ZIP!特集「ラーメン界の三大新勢力」行列の先にある“旨さの革命”とは?
寒さが深まる季節、湯気立つラーメンが恋しくなる人も多いはず。けさの日本テレビ「ZIP!」では、そんなラーメン界に今起きている“新勢力のうねり”を徹底取材。これまでの「豚骨」「味噌」「醤油」に加え、ここ数年で誕生した新しい3つの流れが、全国のラーメンファンの心を熱くしている。
それが「台湾ラーメン」「和え玉」「昆布水つけ麺」。どれもSNSを中心に話題が広がり、行列店が続出しているという。渋谷、蒲田、文京区…いずれも東京のラーメン激戦区。そこに生まれた新潮流の背景には、職人たちの“味への哲学”があった。
名古屋発「矢場味仙 TOKYO」渋谷で行列を生む辛うまの秘密
平日の昼前、渋谷・宇田川町の交差点近くに長蛇の列。その先にあるのが、今月3日にオープンしたばかりの「矢場味仙 TOKYO」だ。名古屋では知らない人のいない人気店「味仙(みせん)」の姉妹ブランド。開店からわずか数週間で、昼夜問わず満席が続くほどの人気となっている。
客のほとんどが注文するのが、看板メニューの「台湾ラーメン」。真っ赤なスープにニンニクと唐辛子がたっぷり浮かび、見るからに刺激的な一杯だ。辛さの中にもしっかりとした旨味があり、「辛いのに箸が止まらない」とリピーターが後を絶たない。
この店を運営しているのは、味仙創業者夫婦の長女・郭汪蘭さん。名古屋市内で営業する兄弟店(今池本店、新橋駅前店、神田西口店など)はそれぞれ兄弟が経営しており、同じ“味仙”の看板でも味付けは微妙に異なる。矢場味仙はその中でも特に“パンチの強さ”で知られており、唐辛子とニンニクの量を絶妙に増やすことで、よりインパクトのある辛さを実現している。
そもそも台湾ラーメンは、約60年前に台湾名物『担仔麺(タンツーメン)』を日本人の味覚に合わせて辛くアレンジしたのが始まり。愛知県内では「名古屋めし」の代表格として知られ、コンビニのカップ麺や冷凍食品でも人気を集めている。
ZIP!では、渋谷で食べたお客さんの「本場の味が東京で食べられるとは」「ニンニクが効いていてクセになる」との声も紹介されており、今後“矢場味仙ブーム”が全国に広がる兆しを見せている。
替え玉に代わる新提案!「和え玉」が広げるラーメンの楽しみ方
第2の新勢力として紹介されたのが「和え玉」。東京・蒲田の「NIBOSHI MANIA」では、開店前から人が並ぶほどの人気ぶりだ。
まずは濃厚な煮干しラーメンを食べ終えたあと、「替え玉をお願いします」と言う代わりに注文するのが「和え玉」。見た目は替え玉のようだが、最大の違いは“スープに入れない”こと。器の底には特製のタレと香味油が敷かれ、麺と絡めてそのまま食べる。タレの香ばしさと煮干しの旨味が混ざり合い、まるでラーメンとまぜそばのハイブリッドのような味わいになる。
和え玉文化のルーツは、茨城県つくば市の煮干中華ソバ イチカワ。ここでは大盛りを提供していなかったため、「もう少し食べたい」というお客さんの声に応える形で、味付き麺を追加提供したのが始まりだった。これがSNSで話題となり、全国の煮干し系ラーメン店に広がっていった。
今では首都圏を中心に200〜300店が和え玉を提供しており、「亀戸煮干中華蕎麦 つきひ」では日替わりで6種類の和え玉を用意。黒酢やカニ味噌、煮干油などの変化球も人気だ。
ZIP!の取材によると、「NIBOSHI MANIA」では毎日スープを極限まで煮詰め、旨味を凝縮させている。濃厚スープを味わった後に、軽やかな“和え玉”で締める。このバランス感が多くのファンを虜にしているという。煮干しラーメン文化の成熟とともに、和え玉は“第二の主役”として確実に定着しつつある。
美しすぎると話題!「昆布水つけ麺」の進化が止まらない
第3の勢力としてZIP!が紹介したのが「昆布水つけ麺」。文京区の人気店「麺屋鈴春」では、午前11時の開店前からすでに100人もの行列ができていた。
透明な昆布水に美しく整えられた麺が浸され、その上にレモンや塩が添えられた一皿は、まるで和食の懐石料理のよう。スープに浸けずにまずはそのまま一口。昆布の優しい旨味と麺の風味を直に感じることができる。その後、塩やレモンを加えて味の変化を楽しみ、最後にスープに浸して完成する流れが定番だ。
昆布水つけ麺の魅力は、見た目の美しさとヘルシーさ。脂っこさが少なく、女性客や健康志向の人にも人気が高い。SNSでは「#美しい麺」「#昆布水つけ麺」で多くの投稿が寄せられ、写真映えすることでも話題となっている。
また、六本木の「富喜製麺研究所 六本木店」も紹介された。ここでは熊本・阿蘇の伏流水を使用し、湯通し後の麺を氷水で丁寧に締めながら、指先で一本一本整えるという職人技が披露された。器に盛り付けたあと、とろみのある昆布水を注ぐことで、麺が艶やかに輝く。この繊細な工程が“圧倒的ビジュアル”を生み出しているのだ。
グルメサイト『ぐるなび』で検索すると、全国で150店舗以上が「昆布水つけ麺」を提供。今や一大トレンドとして定着している。
スタジオコメントと“ラーメン進化系”のこれから
スタジオでは、井ノ原快彦さんが「昆布水のつけ麺、僕もとかしたいです」と興味津々にコメント。本上まなみさんは「台湾の辛そうなおそばも美味しそう。これから寒くなるので」と語り、三者三様の魅力をそれぞれ楽しみにしていた。
辛さで身体が温まる台湾ラーメン、香ばしい煮干し香る和え玉、そして見た目の美しさで魅せる昆布水つけ麺。いずれも“味+体験”の要素を持ち、ラーメンが単なる食事から“エンターテインメント”へと進化していることを象徴している。
この記事のまとめ
・名古屋発「矢場味仙 TOKYO」が渋谷に登場。辛さと旨味のバランスで人気爆発
・茨城発祥の「和え玉」が首都圏200店舗に拡大。煮干し系の新定番に
・「昆布水つけ麺」は“美しすぎる麺”としてSNSで大流行中
ラーメンは、時代に合わせて常に形を変える料理。辛さ、香り、そして美しさという三方向から生まれた新勢力は、食文化の進化を映し出している。次に行列の先で出会う一杯が、あなたの“新しいお気に入り”になるかもしれない。


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