【カズと学ぶ】国際ロマンス詐欺の黒幕“ヤフーボーイ”潜入取材で明かされた手口とは|2025年6月17日

カズレーザーと学ぶ

アナタの家族も標的に!?最新犯罪の闇マニュアル完全公開&回避術とは

2025年6月17日(火)夜10時から日本テレビ系列で放送される特番『カズと学ぶ』では、今や誰もが被害者にも加害者にもなり得る“最新犯罪の罠”について、専門家の徹底解説と覆面取材による実態暴露を通して深く掘り下げます。身近なSNSから始まるロマンス詐欺や闇バイト、そして国際的な詐欺ネットワークの闇など、家族を守るために知っておきたい知識が詰まった60分です。

なぜ人はロマンス詐欺にハマるのか?

番組ではまず、SNSやマッチングアプリを通じて接近してくる詐欺師と、実際に被害に遭った人々の心理的背景に注目しました。多くの被害者は、「まさか自分が騙されるとは思わなかった」と語ります。しかし、そこには明確な理由がありました。詐欺師は、相手の心のすきまを見逃さず、的確に入り込んでくるのです。

とくに狙われやすいのは、次のような心理状態にある人たちです。

  • 離婚や配偶者との死別で孤独を感じている人

  • 日常生活に不満を感じている人

  • 自己肯定感が低く、誰かに必要とされたいと思っている人

こうした人々にとって、SNS上でやさしく声をかけてくれる人物は、“運命の出会い”のように見えてしまいます。番組に出演した心理学者・藤井靖教授は、人が特定の相手に対して執着し、強く依存していく状態を「リメリンス(恋愛への没頭状態)」と説明しました。

このリメリンス状態にあると、人は通常よりも判断力が低下しやすくなります。たとえ相手が顔を見せなかったり、お金の話をしてきたりしても、それを疑う余地すらなくなるのです。

詐欺師は、その心理を十分に理解しており、実際には次のような段階を踏んでターゲットに近づきます。

  • ラブボミング:毎日のように「おはよう」「今日も素敵だね」といった愛情あふれるメッセージを送り続け、相手の心を埋めていく。

  • 段階的な信頼構築:すぐにはお金を要求せず、数週間から数か月かけて、ゆっくりと距離を縮めてくる。

  • 共感の演出:「自分も過去に辛い経験をした」と語り、相手の心に寄り添うふりをして信頼感を高める。

  • 依存の誘導:ほかの人との交際や連絡を遠ざけさせ、自分だけに頼らせる。

さらに番組では、詐欺師が使う“恋愛マニュアル”の存在にも言及されました。このマニュアルには、相手の反応ごとに送るべき言葉や態度が細かく指示されているとのことです。まるでマニュアル通りに感情が操作されているように、被害者は「特別に選ばれた」と思い込んでしまいます。

このようにして詐欺師は、理性的な判断を奪い取り、相手を自発的にお金を渡すように導いていきます。すべては緻密に計算された流れの中で進められ、気づいたときには深く関係にのめり込んでしまっているのです。被害者の多くが「なぜ信じたのか説明できない」と語るのは、その操作があまりにも自然で、強力だからです。

詐欺の被害は、知識や学歴では防げません。誰もが陥る可能性がある心理トリックであることを知ることが、第一の防御策となります。

国際ロマンス詐欺の黒幕“ヤフーボーイ”の正体とは

番組の終盤では、世界中で急増している国際ロマンス詐欺の中心にいる黒幕、「ヤフーボーイ(Yahoo Boys)」の実態に迫りました。このグループはナイジェリアを拠点とする組織的な詐欺集団で、恋愛を装ったやり取りを通じて、被害者から金銭を騙し取っています。

取材にあたったノンフィクションライターの水谷竹秀氏は、ナイジェリアやカンボジアなどの東南アジアに点在する詐欺拠点に潜入。そこでは、多数の若者たちが“恋人役”としてPCに向かい、世界中のターゲットとチャットを交わす様子が確認されました。詐欺現場は「ボイラールーム」と呼ばれる施設で、まるでコールセンターのような環境の中、事務的に恋愛が演じられているという衝撃的な実態が明かされました。

詐欺師たちは以下のような技術を用いて信頼を勝ち取り、徐々に送金へと誘導していきます。

  • AI技術で生成された偽の写真や映像

  • SNS上での偽アカウント運用による「生活感」の演出

  • 会話スクリプトに沿ってやり取りし、感情を巧みに操る

また、資金の流れは非常に巧妙に作られており、詐取したお金は複数の国をまたいで資金洗浄される仕組みが使われています。さらに、仮想通貨の送金やダークウェブでの情報取引なども併用されており、国際的な犯罪ネットワークとして強固に構築されている点が番組内で強調されました。

水谷氏の取材では、実際に「ヤフーボーイ」として活動する若者たちへのインタビューも行われ、彼らがどのようにして詐欺に加担し始めたか、そして「自分たちは仕事としてやっているだけだ」と話す様子も紹介されました。貧困や失業が背景にある一方で、罪悪感が薄れている現状もまた、問題を深刻にしています。

詐欺行為が国境を超えて広がっている今、日本人も例外ではありません。日本国内の被害額も年々増加しており、SNSやマッチングアプリを通じて日本語で接触してくる事例も多発しています。

番組では最後に、こうした詐欺の防止に向けて以下の点を強調していました。

  • SNSで知り合った相手がすぐに「愛している」と言ってくる場合は疑う

  • 一度でも送金を要求されたら、その時点で詐欺を疑う

  • 相手の身元が確認できない場合は、必ず家族や警察に相談する

  • 海外からのロマンスに関する話は、一人で判断せずに周囲の意見を聞く

国際詐欺は、単なる個人間のやり取りではなく、国境を越えた巨大な犯罪ビジネスです。被害を防ぐためには、冷静に状況を見極める知識と、身近な人との連携が何よりも大切であると強く訴えかけられていました。

若者が狙われる闇バイトの罠

番組の後半では、若者を海外に誘い出し違法な行為に巻き込む「闇バイト」の実態が特集されました。近年、この手の手口はSNSや匿名掲示板を通じて広がっており、「すぐに高収入」「語学力不要」「旅行気分で稼げる」といった魅力的な言葉で、多くの若者が勧誘されています。

こうした募集は一見すると harmless に思えるものもありますが、その裏には重大なリスクが潜んでいます。詐欺の構成要員として利用されたり、国境を越えた犯罪組織に組み込まれたりするケースが多く報告されています。とくに次のような特徴があることが明らかになりました。

  • 渡航費や宿泊費がすべて支給される

  • 作業内容が曖昧、または「誰でもできる」とだけ説明される

  • 現地での連絡手段や滞在先が事前に明かされない

番組では、実際に記者がこうした闇バイトの現場に覆面取材を行い、詐欺組織が使用する「マニュアル」の中身も公開されました。そこには、指示された文面を送るだけで被害者を誘導できるチャット例や、緊急時に使う返答テンプレートなどが並び、完全に“業務化”された詐欺ビジネスの様子が浮き彫りとなりました。

中でも衝撃だったのは、現地に到着した若者がパスポートを取り上げられ、逃げられなくなるケースがあることです。中には報酬がまったく支払われず、長時間の拘束労働を強いられる人もおり、事実上の強制労働や人身売買に近い状況に置かれた事例も紹介されました。

また、詐欺グループは非常に組織的に動いており、現地には監視役、送迎係、金銭管理者などが分業で配置されています。若者はただの“実行役”として使い捨てにされ、何か問題が起きても全責任を負わされることも少なくありません。

番組に出演した元警視庁警視・櫻井裕一氏は、次のような点に注意を促していました。

  • SNSのDMやLINEで届く「怪しげな高収入バイト」の話には絶対に乗らないこと

  • 募集主の身元や会社情報を確認できない場合はすぐに断ること

  • 少しでも不安を感じたら、一人で判断せずに家族や学校、警察に相談すること

また、闇バイトは一度関与してしまうと抜けにくくなるケースが多く、「口止め」や「脅し」により再犯を繰り返させられる若者もいるとのことです。一見魅力的に見える高収入バイトの裏には、回復不能な被害と犯罪の道が待っているという現実を、視聴者に強く印象づける内容でした。

番組は、若者だけでなく家族や学校関係者にも、闇バイトの現実をしっかり理解し、未然に防ぐ意識が必要であると訴えて締めくくられました。

被害者にも加害者にもならないための回避術

番組では、詐欺の被害を防ぐために「自分だけでなく家族を守る視点」が大切だと強調されました。巧妙化・複雑化する現代の詐欺に対しては、事前に知識を持ち、冷静に対処する力が必要です。特にSNSやマッチングアプリを通じた犯罪は、年齢や性別、学歴に関係なく誰でも巻き込まれる可能性があるため、番組では以下のような具体的な対策が紹介されました。

  • SNSやアプリで「すぐに恋愛感情を表す」「短期間で結婚を申し込む」「困っているからお金を貸してほしい」などの言動があった場合、その時点で立ち止まることが重要です。

  • ビデオ通話やリアルでの面会を提案しても断られる、もしくは言い訳が続く相手には詐欺の可能性を疑う視点が必要です。

  • 求人情報に関しては、「高収入」「簡単」「誰でもできる」といった曖昧な表現に注意し、企業名・所在地・契約内容の明示があるかを必ず確認することが求められます。

  • 何より大切なのは、「何かおかしい」と感じたときに一人で判断せず、家族や友人、学校・職場、または警察に相談することです。それが被害を未然に防ぐ最大の防御手段となります。

番組内では、出演者の浮所飛貴さんや山本美月さんらが、スタジオでのトークを通じて、実際に「こんな誘いが来たらどうするか?」という問いに対し、視聴者の立場に立って具体例を交えて紹介していました。彼らは「まずは誰かに話す」「一人で決めずに情報を集める」といった考え方の大切さを何度も繰り返し、“相談する勇気が自分と家族を守る第一歩”であることを丁寧に伝えていました。

被害を防ぐための知識と意識は、誰でも今日から身につけられます。詐欺の手口は進化していますが、正しい情報と判断力があれば、被害者にも加害者にもならずに済むのです。

まとめ

被害に遭わないために必要なのは、“疑う力”と“相談する勇気”です。自分自身と家族を守るためにも、番組を通して得られる知識をしっかりと活用していきましょう。

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