日本画家・諫山宝樹は墨の線で女性の美しさと菩薩の躍動感を表現する京都の画家
諫山宝樹(いさやま・たまじゅ)さんは、墨の線を生かした美人画を中心に、寺社の奉納画や伝統文化に関わる作品を制作する日本画家です。
1980年大阪府生まれ。京都市立芸術大学で日本画を学び、大学院で保存修復を専攻しました。東映京都撮影所で伝統的な襖絵や掛け軸などの制作に携わったあと、2015年に独立しています。
2026年10月11日放送のMBS『京都知新』では、個展に向けて新作を制作する諫山さんに密着。奈良県葛城市の當麻寺に伝わる「二十五菩薩来迎像」を題材に、墨の線だけで菩薩たちの動きを表現する創作に取り組みます。
諫山さんが日本画家を目指した原点は、高校生の頃に出会った上村松園の美人画でした。
現在は美人画にとどまらず、清水寺や八坂神社への奉納、祇園祭の山鉾を描いた作品など、京都の伝統文化と結びついた創作活動を続けています。
この記事でわかること
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諫山宝樹さんの年齢・出身地・学歴と画家としての経歴
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上村松園の展覧会が日本画家を目指す転機となった理由
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25菩薩の白描と墨の線を生かした独自の技法
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清水寺・八坂神社への奉納作品と2026年の活動
諫山宝樹は1980年大阪生まれ!京都で活動する日本画家

諫山宝樹さんは、大阪府で生まれ、京都を拠点に活動する日本画家です。
本名は諫山恵実(いさやま・えみ)さん。日本画家としては「宝樹」という名前で作品を発表しています。
プロフィール
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名前:諫山宝樹(いさやま・たまじゅ)
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本名:諫山恵実
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生年:1980年
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年齢:46歳になる年(2026年)
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出身地:大阪府
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活動拠点:京都府
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出身大学:京都市立芸術大学日本画専攻
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大学院:京都市立芸術大学大学院保存修復専攻
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大学卒業:2003年
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大学院修了:2005年
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独立:2015年
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主な活動:日本画、美人画、寺社奉納画、障壁画、伝統文化関連の図案制作
諫山さんの作品は、色彩だけに頼らず、墨の輪郭線を生かして人物の姿を描くことが特徴です。
特に美人画では、女性の肌を細く淡い線で表現する一方、着物には濃く力強い線を使います。
線の太さや濃さを変えることで、女性の柔らかな姿と、衣装の重みや形を描き分けています。
高校生の頃に上村松園の美人画と出会い画家を志した
諫山さんが日本画家を目指すきっかけとなったのは、高校生の頃に鑑賞した上村松園の展覧会でした。
上村松園は1875年に京都で生まれ、女性を題材にした日本画で知られる画家です。
1948年には女性として初めて文化勲章を受章しました。
松園の作品は、人物の表情や着物の描写、細やかな筆遣いによって、女性の姿や内面を表現しています。
諫山さんは、展覧会で松園の美人画に強い衝撃を受け、日本画家の道を志しました。
その後、進学先として選んだのが京都市立芸術大学です。
同大学は、上村松園も学んだ京都府画学校を前身とする美術教育の伝統を持つ大学です。
諫山さんは2003年に日本画専攻を卒業し、2005年に大学院の保存修復専攻を修了しました。
保存修復では、古い日本画や文化財の制作技術、材料、表現方法などを学びます。
この経験は、後に寺社へ奉納する作品や、伝統的な絵画技法を生かした創作へとつながっています。
東映京都撮影所で襖絵や掛け軸の制作技術を磨いた
大学院在学中から、諫山さんは東映京都撮影所で美術制作に携わっていました。
担当していたのは、歴史的な室内空間を彩る襖絵や掛け軸などの制作です。
襖絵は、大きな画面に絵を描く日本の伝統的な表現方法です。
紙や絹に描く一般的な日本画とは異なり、建物の構造や室内の広さ、見る人の位置などを考慮する必要があります。
また、時代や場所に合わせた画風や文様を理解し、求められる空間を作る技術も欠かせません。
諫山さんは、こうした仕事を通じて伝統的な絵画技法を実際の制作現場で磨いてきました。
2015年に独立してからは、自身の日本画作品の発表に加え、寺社への奉納画、広告用の絵画、伝統文化に関する図案などへ活動を広げています。
墨の濃淡と筆遣いで描く「しどけない」美人画
諫山さんの美人画には、整った姿で静かに座る女性だけでなく、くつろいだ姿や自然な仕草を見せる女性が登場します。
その姿を表す言葉が「しどけない」です。
しどけないとは、服装や髪が少し乱れた様子、あるいは気取らず打ち解けた姿を表す言葉です。
諫山さんは、こうした着物姿の女性を好んで描いています。
作品では、墨の線が重要な役割を担います。
諫山宝樹さんの美人画の特徴
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女性の肌は細く淡い線で描く
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着物には太く濃い輪郭線を使う
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線の強弱によって衣装の重なりを表現する
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色数を抑えて墨の輪郭を際立たせる
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女性の自然な姿勢や仕草を大切にする
諫山さんが特に重視しているのは「運筆(うんぴつ)」です。
運筆とは、筆をどのように動かして線を描くかという技術のことです。
筆の動かし方や力の入れ方、速度によって、線の太さや濃淡、かすれ方が変わります。
諫山さんは、絵の具を重ねることで輪郭線が目立たなくなることを好まず、線そのものの美しさを作品の中心に置いています。
そのため、伝統的な日本画の技法を使いながらも、現代のイラストレーションに通じる明快な印象を持つ作品に仕上がっています。
當麻寺の「25菩薩来迎像」を白描で表現する新しい挑戦
2026年の新しい制作で題材となったのが、奈良県葛城市の當麻寺に伝わる「二十五菩薩来迎像」です。
これは、阿弥陀如来とともに25の菩薩が現れ、亡くなった人を極楽浄土へ迎える姿を表したものです。
當麻寺では、この信仰を実際の儀式として表現する「練供養」が伝えられています。
色鮮やかな菩薩の装束を身につけた人々が、境内に設けられた長い橋を渡り、極楽浄土から迎えに来る様子を再現します。
諫山さんが注目したのは、菩薩たちの動きです。
来迎する菩薩の中には、楽器を奏でる姿や、舞い踊るような姿勢をしたものがあります。
その躍動感を表現するために選んだのが、白描(はくびょう)という日本画の技法です。
白描とは、基本的に墨の線を中心として形を表現する方法です。
鮮やかな色彩や濃い陰影に頼らないため、人物の姿勢、衣装の流れ、筆の動きが強く印象に残ります。
諫山さんが長年追求してきた運筆の技術と、菩薩たちの躍動感を結びつける創作です。
2014年に京都市琳派賞を受賞し寺社奉納へ活動を広げた
諫山さんが独立前に大きな実績を残したのが、2014年の京都市琳派賞受賞です。
受賞作品は《くるま霞》でした。
琳派は、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一などに代表される日本美術の流れで、装飾的な表現や大胆な構図が特徴です。
諫山さんは大学院で伝統的な日本画の技術を学び、独立後も寺社に作品を奉納してきました。
主な奉納作品
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2016年:大徳寺塔頭・聚光院「庫裡襖絵」
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2017年:椿大神社「天鈿女命図」
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2018年:清水寺大日堂「唐子列図」
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2018年:宗鏡寺(沢庵寺)「大根戯画」
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2021年:八坂神社「新年干支大絵馬」
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2022年:正壽院「本堂襖絵21面」
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2024年:八坂神社本殿裏回廊「龍図」
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2024年:高台寺「若かりし頃のねね・秀吉肖像画」
これらの作品には、人物画だけでなく、龍、唐子、神仏、歴史上の人物など、幅広い題材が登場します。
特に2022年の正壽院では、本堂の襖絵21面という大きな制作に取り組みました。
また、2024年には高台寺で、豊臣秀吉の正室として知られる北政所「ねね」と秀吉の若い頃の肖像画を奉納しています。
2026年は祇園祭後祭の山鉾11基を日本画で描いた
諫山さんは2026年にも、京都の伝統文化に関わる作品を発表しています。
その1つが、祇園祭後祭の山鉾を題材にした日本画です。
2026年7月、京都市中京区の細辻伊兵衛美術館で、祇園祭後祭の山鉾全11基を描いた新作11点が公開されました。
2026年の主な作品活動
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八坂神社「午年の新年干支大絵馬」を奉納
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京都市交響楽団創立70周年記念グッズのデザイン
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祇園祭・宮本組の手拭図案原画を制作
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細辻伊兵衛美術館で山鉾を描いた新作11点を発表
山鉾は、祇園祭を象徴する京都の伝統文化です。
豪華な懸装品や装飾、建造物の構造など、それぞれ異なる特徴を持っています。
諫山さんは、その1基ずつを日本画の題材として取り上げました。
人物を描く美人画とは異なりますが、線を使って形や構造を捉えるという点では、長年続けてきた制作活動と共通しています。
日本画の制作と保存修復の知識を生かした幅広い活動
諫山さんの仕事を特徴づけるのは、伝統的な日本画を描く技術と、保存修復を学んだ経験の両方を持っていることです。
古い絵画の表現を理解するためには、材料や技法を知る必要があります。
一方、新しい作品を制作する際には、その技術をどのような表現へ発展させるかが重要になります。
諫山さんは、伝統的な美人画や仏画、障壁画の技術を生かしながら、現代的な感覚を持つ作品を制作しています。
その活動は日本画の展示だけでなく、寺社の絵画制作や文化財に関わる絵画の再現にも広がっています。
2023年には、観音正寺の『聖徳太子絵伝』の復元画を制作しました。
また、2025年には大阪くらしの今昔館で行われた徳川大坂城400年の企画に関連し、本丸御殿の障壁画再現図を担当しています。
古くから伝わる作品を研究し、現代の技術や表現へつなげることも、諫山さんの画業を形作っています。
諫山宝樹の作品を鑑賞する方法と公式情報
諫山さんの作品は、公式サイトの作品紹介ページで鑑賞できます。
美人画のほか、唐子図、神仏を題材にした絵画、寺社へ奉納した作品などが掲載されています。
公式の作品・活動情報
2026年には細辻伊兵衛美術館で祇園祭後祭の山鉾11基を描いた作品が公開されました。
これまでにも京都や大阪で個展を開催してきました。
展覧会の日程や会場、作品販売の情報は、本人の公式サイトや公式SNSで確認できます。
まとめ
諫山宝樹さんは、墨の線を生かした美人画と寺社への奉納作品を手がける、京都を拠点とする日本画家です。
高校生の頃に上村松園の展覧会と出会ったことをきっかけに、日本画家を志しました。
京都市立芸術大学と大学院で伝統的な日本画や保存修復を学び、東映京都撮影所で美術制作に携わったあと、2015年に独立しています。
2026年には祇園祭後祭の山鉾11基を描いた作品を発表し、さらに當麻寺の二十五菩薩来迎像を題材とする白描にも取り組んでいます。
細い線で表現する女性の肌、力強い線で描く着物、そして躍動する菩薩たち。
1本の線が持つ表現力を追い求めながら、日本の伝統的な絵画技術を現代の作品へとつなげていることが、諫山宝樹さんの創作の大きな特徴です。
参考リンク


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