ルールが面白すぎる90分バトル
このページでは『神速料理人〜速さと美味さのシェフバトル!〜(2026年2月14日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
番組の核は、とてもシンプルです。誰よりも速く、しかもおいしい料理を作り、より多くの人を笑顔にできた方が勝ち。
ただし勝負の見方が独特で、審査員が食べ終えた「空皿」の枚数が、そのまま得点になります。
料理は特製フードレーンに流され、審査員24人が実食。しかも「品数は自由」「ただし全部の料理にメイン食材を入れる」「最低50g以上」など、スピードと設計力を同時に試されるルールでした。
メイン食材は茨城のブランド和牛、常陸牛。茨城の“地の力”を背負う食材を、90分でどれだけ多彩に変身させられるかが見どころになっていきます。
和食の新星・伊藤祐紀シェフと「南青山 いと家」
伊藤祐紀シェフは、京都の料亭などで和食を磨き、その後フレンチの技術も取り入れて独立した料理人として紹介されました。
実在のお店が、東京都港区の「南青山 いと家」です。外苑前駅から徒歩圏で、和食を土台にしながらフレンチの感覚を加えた“創作和食”を掲げています。
公式の紹介では、2011年に開店し、和食の研鑽とフレンチの技術習得を経て「基本を大切にし、そこに少しの遊び心を添える」姿勢が語られています。番組で見えた“段取りの正確さ”や“火入れの迷いのなさ”は、この積み重ねとつながって見えました。
バトル序盤、伊藤シェフはアスパラガスに肉を巻く動きからスタート。
そして印象的だったのが、出汁がなかなか沸かないトラブルです。和食は出汁が「味の背骨」なので、ここでリズムが崩れると立て直しが難しい。
それでも伊藤シェフは、常陸牛とトマトのすきしゃぶ、さらに後半には炭火焼きや寿司へとギアを上げ、最後の最後まで皿数を積み上げていきました。
フレンチ職人・西尾明シェフと「あじわい回転寿司 禅」
西尾明シェフは、極真空手の指導者から料理の道へ転身し、フレンチを軸に和の技法も組み合わせる料理人として登場しました。
この西尾シェフが腕をふるう“現実の舞台”として知られているのが、神奈川県小田原市の「あじわい回転寿司 禅(ぜん)」です。食べログでは回転寿司の枠を超えた店として紹介され、寿司と同じ空間で本格的なビストロ料理も出る店として知られています。
記事インタビューでも、西尾さんが元・極真空手の指導者だったことが触れられており、“道場の空気”のような集中力が店の個性になっていることが読み取れます。
番組では、西尾シェフがサーロインを焼き、スープで湯引きし、骨髄(ボーンマロー)を扱い、さらに肉寿司へも振る…というように、フレンチの引き出しでテンポよく畳みかけました。
「料理の調理風景もアピールになる」というルールの中で、焼き・ロティ・揚げ・寿司の“見せ場”を作り続けたのが強かったです。
皿が増えるほどドラマが濃くなる料理ラインナップ
この番組の怖さは、1皿が当たっても安心できないところです。
「おいしい」だけでは皿は増えません。食べ終えられて、はじめて空皿が積み上がります。つまり、味と同時に“食べやすさ”も勝負の一部です。
前半で目立ったのは、西尾シェフの常陸牛ポシェやサーロインステーキ。
伊藤シェフはすきしゃぶ、炭火焼き、そしてロールキャベツへ。キャベツの芯を薄くして巻きやすくする工夫が出て、ここで味の完成度を上げました。
後半はさらに加速し、西尾シェフはロッシーニ風の肉寿司(あん肝のせ)やフラン、伊藤シェフはサーロインと雲丹の握り、レンコン餅包みなど、ひと目で“変化”が分かる皿を連打。
皿数が競り合うほど、料理が「早く食べたい形」へ寄っていくのが、見ていてスリリングでした。
茨城の食材が“強い味方”になった理由
番組は茨城推しが徹底していて、食材も審査員も茨城に寄せていました。
ここで主役になる常陸牛は、茨城県が誇る黒毛和牛のブランドで、等級などの厳しい条件を満たしたものが「常陸牛」として扱われます。だから脂のうまみが強いのに、料理の作り方次第で重くなりすぎないのが特徴です。
さらに番組に登場した霞ヶ浦キャビアは、茨城の水で育てたチョウザメの卵を加工した国産キャビアとして「霞ヶ浦」の名を冠しています。
こういう“土地の名前がついた食材”は、料理に物語を足してくれます。
ただおいしいだけではなく、「どこの何か」が分かると、食べる側の気持ちがぐっと動くんです。
そして西尾シェフが使った常陸野ネストビール エスプレッソスタウトも、茨城の木内酒造が扱うビールとして知られ、深煎りコーヒー豆を加えた濃い香りが特徴です。肉料理のソースや煮込みに使うと、甘みや苦みがコクとして残りやすいので、あの“エスプレッソの香り”という皿名にも納得がいきます。
最終結果と“初代神速料理人”の栄冠
終盤、スタジオ中央に空皿を数えるタワーが立ち上がり、勝負が数字として見える瞬間が来ました。
最終結果は、西尾シェフ137皿、伊藤シェフ164皿。
初代神速料理人に輝いたのは、伊藤祐紀シェフでした。
序盤にトラブルがあった伊藤シェフが、後半で寿司や炭火焼きまで出して追い抜いた流れは、見ている側の体温も上がる展開でした。
そしてこの番組は、料理の勝負でありながら、最後に残るのは「誰がどんな背中を見せたか」です。
速さの中でも味を崩さない。焦っても手を止めない。
その積み重ねが、空皿の差になって現れた回でした。


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