『キメツケ!』横浜から赤穂へ移住した家族は坂田文香・坂田旭夫妻
2026年9月15日放送の関西テレビ『やすとも・友近のキメツケ!』では、「誰しもやってみたい夢のライフスタイルある!赤穂編」として、横浜から兵庫県赤穂市へ移住した家族に密着します。
番組表では夫妻の実名が出ていませんが、「横浜から赤穂へ移住」「リノベ古民家」「カフェ兼建設事務所」という条件から、赤穂市坂越でTOROを運営する坂田文香さん・坂田旭さん夫妻とみられます。夫妻は築140年以上の古民家を再生し、飲食店と設計事務所を組み合わせた新しい拠点をつくりました。
なお文香さんについて、TORO公式プロフィールでは現在も「成富文香」と表記されています。一方、西播磨ビジネスプランコンテストやラジオ関西の記事では「坂田文香」表記です。本記事では番組の人物特定につながる地域側の表記に合わせて「坂田文香さん」としています。
この記事でわかること
- 坂田文香さん・坂田旭さんが横浜から赤穂へ移住した経緯
- 文香さんが最優秀賞を獲得した空き家再生プラン
- 築140年以上の古民家を再生したTOROの特徴
- 建築とランドスケープを仕事にする夫妻の現在
坂田文香と坂田旭が横浜から赤穂へ移住
坂田文香さんと夫の坂田旭さんは、横浜で仕事をしていた生活から大きく環境を変え、2023年に兵庫県赤穂市坂越へ移住しました。
現在の拠点となっている坂越は、坂越湾と千種川に挟まれた歴史ある港町です。かつて海運業で栄え、古い町並みが今も残る一方、世帯数の減少と空き家の増加が地域課題になっています。
夫妻が選んだのは、新築住宅を建てて暮らす方法ではありませんでした。
町中に残っていた築140年以上の古民家を引き継ぎ、自分たちで再生。そこを住まいや仕事だけに閉じず、地域の人や外から訪れた人が立ち寄れる拠点へ変えていったのです。
2024年3月15日には、古民家をリノベーションしたカフェ兼設計事務所「TORO」が誕生しました。
番組が「夢のライフスタイル」として夫妻に密着する理由も、単なる田舎移住ではなく、暮らす場所と仕事、地域の空き家問題への取り組みが一つにつながっていることにあります。
移住の転機になった空き家再生プラン
赤穂移住への大きな転機となったのが、文香さんが挑戦した第1回西播磨ビジネスプランコンテストです。
2023年度のローカルベンチャー部門で、文香さんは
「古民家再生によるモデル店舗で飲食店を併設した建築設計事務所の運営」
というプランを提案し、最優秀賞を受賞しました。
構想の核にあったのは、空き家を単に改装して利用するだけではなく、自分たち自身が成功例になることでした。
実際に古民家を再生して店と事務所をつくり、その姿を見せる。それによって「古い家でもこんな使い方ができる」と感じてもらい、新しい使い手へ空き家を引き継ぐきっかけを生み出すという考え方です。
つまりTOROそのものが、文香さんがコンテストで描いたプランの実物のモデルケースになっています。
受賞して終わったアイデアではありません。
横浜から赤穂へ移り、本当に築140年以上の古民家を再生し、翌2024年には店を開くところまで実現しています。
築140年以上の古民家を再生したTORO
TOROの建物は、もともと金物屋として使われていた築140年以上の古民家です。
改修では、新しくきれいにすることだけを目的にしませんでした。
坂越に残る建築の特徴を活かし、黒い土壁など古くからの意匠を残しながら、新しい用途へつなげています。地元の人からは、かつてこの金物屋を利用した思い出を語る声もあるといいます。
さらに店内には、坂越らしさを感じさせる工夫があります。
坂越は牡蠣の養殖で知られる海辺の町。その土地とのつながりを表現するため、TOROでは床やカウンターテーブルに坂越の牡蠣殻を埋め込んでいます。
古民家を真新しい建物に変えてしまうのではなく、その土地に残ってきた時間と新しいデザインを組み合わせる。
夫妻が取り組む古民家再生の考え方が、そのまま建物に表れています。
TOROの名前も特徴的です。
川の流れが穏やかになり、生き物が集まる場所を意味する「瀞(とろ)」が由来。人が自然に集まり、地域と外から来た人が緩やかにつながる場所にしたいという思いが込められています。
カフェと設計事務所を組み合わせた仕事
TOROの面白さは、カフェと設計事務所が同じ建物にあることです。
一級建築士事務所というと、設計を依頼する目的がなければ入りにくい印象があります。
そこで夫妻は、飲食店を併設することで誰でも気軽に立ち寄れる場所にしました。お茶や食事を楽しむために訪れた人が建物に触れ、そこから空き家やリノベーションについて相談することもできます。
カフェでも地域とのつながりを大切にしています。
ラジオ関西の取材では、
- 兵庫県産小麦を使ったドーナツ
- 米油で揚げた「赤穂の塩ドーナツ」
- 西播磨・宍粟市の商品を使った薬膳茶
など、地元や西播磨の素材を意識したメニューが紹介されています。
カフェだけを繁盛させることが目的ではありません。
地域の商品を知ってもらい、建築や空き家について話し、人と人が出会う。そうした小さな接点をつくること自体がTOROの役割になっています。
祖母との縁があった赤穂を選んだ背景
夫妻の移住先が赤穂になったのは、ビジネス上の条件だけではありません。
文香さん自身に、赤穂との深いつながりがありました。
文香さんは兵庫県相生市出身。そしてラジオ関西の取材によると、祖母が赤穂市に住んでいたため、文香さんにとって赤穂は以前から思い入れのある土地でした。
横浜でランドスケープデザイナーとして働き、全国各地のまちづくりにも関わってきた文香さんですが、次第に「故郷のまちや人と密接に関わりながら活動したい」という方向へ進んでいきます。
そこへ重なったのが、西播磨で増える空き家という地域課題でした。
自分の専門であるランドスケープやまちづくりの経験を活かせる。
祖母との縁がある土地でもある。
そして自分自身が古民家再生を実践することで、地域に新しいモデルを示せる。
複数の要素が重なった先に、横浜から赤穂への移住がありました。
夫婦それぞれの建築・ランドスケープの経歴
TOROを支えているのは、夫婦で異なる専門分野を持っていることです。
坂田旭さんは神奈川県出身の一級建築士。
東海大学工学部建築学科から同大学院へ進み、建築設計事務所などで約10年間勤務しました。
これまでに、
- 豊田市駅東口まちなか広場「とよしば」
- 複合施設「TAKEOFF-SITE」
- 工場「M&T BASE HOKUTO」
- 箱根のゲストハウス「MIRAHAKONE」シリーズ
など、公共的な空間から工場、宿泊施設、住宅まで幅広い設計に携わっています。
一方の坂田文香さん(TORO公式表記・成富文香さん)はランドスケープデザイナーです。
兵庫県相生市出身で、関西大学建築学科を卒業。フィンランド留学を経験した後、ランドスケープデザイン事務所「stgk inc.」に9年間勤務しました。
横浜を拠点として、
- 横浜元町商店街のリニューアル
- 横浜の魚市場を生かした広場づくり
- 横浜市旭区「左近山みんなのにわ」
- 豊田市の市民参加型行政プロジェクト
- インドネシアでのマスタープラン作成
など、建物単体ではなく、人が過ごす広場や町全体に関わる仕事を経験しています。
旭さんの建築設計と、文香さんのランドスケープ・まちづくり。
その2つが組み合わさっているからこそ、TOROの活動は「古民家を直す」だけでは終わりません。
建物を起点として町全体に人の流れを生み出すところまで見据えています。
赤穂市坂越で続く現在の古民家再生
TOROは現在、赤穂市坂越1540を兵庫の拠点として活動しています。
業務内容も幅広く、
- 土地・空き家探しと活用計画
- 建築設計・監理
- 店舗・住宅・宿泊施設などの設計
- 外構・広場のデザイン
- プロジェクト企画
- まちづくり
- 空き家再生
などを手掛けています。
そして、夫妻自身のTOROだけで終わらず、坂越で新しいプロジェクトが続いています。
TORO公式サイトでは、坂越の住宅「House O」や「まえだのま。」、さらにホテルとして計画中の「TOROYA」なども掲載されています。
これは、最初に掲げた「空き家再生のモデルになる」という構想が、少しずつ周囲へ広がっているともいえます。
自分たちが築140年以上の古民家を再生して暮らし、仕事をする。
そこへ人が集まる。
さらに別の空き家や建物が次の利用者へ引き継がれていく。
文香さんがビジネスプランコンテストで描いた構想は、現在の坂越で現実の仕事として続いています。
まとめ
2026年9月15日の『やすとも・友近のキメツケ!』で紹介される、横浜から赤穂へ移住した家族は、坂田文香さん・坂田旭さん夫妻とみられます。
文香さんは2023年、第1回西播磨ビジネスプランコンテストで古民家を再生し、飲食店を併設した建築設計事務所を運営するプランを発表して最優秀賞を受賞しました。
そして構想だけに終わらせず、夫妻で横浜から赤穂市坂越へ移住。
築140年以上の元金物屋を再生し、2024年3月にカフェ・ショップ・設計事務所を組み合わせたTOROをオープンしました。
一級建築士の旭さんと、ランドスケープデザイナーの文香さん。
2人が目指しているのは、一軒の古民家をきれいにすることだけではありません。空き家を再び人へ引き継ぎ、人が集まり、町そのものが次へつながっていく仕組みをつくることです。
番組では、そんな仕事と暮らしが一体になった坂越での移住生活に注目です。
参考リンク


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