野村祐介が受け継ぐ老舗「醍醐」と、精進料理を次の時代へ広げる挑戦
2026年10月5日放送のテレビ東京「東京交差点 ONE MOMENT」に登場するのが、東京・愛宕の精進料理店「醍醐」4代目の野村祐介さんです。番組では、創業以来の「もてなしの心」を守りながら、動物性食材を使わないカレーやドーナツなど新しい料理にも挑む姿が紹介されます。
野村さんは1981年生まれ。家業へまっすぐ入った料理人ではなく、バーテンダー、ソムリエ、フランス料理の経験を経て精進料理の世界へ戻ってきました。現在は伝統的な懐石料理だけでなく、プラントベース食品や海外へ向けた食文化の発信にも活動を広げています。
この記事でわかること
- 野村祐介さんが「醍醐」4代目になるまでの経歴
- 精進料理で大切にしている「大心・喜心・老心」
- ヴィーガンカレーなど新しい料理へ進んだ背景
- 精進料理「醍醐」の場所・料金・予約情報
野村祐介は精進料理「醍醐」の4代目
野村祐介さんは、1950年創業の精進料理店「醍醐」を受け継ぐ4代目店主・料理長です。
「醍醐」があるのは東京都港区愛宕。愛宕山の麓に建つ数寄屋造りの店で、日本庭園を眺めながら旬の食材を使った懐石形式の精進料理を味わえます。
ミシュランガイド東京には創刊時の2007年から継続して掲載され、2025年版では環境や持続可能性への取り組みを評価する「ミシュラングリーンスター」にも選ばれました。2026年10月5日の「東京交差点」では、ミシュラン2つ星の精進料理店として紹介されています。
野村さんの基本的な経歴は次の通りです。
- 1981年生まれ
- 学生時代から家業の仕事に携わる
- 大学卒業後にバーテンダーを経験
- ソムリエ資格を取得
- フランス料理店で修業
- 精進料理「醍醐」の4代目店主・料理長へ
- 食に関する講義や企業との商品開発にも活動を拡大
和食一筋で修業してきた料理人ではないところが、現在の「醍醐」の料理にもつながっています。
バーテンダーやフランス料理を経て家業へ戻った
野村さんは代々続く精進料理店に生まれましたが、外の世界を経験してから家業を継いでいます。
バーテンダーとして飲み物を扱い、ソムリエとしてワインを学び、さらにフランス料理の現場も経験しました。
一見すると精進料理から離れた経歴です。
しかし現在の料理を見ると、その経験がむしろ強みになっています。
伝統的な献立をそのまま保存するだけではなく、盛り付け、香り、味の強弱、飲み物との組み合わせなど、「食事全体をどう楽しんでもらうか」という視点が加わりました。
東京都の食文化イベントでも、野村さんは老舗の料理を受け継ぎながら、見た目の美しさやメリハリのある味わいを取り入れ、精進料理を進化させている料理人として紹介されています。
精進料理で大切にする「大心・喜心・老心」
野村さんが精進料理を考えるうえで重視しているのが、仏教で説かれる「三心」です。
醍醐では、
- 大心:偏りのない自由な心
- 喜心:楽しんでもてなす心
- 老心:思いやりや気配りの心
という3つを大切にしています。
精進料理というと、「肉や魚を使わない料理」というイメージが先に浮かびます。
しかし醍醐が重視しているのは、使わない食材のルールだけではありません。
相手の立場を考え、季節の食材を生かし、その時間そのものを楽しんでもらうことまで含めて精進料理と捉えています。
10月5日の「東京交差点」で野村さんが語る中心テーマも、この三心と「もてなし」です。
創業以来の料理を守りながら新しい精進料理へ
醍醐では、豊洲の青果市場や全国の生産者から旬の食材を仕入れています。
季節の野菜、豆、穀物などを中心に、懐石料理として一品ずつ提供します。
一方で、完全なヴィーガン専門店ではありません。
通常の料理では一部に少量の鰹節や卵を使用しており、動物性食材を一切使わない料理を希望する場合は、前日までに申し出る必要があります。
ここにも野村さんの考え方が表れています。
昔から続く料理を完全に変えてしまうのではなく、伝統を残しながら、食の価値観が異なる人も受け入れられるよう選択肢を広げています。
「伝統か革新か」のどちらかを選ぶのではなく、両方を同時に進めているのが現在の醍醐です。
動物性食材を使わないカレーを開発
野村さんの新しい挑戦を象徴する商品が、プラントベースカレーです。
精進料理で培ってきた野菜のうま味の引き出し方を生かし、動物性食材を使わないカレーを開発しています。
TOYOKEでは野村さんがレシピ開発を担当し、
- 果実とスパイスを使ったカレー
- カカオとヘーゼルナッツのカレー
- 白トリュフオイルを組み合わせたカレー
などを展開しています。
「果実とスパイス香る ヴィーガンカレー」は、動物性食材だけでなく、化学調味料、保存料、精製糖、小麦粉も使わず、国産野菜や果実のうま味を生かした商品です。2026年10月時点の公式オンラインストア価格は1袋1,350円(税込)です。
プラントベースカレーは国際線のファーストクラス・ビジネスクラスでも提供されてきました。
精進料理の技術が、料亭の個室だけでなく航空機やレトルト商品へ広がった形です。
冷やし中華やラーメンまで作る理由
野村さんの料理は「老舗精進料理店」という言葉から想像する範囲に収まりません。
2025年の「Tokyo Tokyo Delicious Museum」では、野菜と果実を生かしたカレーに加え、熟成醤油と焦がしネギを使ったラーメンを提供しました。
2026年の同イベントでは、さらに「特製冷やし中華」を考案。
旬の素材を生かした精進料理の技術を、日常的に親しまれている麺料理へ落とし込みました。
高級懐石だから精進料理、寺院料理だから精進料理、という枠だけにとどめていません。
食べ慣れたカレーやラーメンから入ってもらい、その先に植物性食材の豊かさや精進料理の考え方を知ってもらう。
現在の野村さんの活動は、精進料理の入り口そのものを増やす方向へ進んでいます。
プラントベースカフェ「Equal Cafe」の料理も監修
2026年現在、野村さんは老舗料亭の厨房だけで活動しているわけではありません。
東京・高輪の「Equal Cafe」ではフードを監修しています。
Equal Cafeは「食べること=ととのえる」をテーマとしたプラントベースカフェで、野村さん監修のカレーやスイーツ、ハーブティーなどを提供しています。
料理人として家業を守る一方、
- レトルト食品
- カフェ
- 航空機メニュー
- 食イベント
- 教育機関での講義
と、精進料理を届ける場所を広げてきました。
「醍醐で食べてもらう」だけだった精進料理を、もっと日常に近い場所へ持ち出していることが、4代目となった野村さんの大きな変化です。
醍醐は1950年創業、青松寺との縁から精進料理へ
精進料理「醍醐」は1950年創業。
店の近くにある青松寺との縁から精進料理を提供するようになりました。ミシュランガイドでも、青松寺の境内にあったことが店の始まりとして紹介されています。
10月5日の「東京交差点」で、野村さんが「東京で影響を受けた場所」として挙げているのも港区の青松寺です。
料理だけを見ると、プラントベースという現代的な価値観へ向かっているように見えます。
しかし、その根にあるのは仏教の思想と、人をもてなすための精進料理。
そこを残したまま、現代の食文化へ接続していることが野村さんの特徴です。
精進料理「醍醐」の料金・場所・予約情報
現在公式サイトに掲載されている懐石料理は次の通りです。
- 菊懐石:17,800円(税込・昼のみ)
- 梅懐石:26,000円(税込)
- 竹懐石:30,000円(税込)
- 蘭懐石:34,000円(税込)
- 別途サービス料:15%
店舗情報は、
- 店名:精進料理 醍醐
- 住所:東京都港区愛宕2-3-1
- 昼の部:11:30~、最終入店13:00
- 夜の部:17:00~、最終入店20:00
- 定休日:年始のみ
- アクセス:神谷町駅から徒歩5分、御成門駅から徒歩3分
- 駐車場:あり
- 個室:8部屋
- 予約・問い合わせ:03-3431-0811
となっています。
料理のキャンセルについては、2日前と前日は料理代の50%、当日は100%が必要です。
また、動物性食材を一切使わない料理を希望する場合は、前日までに伝える必要があります。
まとめ
野村祐介さんは、1950年創業の精進料理店「醍醐」を継ぐ4代目店主・料理長です。
学生時代から家業に関わりながら、大学卒業後はバーテンダー、ソムリエ、フランス料理という異なる食の世界を経験。その後、精進料理へ戻りました。
現在は創業以来の懐石料理を守る一方で、動物性食材を使わないカレー、ラーメン、冷やし中華、カフェメニューなどにも精進料理の技術を広げています。
その根本にあるのは、「大心・喜心・老心」という3つの心と、食べる相手に寄り添うという考え方です。
2026年10月5日の「東京交差点 ONE MOMENT」では、伝統的な精進料理を守りながら、新しい食の形を作り続ける野村さんの「もてなし」が描かれます。
参考リンク


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