隈研吾と挑む初夏のかがくの里SP!ドでか野菜と未来の米づくり
2025年6月8日放送の「所さんの目がテン!」では、自然と科学を融合させた実験フィールド「かがくの里」を舞台に、所ジョージさんと建築家の隈研吾さんがタッグを組み、初夏の里をめぐりました。今回は日本テレビが展開する環境週間「GOOD FOR THE PLANET」の一環として、地球にやさしい栽培や未来に向けた食の取り組みが紹介され、子どもから大人まで楽しく学べる内容でした。番組では、ドでか野菜の栽培や注目の新品種米の田植え、さらには保存食としての干しシイタケのつくだ煮づくりまで、多彩な実験と発見が詰め込まれていました。
肥料も農薬も使わずにドデカ野菜づくりに挑戦
今回はまず、札幌大球という大きなキャベツに注目しました。このキャベツは北海道の郷土料理「ニシン漬け」用に品種改良された伝統野菜で、一般的なキャベツの5倍ものサイズに育つのが特長です。直径50センチにもなるため、保存食として使いやすく、昔から親しまれています。かがくの里では、この札幌大球の苗を新たに植え、育てながら病気の原因菌を採取するという研究目的にも活用することに。農薬や化学肥料を一切使わずに、土の力だけでどこまで育てられるのかがポイントです。
さらに紹介されたのは、苦味が少なく肉厚な「とんがりパワー」というピーマンの新しい品種です。通常のピーマンよりも大きく、栄養価が高いことがわかっており、加熱しても甘みが増すのが特長です。里ではこのピーマンを育てて、おすすめの肉詰めレシピにも挑戦する予定で、育てる楽しみと食べる楽しみがどちらも味わえる実験です。
麦の可能性を探る!雨と寒さに負けない育て方を実験
続いて紹介されたのは、小麦と大麦の畑の取り組みです。ここでは、**グルテンを多く含みパンや麺に加工しやすい「農林61号」**と、もちもち食感で注目されている新品種の大麦「もち絹香」の2種類を育てていました。もち絹香は、色が変わりやすいという欠点が改良され、より使いやすくなった期待の新品種です。今回特別に栃木県から許可を得て栽培が実現しました。
しかし、連日の雨により畑はぬかるみ、植え付けが難航。土が固くなると芽が出ても地中に伸びづらくなるため、土壌をしっかり耕し、手押し式の種まき機を使ってまく工夫が行われました。12月にまいた種は芽を出しましたが、その後の乾燥と寒さで根が傷み、生育不良に。水やりを重ねながら経過を見守り、1月にはようやく元気な芽が地表に現れました。
この時期に欠かせない作業が「麦踏み」です。麦を足で踏むことで霜柱が立っても麦が浮き上がらず根が地中にとどまるようにする伝統の方法です。3回から4回に分けて行い、土との密着を高めていきました。この工夫によって、2月から3月にかけて幼穂(穂の赤ちゃん)が寒さで凍結するのを防ぎ、春には穂が順調に育つようになりました。番組では、初夏に美しい穂をつけた麦の姿が映され、地道な努力の成果が感じられました。
高温でも育つ米の未来!話題の新品種に挑戦
米づくりでは、猛暑でも品質が落ちにくい2つの品種が紹介されました。「ゆうだい21」と「にじのきらめき」です。特ににじのきらめきは、背丈が低く倒れにくいだけでなく、収穫量も通常の品種の1.2〜1.4倍になるという高性能な品種で、近年注目を集めています。
田んぼの準備は3月から始まりました。前年に残った「ひこばえ」を細かく刻んで田んぼにすき込み、自然の循環を活かした肥料づくりを行いました。さらに崩れた畦を修理し、群馬県嬬恋村から提供されたカラマツ材を利用して田んぼを補強しました。カラマツは耐水性があり、こうした自然素材の活用も環境にやさしい農業に欠かせないポイントです。
そして5月には、所さんと隈さんが自ら田植えを実施。視聴者にとっても、未来の食を支える技術や品種の背景をわかりやすく紹介する機会になりました。
里の味を楽しむ!干しシイタケのつくだ煮とゆうだい21の絶品おむすび
収穫した野菜やお米を使った料理も番組の最後に登場しました。特に注目されたのが、干しシイタケのつくだ煮おむすびです。露久保さんが収穫したシイタケを4日間干し、それを水で戻してしょう油とみりんで炒め煮にして作った保存食です。
干しシイタケにしか含まれない「グアニル酸」といううま味成分と、しょう油に含まれる「グルタミン酸」が合わさり、うま味が格段にアップします。このつくだ煮を、かがくの里で昨年収穫した「ゆうだい21」のごはんに混ぜ、おむすびにして完成。梅干しと並ぶ、日本の伝統的な保存食の魅力が詰まった一品でした。
今回の放送では、科学と自然の融合を目指した農業の実践例が紹介されました。暑さに強い作物、大きく育つ野菜、環境に配慮した調理法など、未来に向けての暮らしのヒントがたくさん詰まった内容でした。所さんと隈さんの手作業による活動も心温まるもので、視聴者にとって大きな学びと発見につながった回でした。
コメント