型用素材・用品の販売
まで展開しています。
また、「PRUTSVLOG」と呼ばれる動画シリーズでも模型制作の技術を公開しています。
完成作品だけを見せるのではなく、「どの材料をどう加工すれば本物らしく見えるのか」という制作過程そのものを発信している点も特徴です。
国際的な模型専門誌にも作品が掲載され、模型イベントへの出展やワークショップまで含めて活動領域を広げています。
穂高・白馬の実景を見て3日間で新しいジオラマを制作
10月5日の「世界!ニッポン行きたい人応援団」で大きな転機となるのが、実際の日本の風景を見ることです。
番組では初来日を果たし、長野県の穂高と白馬へ向かいます。
山々、その麓に広がる田畑、集落など、日本の原風景を探した後、世界大会で最優秀賞に輝いた女子高校生の模型チームと協力して新たな作品を作ります。
制作時間は3日間。
爪楊枝を極細の筆として利用したり、歯ブラシを加工して田んぼの苗を表現したりと、市販パーツだけに頼らない模型制作が行われます。
これまでMaaskantさんがヨーロッパで作ってきたKarakuraは、想像と資料によって構築された「日本の風景」です。
今回は実際に日本の土地へ立ち、日本の模型制作に取り組む高校生たちと一緒に風景を作ることになります。
25年以上積み上げてきた模型制作と、日本への関心が直接交わる機会となります。
まとめ
Huib Maaskantさんは、オランダで25年以上模型を作り続けてきたジオラマ・模型作家です。
映画監督を学び、広告業界でクリエイティブディレクターとして活動する一方、模型制作の技術を磨き、2021年にはオランダのミニチュア制作番組「Klein Maar Fijn」で優勝しました。
近年の代表作が、日本の風景を1:150で表現した「Karakura」。
田園や建物、鉄道を一体の風景として作り込み、オランダ鉄道博物館やスウェーデンのスカンセンなどでも展示されてきました。
2026年10月5日放送の「世界!ニッポン行きたい人応援団」では、長年模型の中で表現してきた日本へ実際に足を運び、穂高・白馬の風景をもとに3日間のジオラマ制作へ挑みます。
小さな模型の中で想像してきた日本と、本物の日本の風景が初めてつながる回になります。
参考リンク


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