我妻陽一が「助太刀」で変えようとしている建設業界の働き方
2026年9月19日放送のNHK総合『所さん!事件ですよ』では、かつて「3K」と呼ばれたブルーカラーの仕事を取り巻く変化が特集されます。スタジオゲストとして登場するのが、建設業界に特化したマッチングプラットフォーム「助太刀」を立ち上げた我妻陽一さんです。
我妻さん自身も、もともとは電気工事の現場で働き、その後は電気工事会社を10年以上経営してきた人物です。現場で長く向き合ってきた「人が足りない」「仕事と職人を探す仕組みが古い」という課題が、2017年の「助太刀」創業につながりました。
この記事でわかること
- 我妻陽一さんが歩んできた電気工事業界での経歴
- 建設マッチングサービス「助太刀」を始めたきっかけ
- 「助太刀」と「助太刀社員」が担っている役割
- ブルーカラーの仕事を魅力ある仕事へ変えようとする取り組み
我妻陽一は電気工事の現場から「助太刀」を創業した
我妻陽一さんは、建設業界とは無縁のIT起業家として「助太刀」を始めたわけではありません。大手電気工事会社の株式会社きんでんで工事部に所属し、ゼネコンの大型現場や再開発事業などで電気工事の施工管理を経験しています。
その後、29歳で自ら電気工事会社を起業。10年以上にわたって会社を経営したあと、2017年3月に株式会社助太刀を創業しました。立教大学大学院の経営管理学修士課程も修了しています。
つまり「助太刀」の出発点には、実際に工事現場へ入り、職人を集め、仕事を回してきた経験があります。建設会社側と職人側の両方が抱える問題を現場で見続けてきたことが、その後の事業につながっていきました。
創業のきっかけは仕事と人材を「知人の紹介」で探す世界だった
我妻さんが建設業界で特に問題を感じていたのが、人手不足と仕事の探し方でした。
建設現場では多くの会社や職人が協力して工事を進めます。一方で、我妻さんが長く業界にいた当時は、仕事や職人を探す際に仲間や知人からの紹介を頼るケースが一般的で、「人」に関する部分ではIT化がほとんど進んでいなかったといいます。
たとえば、ある会社では仕事が重なって職人が足りないのに、別の職人は仕事を探している。そうした双方を広い範囲で結び付けられれば、人手不足を和らげながら職人側の仕事の選択肢も広げられます。
その仕組みをインターネット上につくろうと生まれたのが「助太刀」でした。
「助太刀」は職人と工事会社を直接つなぐ建設業特化サービス
「助太刀」は、建設現場で働く職人と工事会社などをつなぐ建設業特化型のマッチングプラットフォームです。
同社は、建設業界には「紹介や電話中心の人探し」「限られた取引先との関係」「繁忙期と閑散期による仕事量の差」といった課題があるとしています。「助太刀」は職人や工事会社が新たな取引先を探せる接点をつくることで、この構造を変えようとしてきました。
現在は仕事の受発注を支援する「助太刀」に加えて、建設業界の採用に特化した「助太刀社員」も展開しています。
主なサービスは次の通りです。
- 助太刀:職人と工事会社などの出会いを支援する建設マッチングプラットフォーム
- 助太刀社員:建設業界に特化した人材採用サービス
- 対応職種:職人だけでなく施工管理などを含む幅広い建設職種
- 運営会社:株式会社助太刀
- 設立:2017年3月30日
- 代表取締役社長:我妻陽一
2026年9月17日の同社発表では、「助太刀」は登録事業者数23万超とされています。
我妻陽一が目指すのは「職人になりたい」と思える建設業界
我妻さんが掲げている会社のミッションは「建設現場を魅力ある職場に。」です。
背景にあるのは、単純な人手不足だけではありません。我妻さんは建設業界で働いてきた中で、現場の職人から自分の子どもには職人を勧めたくないという声を聞くことがあり、その状況を変えたいと考えるようになりました。
その一方、我妻さんは建設業について、独立や起業の機会があり、技術を身につけることで収入を得られる可能性を持つ仕事として捉えています。
仕事を見つけやすくするだけではなく、取引先を広げ、経営を安定させ、職人が自分の技術を生かせる環境を整える。そうして若い世代が「この業界で働きたい」と思える状態へ変えることが、「助太刀」の先に置かれている目標です。
「ブルーカラーの逆襲」で我妻陽一が語る建設業界の現在
今回の放送テーマは「エレベーター技師で億万長者!? ブルーカラーの逆襲」。アメリカを中心に注目されるブルーカラーの高収入化や、大学ではなく技術を学ぶ道を選ぶ若者、日本の建設会社や職業訓練の動きが取り上げられます。
我妻さんは、建設業の人材問題に詳しい専門家としてスタジオに出演します。同社の出演発表では、建設業界の構造や現場での働き方について解説することが明らかにされています。
ここで大切なのは、「ブルーカラーなら誰でも億万長者になれる」という話ではありません。
技術を持つ人の価値が見直される一方、日本では職人不足や高齢化、取引構造、人材確保といった問題が残っています。だからこそ、「稼げるか」だけでなく、職人が仕事を選び、適切な取引先とつながり、長く働ける仕組みづくりも重要になっています。
助太刀の会社・サービス情報
株式会社助太刀の基本情報は次の通りです。
- 会社名:株式会社助太刀
- 代表者:我妻陽一
- 設立:2017年3月30日
- 本社:東京都新宿区西新宿6丁目18番1号
- 主力サービス:建設マッチングプラットフォーム「助太刀」
- 採用サービス:「助太刀社員」
- ミッション:「建設現場を魅力ある職場に。」
我妻さん自身が電気工事会社を経営していたからこそ、サービスの起点も「現場で実際に困っていたこと」にあります。建設業とITを外から結び付けたのではなく、建設現場の中から生まれたサービスという点が大きな特徴です。
まとめ
我妻陽一さんは、大手電気工事会社で施工管理を経験し、29歳で電気工事会社を起業。その会社を10年以上経営した経験から、建設業界に根強く残っていた人手不足と、知人の紹介に依存した仕事・人材探しの問題に着目しました。
そこから2017年に生まれたのが「助太刀」です。
職人と工事会社をつなぐことは、人手不足を埋めるだけではありません。職人が取引先や仕事を選択できる環境を広げ、建設業を若い世代から選ばれる仕事へ変えていくことにもつながります。
「ブルーカラーの仕事の価値が変わっている」という今回のテーマを考えるうえで、実際に職人側と建設会社側の双方を経験してきた我妻さんの歩みは、その変化を象徴するひとつの事例といえます。
参考リンク


コメント