高木治子さんの元酪農場が、4WD愛好家が集まるオフロードコースへ
2026年9月13日放送の『ポツンと一軒家』で訪ねたのは、山口県の山奥で1人暮らしを続ける高木治子さん(77歳)の一軒家でした。
家の裏山には、かつて酪農場だった東京ドーム約1個分の土地を利用した本格的な四輪駆動車のオフロードコースがあります。
所在地や敷地規模、コースの特徴、さらに既存の施設案内で連絡先が「高木まで」とされていることを合わせると、番組に登場した場所は宇部市西吉部の笛太郎ファームとみてよい状況です。宇部フィルムコミッションにも同名のクロスカントリーコースとして登録されています。
ただ、この場所が生まれた背景には、単なる四駆好きのためのレジャー施設という言葉では収まらない、高木さん夫婦の長い苦労がありました。
この記事でわかること
- 笛太郎ファームの場所とオフロードコースの特徴
- 元酪農場が四輪駆動車のコースになった経緯
- 高木治子さん夫婦が1500万円の借金を完済するまで
- 現在の走行会とコースを支える人たち
笛太郎ファームは山口県宇部市西吉部2193にある

笛太郎ファームは、山口県宇部市の吉部地区にあるクロスカントリーコースです。
宇部フィルムコミッションでは次のように案内されています。
- 所在地:山口県宇部市西吉部2193
- 種別:クロスカントリーコース
- 山口宇部空港から車で約50分
- オフロードコースのほか、火起こしができるキャンプ広場あり
- 人の手が入っていない場所も多く、自然の地形が残る
行政関係のロケ地情報に正式登録されている施設で、山口ケーブルビジョンも笛太郎ファームを「東京ドームと同じ広さをもつ敷地」と紹介しています。山林や丸太、岩場などを利用したクロスカントリーコースです。
番組で映し出された「東京ドーム1個分の元酪農場」「山の中の本格オフロードコース」という特徴とも一致します。
元酪農場がオフロードコースになったきっかけは夫の知人だった
現在オフロード車が駆け回る場所は、最初から車を走らせるために造られた土地ではありません。
もともとは、高木家の親族が乳牛を飼育していた酪農場でした。
しかし、牛乳価格の低迷などを背景に酪農をやめることになり、広大な土地が使われなくなります。
そこで転機となったのが、高木治子さんの亡き夫の知人でした。
ランドクルーザーを所有していた知人から「四輪駆動車を走らせる場所として使わせてもらえないか」と相談を受け、夫が了承。知人が重機を持ち込み、元酪農場の地形を生かしながらオフロードコースを整備していきました。
その後、約20年前から一般利用の営業も始まったと番組では紹介されています。
広大な牧草地を舗装して別の施設にするのではなく、山や斜面をそのまま残して四駆が走れる場所へ変えたことが、現在の笛太郎ファームにつながっています。
東京ドーム約1個分の山を四駆が駆け上がる
笛太郎ファームの大きな特徴は、整地された普通のサーキットではないことです。
山口ケーブルビジョンによると、敷地には山林・丸太・岩場などがあり、自然の地形を利用してクロスカントリー走行を楽しめます。
『ポツンと一軒家』でも、急な斜面や大きな高低差のあるコースを四輪駆動車が走る迫力ある映像が紹介されました。
中でも驚かされたのが、傾斜約30度という場所を走る場面です。
静かな山奥の一軒家の裏で、ランドクルーザーやジムニーなどの四駆がエンジン音を響かせながら山を走る光景は、番組前半の夫婦の物語とはまったく違う景色でした。
高木治子さん夫婦は1500万円の借金を16年かけて完済
今回の放送で、オフロードコース以上に重く描かれたのが高木さん夫婦の人生でした。
高木家はもともと米農家で、約6000坪もの土地で米を育てていました。
農業経験のなかった治子さんも夫から農作業を教わり、山の暮らしを支えていきます。
ところが夫婦の生活を大きく変える出来事が起こります。
夫が、酪農をしていた甥の連帯保証人になっていたためです。
残った借金は1500万円。
夫は52歳で農協を早期退職して建設会社へ再就職。治子さん自身も水道会社で働き始め、夫婦で返済を続けました。
そして16年かけて、ついに借金を完済します。
決して小さくない1500万円という負担を、夫婦で働き続けて返し切ったのでした。
借金完済後に夫が膵臓がんで死去
ようやく長い返済生活が終わった高木さん夫婦でしたが、その直後に再び大きな出来事に見舞われます。
夫が体調を崩し、膵臓がんと判明しました。
その後、夫は亡くなります。
治子さんは10年前に夫を亡くしてからも、この山奥の家で暮らし続けてきました。
番組では家の中に孫たちの写真が数多く飾られており、治子さんには3人の子どもと6人の孫がいることも紹介されました。
借金の返済、夫との死別を経験しながらも、夫婦で暮らした場所を離れず守り続けています。
現在は末永浩治さんらがコースを管理
高木さんが1人ですべてのオフロードコースを運営しているわけではありません。
番組が最初に高木さんを訪ねてから約3週間後、走行会の日に再訪すると、高木さんの次男・清さんとともに、コースを管理する末永浩治さんも姿を見せました。
この日は定例走行会が行われ、山口県内だけでなく県外からも参加者が集結。
参加車両は25台に上りました。
笛太郎ファームが一時的な遊び場ではなく、長年にわたって四輪駆動車の愛好家に利用されてきた場所であることは、現在も走行会や4WD関連イベントの会場として使われていることからも分かります。地元の自動車店でも笛太郎ファームでの走行会が継続的に紹介されています。
高木さん夫婦が守ってきた土地が、現在は多くの四駆好きが集まる場所として受け継がれているわけです。
笛太郎ファームを利用する場合は事前確認が必要
笛太郎ファームについては、過去のオフロードコース案内に走行料金やキャンプ料金なども掲載されています。
ただし、現在確認できる料金情報には古いものが含まれており、2026年時点の最新料金表として施設公式から確認できる情報ではありません。
そのため、過去の料金をそのまま現在の利用料金として判断するのは避けた方がよさそうです。
宇部フィルムコミッションでは所在地や施設概要を確認でき、笛太郎ファームのFacebookページも案内されています。実際に走行やキャンプを考える場合は、営業日や利用条件を事前に確認してから向かう必要があります。
まとめ
2026年9月13日の『ポツンと一軒家』で紹介された山口県のオフロードコースは、宇部市西吉部にある笛太郎ファームとみてよい条件がそろっています。
もともとは乳牛を育てていた酪農場でしたが、酪農をやめた後、四輪駆動車を所有する夫の知人の提案によってオフロードコースへ姿を変えました。
その背景にあったのが、高木治子さん夫婦の波乱に満ちた人生です。
1500万円もの連帯保証による借金を背負い、夫婦で働きながら16年かけて完済。その直後、夫は膵臓がんで亡くなりました。
それでも土地は残りました。
かつて牛がいた東京ドーム約1個分の元酪農場には、現在も毎月の走行会を楽しみに四輪駆動車の愛好家が集まっています。
夫婦が苦労して守った山が、年月を経て多くの人が集まる場所へ変わったことまで含めて、今回の『ポツンと一軒家』を象徴する場所が笛太郎ファームでした。
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