934冊の時刻表で「自分の過去」へ戻れる東京・中野の私設博物館
2026年10月7日放送のCBCテレビ「伊集院光の偏愛博物館」に登場するのが、東京都中野区にある「時刻表ミュージアム」です。
館長の鈴木哲也さんが46年にわたって集めてきたJTB時刻表を中心に、2026年9月18日時点で934冊を展示。1959年1月号以降は欠号なくそろっており、展示されている時刻表を実際に開きながら、昔の列車や旅をたどることができます。完全予約制、45分1枠を最大3人で貸し切って楽しむ、非常に珍しい私設ミュージアムです。
この記事でわかること
- 時刻表ミュージアムに展示されている934冊の時刻表
- 館長・鈴木哲也さんが博物館を開いたきっかけ
- 0系新幹線座席やNゲージなど館内の見どころ
- 予約方法・料金・見学時間
時刻表ミュージアムにはJTB時刻表934冊が並ぶ
時刻表ミュージアムは、館長の鈴木哲也さんが個人で運営する東京・中野の私設博物館です。
最大の特徴は、JTB時刻表そのものが主役になっていること。2026年9月18日時点で934冊を展示し、1959年1月号から現在につながる時刻表を欠号なくそろえています。創刊号である1925年版の復刻版や、昭和の鉄道旅行を伝えるパンフレットなども収蔵されています。
しかも、時刻表はガラスケース越しに眺めるだけの展示物ではありません。
実物を手に取り、「この年、この日にどんな列車が走っていたのか」「昔の旅行では何時の列車に乗れたのか」とページをめくることができます。
数字がびっしり並んだ1冊から、自分自身や家族の記憶までたどれる。それがこの博物館ならではの「時間旅行」です。
館長・鈴木哲也は中学1年生から時刻表を毎月買い続けた
館長の鈴木哲也さんは東京・中野で生まれ育ち、幼いころから中央線を走る列車を見ることが好きでした。
そして中学1年生のころから、時刻表を毎月購入する生活を開始します。
鉄道模型だけでも、写真だけでもなく、「列車がいつ、どこを走っているか」が詰まった時刻表そのものに魅力を感じ、購入を続けてきました。
2026年時点ではその収集歴は46年。個人の趣味として始まったコレクションが、900冊を超える規模へ成長しています。
大きな転機となったのが、集め続けた時刻表を一度すべて並べてみたいと考えたことでした。
鈴木さんは中野サンプラザの一室を借りて時刻表の展示会を開催します。
すると、「昔乗った列車の時間を知りたい」「あの日に乗った列車の名前を知りたい」といった問い合わせが届くようになりました。
自分にとってのコレクションが、別の誰かにとっては人生の記憶を取り戻す資料になる。
そこから、「誰でも昔の時刻表へアクセスできる場所を作りたい」という構想が具体化していきます。
2022年に自宅を改装して時刻表ミュージアムを開館
時刻表ミュージアムがオープンしたのは2022年4月です。
鈴木さんは自宅を改装し、それまで長年集めてきた時刻表や鉄道資料を一般の人にも見てもらえる私設博物館を完成させました。中野区も、鈴木さんが2022年4月に自宅を改装して開館した施設として紹介しています。
単に本棚へ大量の時刻表を並べただけではありません。
玄関から館内へ進むと、ブルートレインを思わせる「青20号」の空間や、昔の鉄道旅行をイメージした展示が現れます。
昭和の時刻表とともに当時の鉄道グッズや音まで楽しめるよう工夫され、施設全体が「過去へ向かう列車」のように作られています。
館内にはあえて時計も置かれていません。
観覧終了の5分前になると館長から案内が入る仕組みで、45分間、現在の時刻を気にせず昔の鉄道世界に入り込める演出になっています。
1959年から現在までの時刻表で昔の旅行を再現できる
時刻表ミュージアムの面白さは、鉄道ファンだけが分かる希少本を見ることだけではありません。
たとえば、家族旅行へ出かけた年月が分かれば、その当時の時刻表を開くことができます。
当時走っていた特急や急行、寝台列車、普通列車を調べれば、「この列車に乗ったのではないか」と旅程をたどることもできます。
現在ならスマートフォンへ出発地と目的地を入力すれば、最短経路がすぐ表示されます。
しかし紙の時刻表では、自分でページを行き来しながら乗り継ぎを組み立てます。途中下車したり、あえて遠回りしたりする旅も自分で考えられるため、「移動そのものを楽しむ」という鉄道旅行の感覚が残されています。
鈴木さん自身も、最短・最安の経路だけではなく、遠回りや途中下車を含めて鉄道旅行を楽しむことが時刻表の魅力だと語っています。
Nゲージを走らせられる鉄道模型レイアウトもある
館内には時刻表以外の鉄道展示もあります。
イーストサイドにはNゲージ用のレイアウトが設けられ、5つの列車を同時に走らせられるようになっています。
自分のNゲージ車両を持参すれば、条件に合う車両を実際に走行させることもできます。
館が所有する車両には、E26系カシオペア、151系こだま、165系急行形電車、583系特急電車、N700Aなどがあります。館所有車両の走行デモは、原則として館長が操作します。
さらに東海道新幹線開業期に使われた金属製の「サボ」など、鉄道の歴史を伝える実物資料も展示されています。
時刻表に記録された列車名と、実際に鉄道で使われていた物を同じ空間で見られるため、紙に書かれた情報が立体的につながっていきます。
0系新幹線の本物の座席「TIME TRAVEL SEAT」も体験できる
現在の大きな見どころの1つが、0系新幹線で使用されていた座席を使った「TIME TRAVEL SEAT」です。
時刻表ミュージアムと同じ建物の1階にある提携施設「FFO COFFEE」で、50年以上前に使われていた0系新幹線「ひかり」の3人掛け座席に座ることができます。
ミュージアム予約時に対象のドリンクを注文すると、観覧終了後に30分の「乗り越し」サービスとして利用できる仕組みです。
かつて世界最速を誇った東海道新幹線の座席に腰掛け、当時の時刻表を見た後でコーヒーを飲む。
博物館の「時間旅行」が、展示室を出た後まで続くような体験になっています。
時刻表ミュージアムの予約・料金・見学方法
時刻表ミュージアムは、予約なしで立ち寄る施設ではありません。
個人運営のため完全予約制となっており、開館日は原則として土日祝日のみ。館長の鈴木さんは会社員として働きながら運営しているため、予約申し込み後の返信には数日かかる場合があります。
利用時の基本情報は次の通りです。
- 施設名:時刻表ミュージアム
- 所在地:東京都中野区
- 開館:土・日・祝日を基本に完全予約制
- 観覧時間:1枠45分
- 利用人数:1枠最大3人
- 料金:1枠3,000円
- 支払い:当日現金払い
- 1人・2人で利用しても1枠3,000円
- 1組最大2枠、合計90分まで申し込み可能
- 小学生以下だけでの入館不可
- 予約:公式サイトの申し込みフォームから事前申し込み
2026年10月5日時点では11月末までの予約を受け付けており、12月分は10月23日から受付を開始する予定です。空き状況は随時変わるため、訪問時は公式サイトの最新情報を確認する必要があります。
まとめ
時刻表ミュージアムは、館長の鈴木哲也さんが中学1年生のころから集め続けてきたJTB時刻表を公開する、東京・中野の私設博物館です。
2026年9月時点の展示数は934冊。1959年1月号からは欠号なくそろい、古い時刻表を実際に開きながら、自分自身の思い出や昔の旅をたどることができます。
始まりは1人の鉄道好きによるコレクションでした。
しかし展示会を開いたことで、「昔乗った列車を知りたい」という人たちがいることに気付き、2022年、自宅を改装して博物館を開館しました。
Nゲージ、昭和の鉄道資料、0系新幹線の座席などもそろっていますが、一番の主役は今も紙の時刻表です。
検索すれば一瞬で最短ルートが出てくる時代に、934冊の紙をめくりながら自分だけの旅を探す。
「伊集院光の偏愛博物館」で取り上げられる理由がよく分かる、好きなものを46年間集め続けた先に生まれた博物館です。
参考リンク


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