小林フィデア|長野のりんご農家に嫁ぎ、タンザニアの孤児支援を続けた30年
1996年、アフリカ・タンザニアから長野県飯綱町のりんご農家へ嫁いできた小林フィデアさん。言葉も文化も異なる日本で暮らしながら、母国の子どもたちを支える活動を続けてきました。
2026年10月13日(火)深夜に東海テレビで放送される『りんごと家族とタンザニア』は、フィデアさんと夫・一成さんが歩んだ30年間を描く、長野放送制作のドキュメンタリーです。
夫との出会い、りんご農家での生活、義母の介護、そしてタンザニアでの孤児院建設。家族の歩みは、国境を越えた支援へとつながりました。
現在、フィデアさんが理事長を務めるNPO法人「ムワンガザ・ファンデーション」は、現地の支援団体SWACCOと協力しています。SWACCOが2010年から2025年までに支援した子どもは202人。活動は娘のサラさんへも受け継がれようとしています。
この記事でわかること
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小林フィデアさんがタンザニアから日本へ嫁いだ経緯
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孤児支援団体SWACCOとムワンガザ・ファンデーションの活動
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義母の介護や差別を乗り越えてきた30年間の歩み
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娘サラさんに受け継がれる支援と現在の寄付方法
小林フィデアは長野県飯綱町のりんご農家に嫁いだタンザニア出身女性

小林フィデアさんは、タンザニア南部のソンゲア出身です。
高校卒業後に1年間の兵役を経験し、心身障害児養護施設の教員として働いていました。
人生の転機となったのが、青年海外協力隊員としてタンザニアへ派遣されていた日本人男性・小林一成さんとの出会いです。
一成さんは長野県飯綱町のりんご農家に生まれ、32歳でタンザニアへ赴任しました。そこで当時21歳だったフィデアさんと出会い、結婚します。
1996年、2人は日本へ帰国。フィデアさんは一成さんの両親と同居し、りんご農家の一員として生活を始めました。
農作業の経験はありませんでしたが、家族とともに畑に立ち、りんごを育てる日々を重ねていきます。
さらに1998年からは、地元のワイナリーレストラン「サンクゼール」でも働き始めました。
長野のりんご畑とレストランで働きながら、フィデアさんは日本での暮らしを築いていったのです。
母レジーナが始めた孤児支援がフィデアの人生を変えた
フィデアさんが母国への支援を始めた背景には、母・レジーナさんの活動がありました。
タンザニアのソンゲアでは、貧困や病気などによって親を失い、生活が困難になった子どもたちがいました。
レジーナさんは、そうした子どもたちを自宅に迎え入れ、食事や生活の世話を続けていました。
2000年には乳児を含む10人の子どもたちを自宅で受け入れています。
フィデアさんは日本で暮らすうちに、母が続ける活動を支援したいという思いを強くしていきます。
1999年には母や姉たちとともに、現地の支援団体「SWACCO(ソンゲア女性と子どもの支援団体)」の立ち上げに関わりました。
日本からの支援は、最初から大きな組織だったわけではありません。
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自分の給料の一部を送る
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講演活動で得た収入を支援に充てる
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衣類や文房具などの物資を集める
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学校や地域の人々に協力を呼びかける
少しずつ賛同者が増え、支援活動は個人の取り組みから、多くの人が参加する活動へと広がっていきました。
2010年にムワンガザ・ファンデーションを設立し孤児院建設へ
2010年4月、フィデアさんを支えてきた友人や同僚たちが中心となり、NPO法人「ムワンガザ・ファンデーション」が設立されました。
「ムワンガザ」はスワヒリ語で「光」を意味します。
子どもたちが教育を受け、自分の将来を選べるようにする。そのための支援を継続することが団体の目的です。
日本で集まった寄付金は、ムワンガザ・ファンデーションを通じて、タンザニアのSWACCOに届けられます。
支援活動は具体的な施設整備へと発展しました。
2012年には孤児院建設予定地に井戸が完成し、2013年には孤児院の建設が始まります。
そして2017年までに、子どもたちが暮らす施設2棟が完成しました。
SWACCOでは、住まいや食事を提供するだけでなく、学校教育や職業訓練も重視しています。
子どもたちが成長したあと、自分の力で生活を築けるようにすることも、大切な活動の一つです。
サンクゼールのジャムがタンザニア支援を支えた
フィデアさんの支援活動に大きな役割を果たしてきたのが、勤務先の食品メーカー「サンクゼール」です。
2009年には、フィデアさん自身がプロデュースしたチャリティージャムが発売されました。
商品を購入することがタンザニアの子どもたちへの支援につながる仕組みです。
サンクゼールは2010年から継続して寄付活動を行っており、支援方法も変化してきました。
サンクゼールの主な支援実績
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2010年:タンザニア孤児支援への寄付活動を開始
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2013年:チャリティージャム事業が第10回日本パートナーシップ大賞を受賞
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2022年度:年間寄付額が1,000万円を突破
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2010~2024年度:累計寄付額は約6,614万円
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現在の取り組み:季節限定ジャム1本の販売につき10円を寄付
企業による支援が続いてきたことで、孤児院の運営や子どもたちの教育を支える資金が届けられています。
フィデアさんの個人的な願いが、地元企業を巻き込んだ長期的な社会貢献活動へと広がったのです。
義母の介護資格取得で4回断られた経験
フィデアさんの30年間は、順調なことばかりではありませんでした。
日本での生活に慣れ、仕事や農業に取り組む一方、家族の介護という大きな課題にも向き合うことになります。
夫・一成さんの母、静子さんの介護です。
フィデアさんは義母を支えるため、ヘルパー2級の資格を取得しようとしました。
しかし、外国人であることや肌の色を理由に、受け入れを4回断られた経験があります。
それでも資格取得を諦めませんでした。
やがて受け入れてくれる人に出会い、介護の技術を学びます。
家庭では義母の入浴を手伝うなど、日常生活を支え続けました。
長く一緒に暮らすなかで、静子さんから、結婚当初はフィデアさんが嫁いでくることに反対していたと打ち明けられたこともありました。
それでも最後には、家族になってくれてよかったという言葉を伝えられます。
フィデアさんは静子さんの最期まで寄り添い、看取りも経験しました。
異なる文化を持つ人々が、同じ家で長い時間を過ごし、家族として信頼を育んでいったことも、この30年の大切な部分です。
SWACCOが支援した子どもは202人、卒業生の自立も進む
2025年、タンザニアのSWACCOは設立25周年を迎えました。
その活動は、子どもたちの教育や生活支援として確かな成果を残しています。
2010~2025年にSWACCOが支援した202人の内訳
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大学卒業者:19人
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中等教育の卒業生・在学生:93人
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職業専門学校の卒業生・在学生:24人
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短期大学の卒業生・在学生:14人
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小学生・保育園児:29人
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障害のある子ども:4人
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途中退所者:19人
これはサンクゼールが公表しているSWACCOの活動実績です。
子どもたちは学校で学び、職業に必要な知識や技術を身につけています。
2026年に長野放送が伝えた現地の様子では、施設で43人の子どもたちが家族のように暮らしていました。
さらに、トウモロコシの加工施設や裁縫室を整え、現地で収入を生み出すための準備も進めています。
寄付に頼って生活を維持するだけではなく、子どもたちや地域の人々が将来自立できる仕組みを作ることが、新しい目標となっています。
娘サラが受け継ぐ「祝福の村」の夢
フィデアさんの支援活動は、次の世代にも広がっています。
娘の小林サラさんです。
日本で育ったサラさんは、母が続けてきたタンザニア支援に関心を持ち、新しい支援方法を考えるようになりました。
2025年、SWACCOの25周年を迎えた現地では、施設を卒業した若者たちも集まり、それぞれの成長を報告しました。
支えられて育った子どもたちが大人になり、今度は誰かを支える立場へと変わっていく姿がありました。
フィデアさんが思い描いているのは、孤児院だけではなく、学校や病院も備えた「祝福の村」です。
子どもたちが安心して育ち、学び、働ける地域を作ることを目指しています。
サラさんも支援を具体化するため、事業計画書の作成に取り組みました。
母レジーナさんからフィデアさんへ。そして、フィデアさんから娘サラさんへ。
タンザニアの子どもたちを支えたいという思いは、3世代にわたって受け継がれています。
ムワンガザ・ファンデーションの支援方法と団体情報
フィデアさんが続ける活動には、日本から参加する方法があります。
ムワンガザ・ファンデーションでは、寄付や会員制度を通じて支援を受け付けています。
主な支援方法
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公式サイトからオンライン寄付
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NPO法人への入会・会費による支援
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銀行振込による寄付
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募金箱を通じた寄付
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サンクゼールの対象商品の購入
団体情報
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団体名:特定非営利活動法人ムワンガザ・ファンデーション
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代表:小林フィデア
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所在地:長野県上水内郡飯綱町大字赤塩2376-2
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主な活動:タンザニアの孤児支援・教育支援・施設運営支援
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現地協力団体:SWACCO
寄付の方法や会員制度は、団体の公式サイトで案内されています。
また、サンクゼールでは季節限定ジャムの売上の一部を寄付する取り組みを続けており、商品を購入する形でも活動を応援できます。
まとめ
小林フィデアさんは、1996年にタンザニアから日本へ嫁ぎ、長野県飯綱町のりんご農家で30年を過ごしてきました。
夫・一成さんと農業を続けながら、レストランで働き、義母の介護にも向き合い、母国の孤児支援に取り組んできました。
2010年にはムワンガザ・ファンデーションが設立され、孤児院建設や教育支援が進展。現地団体SWACCOは2010年から2025年までに202人の子どもたちを支援しています。
そして現在、その活動は娘サラさんにも受け継がれようとしています。
『りんごと家族とタンザニア』は、国境を越えて結ばれた家族が、長い年月をかけて人々を支えてきた物語です。
参考リンク


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