旬の漁師飯と名物グルメが満載!木更津・龍ケ崎・本庄・札幌でご飯調査
テレビ東京で2025年6月2日に放送された『昼めし旅』は、千葉県木更津市、茨城県龍ケ崎市、埼玉県本庄市、北海道札幌市の4つの地域を舞台に、地元の人々の“お昼ご飯”を見せてもらうアポなしグルメ旅が展開されました。今回は旬のアサリを使った漁師めしや、老舗すき焼き店のまかない、ブランド卵を使ったプリン店の家庭料理、さらには市場で働く人々の絶品まかないまで、全国の“おいしい昼ご飯”が大集合しました。
千葉県木更津市のアサリ漁師飯と老舗すき焼きの味
千葉県木更津市は、春のアサリ漁で知られる地域です。番組では団長安田さんが現地を訪れ、ご飯調査に挑戦しました。最初に出会ったのは、軽トラの荷台に大量のアサリを積んだ漁師の坂口さんと青木さん。梅雨入りの時期がアサリの旨味が増すベストシーズンとのことでしたが、この時はご飯調査は成立しませんでした。
次に訪れたのが「金田みたて海岸」。こちらは潮干狩りの人気スポットで、多い日は1000人以上が訪れ、アサリやハマグリ、シオフキ貝など約9種類の貝が生息しています。ただし、この日は休業日で潮干狩りは行われていませんでした。そこで、従業員の方が番組の過去出演者でもある齋藤さんという漁師を紹介してくれました。
齋藤さんは、春はアサリ漁師、冬は海苔漁師として活動する地元の漁師さんで、以前の放送では海苔料理を披露しています。今回は家庭で作る漁師めしとして、アサリとハマグリの酒蒸しを見せてくれました。
●材料(目安)
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アサリ
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ハマグリ
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日本酒
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醤油
●作り方
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事前に、アサリとハマグリは育った場所の海水を使って砂抜きしておく
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フライパンに貝を並べて、日本酒をたっぷり加える
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火にかけて蒸し焼きにし、仕上げに醤油をひと回し加えて完成
貝の旨味と日本酒の香りがしっかり引き立つ一品で、まさに漁師ならではの豪快な料理です。さらに、もう一品作ってくれたのがアサリの味噌汁でした。
●材料(目安)
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アサリ
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水
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顆粒だし
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味噌
●作り方
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鍋にアサリと水、顆粒だしを入れて加熱する
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貝が開いたら火を止め、味噌を溶いて完成
シンプルながらもアサリの出汁がしっかり出た、滋味深い味噌汁でした。調理を通じて、齋藤さんと団長は同い年で娘さんの誕生日が同じという共通点もあり、親としての生活にも共感しあう一幕がありました。
続いて訪れたのは、木更津駅近くのすき焼き店「田園」。創業は昭和26年の老舗店で、現在は4代目となる武藤さんがその味を守っています。看板メニューは「すき焼き定食」で、地元でも愛される味とのことです。団長は武藤さんに取材をお願いし、厨房でまかない料理を見せてもらいました。
まず紹介されたのは、牛脂で炒める牛肉と新タマネギの炒め物。焼肉用のたれで味付けされていて、ご飯が進む一品です。
●材料(目安)
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牛脂
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牛肉の切れ端
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新タマネギ
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焼肉のタレ
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さやえんどう(お好みで)
●作り方
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フライパンで牛脂を溶かす
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牛肉と新タマネギを炒める
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焼肉のタレで味付け
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さやえんどうを加えて軽く炒めて完成
タマネギの甘さと肉の旨味が合わさった、ごはんにぴったりの味わいでした。
もう一品は、余った餅を使ったキムチチーズ餅。家庭でも簡単に再現できる創意工夫が光る料理です。
●材料(目安)
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切り餅
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キムチ
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ピザ用チーズ
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焼きのり
●作り方
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餅の上にキムチとチーズをのせる
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トースターで10分ほど焼く
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焼き上がったらのりで巻いて完成
ピリ辛とコクが合わさり、おやつにもおかずにもなる一品です。こうしたまかない料理からも、老舗店ならではの食材の使い方と味付けの知恵が感じられました。
漁師飯と老舗の味、そして地元の人の知恵が詰まった一日。木更津の魅力が料理を通じて伝わってくる内容でした。
茨城県龍ケ崎市のプリン専門店と生姜焼きご飯
茨城県龍ケ崎市は、20年以上にわたりコロッケによるまちおこしに取り組んできた地域です。市内には特製羊肉コロッケや米粉クリームコロッケといった、地元の食材や工夫を凝らしたバリエーション豊かなコロッケが並び、訪れる人を楽しませています。
その中で今回番組が訪れたのが、「Hajimemo Pudding(はじめもプリン)」というプリン専門店。このお店では、押木養鶏場が育てるブランド卵「紅孔雀」の黄身だけを使用した濃厚なプリンを販売しています。紅孔雀は卵黄がしっかりとしており、プリンにしたときにコクと風味が格別です。お店の可愛らしい雰囲気とこだわりの素材が、地域でも話題を集めています。
番組スタッフが店主・酒井さんの自宅を訪ねると、温かい家庭料理が並ぶ食卓が広がっていました。この日の昼ごはんは、豚ロースの生姜焼きが主役。手間をかけて丁寧に仕込まれた一品で、家庭の愛情が感じられる料理でした。
●材料(目安)
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豚ロース肉(しょうが漬け)
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生姜(すりおろしまたは千切り)
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醤油
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みりん
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酒
●作り方
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豚ロース肉に生姜、醤油、みりん、酒を混ぜたタレで下味をつけておく
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フライパンでしっかり焼き色がつくまで焼く
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焼き上がりに、残ったタレを絡めて照りをつけて完成
仕上げに追い生姜をかけることで香りと辛味が引き立ち、ご飯が進む一皿に仕上がっていました。
副菜も手作りで、家庭らしい温もりが伝わる内容でした。
●塩昆布キャベツ
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キャベツを手でちぎり、塩昆布を加えてもむだけの簡単副菜
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塩昆布のうま味でキャベツの甘みが引き立ち、箸休めにぴったり
●しめじと豆腐の味噌汁
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鍋にしめじ、長ネギ、顆粒だし、水を入れて加熱
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火が通ったら味噌を加えて仕上げ
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きのこの香りと豆腐のやさしい味わいが身体に染みわたる一品
●トマトのカプレーゼ風
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トマトをスライスし、チーズと一緒に盛り付け、オリーブオイルをひとたらし
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爽やかさとコクが楽しめる、見た目にも華やかなサイドディッシュ
さらに家族についての話も紹介され、酒井さんの夫・一(はじめ)さんは「しゃんしゃん」という店も営んでおり、コロナ禍をきっかけに店舗で提供していたプリンを商品化し、専門店を始めることにしたとのことです。逆境の中で生まれた挑戦が今の店舗につながっており、家族で支え合いながら運営している様子が伝わってきました。
また、息子さんの樹一(じゅいち)さんは「竜ヶ崎子どもミュージカル」に所属し、役者になることを夢見て日々努力を続けているとのこと。地域の文化活動にも積極的に関わる一家の姿勢が印象的でした。
この日の放送では、手作りの温かさ、素材へのこだわり、家族の絆と地域への思いが一体となった、龍ケ崎市らしい素朴で豊かな昼ごはんが描かれていました。家庭の味には、外食とは違った深い物語と愛情が詰まっていることを、あらためて感じさせてくれる内容でした。
埼玉県本庄市の農家夫婦が育む昼ご飯
埼玉県本庄市は、利根川の流域に位置し、豊かな水と肥沃な土に恵まれた農業地帯です。中でも「児玉なす」は皮が薄く、漬け物に最適な特産品として知られています。今回の『昼めし旅』では、そんな本庄市で農業に励む人々の食卓を訪ねました。
団長安田さんが最初に声をかけたのは、農作業の合間に休んでいた80歳の男性でした。元郵便局員で、今は趣味で家庭菜園を続けているそうです。野菜の中には育ちすぎて花が咲いてしまったものもあり、それを刈り取っていたとのこと。「ご飯は隣の若い夫婦の方が見ごたえあるよ」と勧められた団長は、隣家を訪ねることに。
若夫婦はビニールハウスでキュウリを栽培しており、ちょうど破れてしまったビニールの補修作業中でした。雨が降る前に修理を終わらせようと、手際よく作業する様子が印象的でした。2人の娘さんも農作業を手伝っていて、つるの間引きや草取りといった大切な作業にも参加しているとのこと。家族一丸で畑を守っている様子が伝わってきました。
昼ご飯は、作業の合間に簡単に食べられるものが中心です。この日のメニューは、直売所で購入したコロッケ弁当とチーズカレーを夫婦で半分こして食べていました。
●メニュー内容
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コロッケ弁当(揚げ物中心のおかずとご飯)
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チーズカレー(とろけるチーズが乗ったレトルトカレー)
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前日の夕飯の残りの鶏の唐揚げ
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畑で出た規格外品を使ったキュウリの塩もみ
●キュウリの塩もみの材料と作り方
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規格外のキュウリ(収穫時にはじかれたもの)
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塩
●作り方
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キュウリを薄くスライスして塩でもむ
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水分が出たら軽くしぼって器に盛る
手間をかけずにすぐに作れる、農家ならではの副菜として重宝されています。また、キュウリと鶏肉を使ったケチャップ和えも家族の人気メニューとのことで、後日その完成写真を番組スタッフに送ってくれたそうです。
奥さんは、「たまに話に夢中になってしまって、気づくと自分だけで全部食べていたこともある」と笑っていたとのことで、日々の忙しさと温かさがにじむエピソードでした。
さらに、2人は本庄市が主催する婚活イベントの農業体験がきっかけで知り合い、結婚に至ったという素敵な出会いのエピソードも紹介されました。都会から地方へ嫁ぎ、家族で農業を支えるという暮らしは、今の時代にも新しい価値を感じさせてくれます。
娘さんのひとりは、取材を終えた番組スタッフにイラスト入りの手紙をプレゼントしてくれたそうで、家庭のあたたかさが強く伝わる印象的なシーンでした。
本庄市での日常の食卓には、地元でとれた食材を無駄なく活かす知恵と、家族の協力と優しさがあふれていました。決して豪華ではないけれど、心のこもった食事と暮らしの豊かさを感じさせるエピソードとなりました。
北海道札幌市の市場まかないと豪華海鮮
北海道札幌市にある札幌場外市場は、札幌中央卸売市場に隣接し、道内各地から届く新鮮な海産物が並ぶ人気の観光スポットです。今回の『昼めし旅』では、この市場を舞台に、働く人たちのまかないご飯を訪ねました。
最初に訪れたのは「岩本商店」。厚岸産のホタテを紹介してくれましたが、この日はすでに昼食を済ませているということで取材は見送りとなりました。
次に向かったのが、カニの卸問屋「マルサン三上商店」。ここには「札幌市場めし まるさん亭」という食堂が併設されており、店頭では豪華な海鮮丼やカニたっぷりの「かに汁」が提供されています。かに汁は具材を惜しげなく使った赤字覚悟の逸品で、多くの観光客が目当てに訪れる人気店です。
さらに、今回は市場で働くスタッフたちのまかない料理も紹介されました。どれも朝のうちに仕込んでおき、各自のタイミングで温めて食べられるようにしているとのことで、働く人たちの生活に寄り添ったスタイルが印象的でした。
●サメガレイの煮付け
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サメガレイ(切り身)
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ゴボウ(斜め薄切り)
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昆布(細切り)
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醤油
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砂糖
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みりん
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酒
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水
●作り方
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鍋に調味料と水を入れて火にかけ、沸騰したらゴボウと昆布を加える
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サメガレイを重ならないように並べ、落とし蓋をして煮る
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汁気が半分くらいになったら火を止めて完成
魚の身はふっくら、ゴボウと昆布に煮汁の旨味がしみ込んだ定番の煮付け料理です。
●もやしとホウレンソウのナムル
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もやし
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ホウレンソウ
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ごま油
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塩
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白ごま
●作り方
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もやしとホウレンソウをそれぞれさっと茹でて水気を切る
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ボウルに入れて、ごま油・塩・白ごまで和える
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冷蔵庫で冷やして完成
さっぱりとした味わいで、どんな主菜にも合う副菜として定番の一品です。
●しめじとわかめの味噌汁
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しめじ
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乾燥わかめ(戻しておく)
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顆粒だし
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味噌
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水
●作り方
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鍋に水と顆粒だしを入れ、火にかける
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沸騰したらしめじとわかめを加え、火を通す
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火を止めてから味噌を溶き入れて完成
海の香りがやさしく漂う、ホッとする味噌汁で、どの料理ともよく合います。
このようなまかないが用意されており、社員は各自のタイミングで白飯を盛り付けて自由に食べられる仕組みです。中には「カニが好きで入社した」という社員もいて、大盛りのご飯と共にまかないを楽しんでいる姿が紹介されました。まかないからも、北海道の食文化と市場で働く人々の誇りが伝わってくる内容でした。
今回の『昼めし旅』は、旬の素材と人の温かさが伝わる回となりました。アサリ、プリン、キュウリ、カニ……どれもその土地の人々の工夫と愛情が詰まった一皿でした。普段の生活のなかにある“ご飯”が、これほどまでに多様で深いものだと感じさせてくれる内容でした。全国のご飯には、その土地の物語がぎゅっと詰まっています。
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