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金子浩子は妊娠・出産で摂食障害が再発|体重測定・母乳育児・3児の母になるまで【toi-toiで話題】

結婚・妊娠・出産で再び揺れた「太ることへの恐怖」

『toi-toi(拒食症「どうして誰かの価値観にとらわれる?」)(2026年9月3日)』に出演する金子浩子さんには、もう1つ深く知っておきたい経験があります。一度は落ち着いていた摂食障害が、結婚や妊娠、出産、育児という人生の変化の中で再び強くなったことです。体重が変化していく妊娠期をどう過ごしたのか、3児の母となった現在につながる歩みをたどります。

この記事でわかること

  • 結婚を機に再び体型を意識するようになった経緯
  • 妊娠中の体重測定やつわりで起きた変化
  • 出産後の育児・母乳と食事へのこだわり
  • 摂食障害と妊娠・出産を考えるうえで大切なこと

金子浩子さんは妊娠・出産をきっかけに摂食障害が再び強くなった

金子浩子さんは大学2年のとき、ダイエットをきっかけに摂食障害を発症しました。

拒食、過食などを繰り返しながら治療や社会人生活を経験し、症状が落ち着いた時期もありました。そのまま回復へ向かうと思っていた中で、新たな転機になったのが結婚、妊娠、出産でした。

特に妊娠は、自分の意思とは関係なく体重や体型が変わっていく時期です。

「太ること」への恐怖を長く抱えてきた金子さんにとって、それまで避けてきた問題と再び向き合わなければならない時間になりました。

現在は3人の子どもを育てながら家庭科教諭として働いています。

その姿だけを見ると、摂食障害を過去の出来事として乗り越えたように感じるかもしれません。しかし金子さんの経験を見ると、回復は一直線ではなく、生活の変化によって再び揺れることがあると分かります。

最初のきっかけはウェディングドレスだった

妊娠より先に金子さんの気持ちを揺らしたのが、結婚式のウェディングドレスでした。

結婚することになり、ウェディングドレスを着るために自分の体型を意識するようになったことで、再びダイエットへ気持ちが向いたと振り返っています。

一般的には幸せなイベントとして語られる結婚式ですが、体型を強く意識してきた人にとっては違う意味を持つ場合があります。

ドレスのサイズ、写真に写った姿、周囲からの見られ方。

「少し痩せたい」という気持ちが、過去の食事制限や体重へのこだわりと結び付いてしまうことがあるのです。

金子さんの経験から見えてくるのは、摂食障害の再発につながる出来事が必ずしも「つらい出来事」だけではないということです。

人生の節目や環境の変化も、食事や体型との関係を変えるきっかけになります。

妊婦健診の体重測定が大きな負担になった

妊娠すると避けられなくなるのが体重の変化と妊婦健診での体重測定です。

金子さんは、それまで避けていた体重計に乗ることや、妊娠中の体重について指導を受けることを負担として経験しました。

摂食障害では、単に体重を気にするという程度を超え、「太ることへの強い恐怖」や体重・体型への強いこだわりが現れることがあります。摂食障害全国支援センターの一般向け情報でも、体重やカロリーのことが頭から離れなくなることが特徴の1つとして示されています。

一方、妊娠中には母体と胎児の健康を管理するため、体重を含めた身体状態の確認が必要になります。

「体重を意識したくない」という気持ちと、「妊娠のために身体の変化を確認する必要がある」という状況が同時に存在するわけです。

金子さんにとって妊娠は、ただ子どもを迎える期間ではなく、長く避けてきた「体重」という数字と再び向き合う期間でもありました。

つわりから過食嘔吐が再び始まった経験もある

金子さんは妊娠中のつわりをきっかけに、過食嘔吐が再び起こった経験についても語っています。

さらに、流産や死産への不安、出産時の痛みに対する不安など、妊娠そのものに伴う心理的な負担もありました。

ここで大切なのは、「妊娠すると摂食障害が再発する」と一律に考えないことです。

国立精神・神経医療研究センターの摂食障害診療に関する指針では、妊娠前から産後にかけて体重、食行動、精神状態が大きく変化する場合があるとして、必要に応じて産婦人科と摂食障害を診る専門医療機関が連携することを勧めています。

症状や経過には大きな個人差があります。

金子さんの体験も、摂食障害のあるすべての人に当てはまるものではありません。

だからこそ、「妊娠したのだから頑張って食べればいい」と本人だけに負担を負わせるのではなく、医療機関を含めた周囲の支援が重要になります。

出産後は「食べない」だけではない問題が待っていた

出産すれば身体の変化が終わるわけではありません。

金子さんが挙げているのが、産後の孤立、産後の体型への意識、育児による自己肯定感の低下などです。

赤ちゃんを育てていると、自分の生活を自分だけのペースで組み立てることが難しくなります。

睡眠時間が変わり、外出も減り、人と会う機会も少なくなる。

金子さんの場合、身体を休める必要がある産褥期に「動かずに食べること」への怖さも感じていました。

大学生活、就職、結婚と同じように、育児も生活環境が大きく変わる出来事です。

摂食障害からの回復についても、症状が一度落ち着いたら二度と揺れないとは限りません。国立精神・神経医療研究センターも、生活や仕事の変化をきっかけに再び症状が強くなるケースを一般向けに紹介しています。

母乳育児では「健康的なものしか食べられない」状態になった

金子さんの経験で特に特徴的なのが、出産後の母乳と食事へのこだわりです。

完全母乳で育てていた時期に、「母乳が詰まらないようにしなければ」という意識から、健康的だと考えるもの以外を避けるようになりました。

金子さん自身は、この状態を「オルトレキシア」と表現しています。

摂食障害というと「食べない」「痩せようとする」というイメージを持ちやすいですが、金子さんの経験はそれだけではありません。

「身体に良いものを食べなければ」

「母乳のために正しい食事をしなければ」

という「正しさ」への強いこだわりも、本人を苦しめるものになりました。

健康を意識する行為そのものが問題なのではありません。

食べるものについてのルールが増え、食事の選択肢が極端に狭くなり、それによって日常生活が苦しくなっていくところに注意が必要です。

不妊治療や「また太る」ことへの不安とも向き合った

金子さんは、体重減少による排卵への影響や、不妊治療についての不安も経験しています。

摂食障害では、低体重になると月経が止まったり不順になったりすることがあります。摂食障害全国支援センターも、神経性やせ症で見られる身体的な変化の1つとして月経の停止を挙げています。

一方で、妊娠や不妊については状態や病型によって状況が異なり、「摂食障害なら妊娠できない」と単純に結び付けることはできません。

金子さんはその後、出産と子育てを重ね、現在は3児の母になっています。

大学時代に食べることへ強い不安を抱えるようになった女性が、妊娠・出産・育児を経験し、さらに家庭科教諭として子どもたちに暮らしや食を教えている。

この変化は、金子浩子さんという人物を知るうえで非常に大きな部分です。

「治った・治っていない」だけでは語れない現在

金子さんの経験をたどると、摂食障害との関係を「完治した」「まだ治っていない」という2択だけで捉えることの難しさが見えてきます。

大学時代に発症し、症状が落ち着き、社会人になり、結婚する。

その後、妊娠や出産によって再び食事や体重への恐怖が強くなる。

そして現在は、3人の子どもを育てながら家庭科教諭として働き、食育活動にも携わっています。

人生の節目ごとに状態が変わりながらも、社会生活そのものを続けてきたのが金子さんです。

摂食障害を抱えながら妊娠・出産を考えている場合、自分だけで食事や体重を調整しようとせず、医療機関へ相談することも大切です。摂食障害の診療では、必要に応じて内科、小児科、産婦人科など身体科と精神科の連携が想定されています。

結婚、妊娠、出産、育児。

本来なら新しい人生の始まりとして語られる出来事も、摂食障害を経験した人にとっては、過去の「太ることへの恐怖」が再び現れる場面になることがあります。

それでも金子さんは、その経験を隠すだけでなく、自分の言葉で伝え続けています。

「誰かの価値観にとらわれる」というテーマを考えるとき、身体が変わっても自分自身の価値まで変わるわけではないという視点は、金子さんのこれまでの歩みを理解する重要な手がかりになります。

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