街録ZIP!リアルレビュー「実りの秋 行ってよかった全国の朝市」
秋といえば紅葉や食欲の季節ですが、いま静かに人気を集めているのが「朝市めぐり」。日本各地で早朝から新鮮な食材と地元グルメを求めて人が集まり、週末は観光スポットのような賑わいを見せています。
けさの【街録ZIP!リアルレビュー】では、「実りの秋 行ってよかった全国の朝市」をテーマに、全国の人気朝市をランキング形式で紹介。番組では、地元の人々の温かさや旬の味覚、そしてSNSで広がる“朝活グルメ文化”にも注目しました。
特に「#朝市」「#朝ごはん旅」「#ローカルグルメ」などのタグがInstagramで合計28万件を超える投稿数となり、若い世代を中心に“映える朝ごはん”を探す旅がブームになっています。
第4位 神奈川・三浦市 三崎朝市 ― 早朝5時からマグロづくしの港町グルメ
第4位に登場したのは、神奈川県三浦市の三崎朝市。国内でも有数のマグロの水揚げ量を誇る三崎漁港のすぐ裏手で、毎週日曜の午前5時から開催される名物朝市です。
空がまだ薄暗い時間帯から、漁師や地元の人、そして観光客が続々と集まり、漁港の広場はまるでお祭りのような活気に包まれます。市場の中では、塊のマグロから切り身、加工品まで多彩な商品が並びます。特に注目は、テイクアウトで楽しめる“マグログルメ”。
人気No.1は、セブンシーズの『三崎港まぐろトロちまき』(500円)。横浜中華街「重慶飯店」の元料理長が味付けを担当し、天然メバチマグロの脂の甘みともち米の香ばしさが絶妙な一品です。さらに、「マグロフライ」や「三崎マグロ角煮入り 沖縄そば」など、まさに“マグロ三昧”。
朝5時に行列ができる理由は、鮮度はもちろん、どの店もリーズナブルで気軽に味わえること。昨年の来場者は約5万人を突破し、県外からの観光客も年々増加しています。最寄りは京急線の三崎口駅。朝市後は港を散歩しながら、潮風とコーヒーを楽しむ人の姿も。三崎はまさに“早起きが得するまち”として注目されています。
第3位 静岡・東伊豆町 東伊豆まち港の朝市 ― 金目鯛と味噌汁で贅沢朝ごはん
第3位に輝いたのは、静岡県の東伊豆まち港の朝市。開催場所は稲取漁港近くの東伊豆町役場隣の駐車場で、毎週土曜・日曜・祝日の朝から地元の人で賑わいます。
この地域は「稲取キンメ」のブランドで知られる金目鯛の一大産地。会場では鮮魚や干物、地元の特産品に加え、観光客が楽しめる“その場グルメ”が豊富です。
番組で紹介されたのは、はな丸水産の『キンメの釜めし』(800円)。炊きたてのご飯に、脂がのった金目鯛のほぐし身がたっぷり。香ばしい出汁の香りが漂い、見た目からして贅沢な一品です。そして最大の魅力は、これを注文した人に“おかわり自由”のキンメ味噌汁が無料でつくこと。大きな金目のアラが入った味噌汁は、旨味が濃く、朝の冷えた体に染み渡ります。
さらに、おしゃれな屋台「umihana base」では、地元魚介を使ったカフェ風の軽食が楽しめるなど、若者にも人気が広がっています。昨年はおよそ6万人が訪れ、観光と食が一体化した“週末の朝旅スポット”として注目を集めています。金目鯛を使った商品は持ち帰り用にも人気で、家族や友人へのお土産にもぴったりです。
第2位 宮城・名取市 ゆりあげ港朝市 ― 東北の海と人情が生きる市場
第2位は宮城県名取市のゆりあげ港朝市。震災後の復興を経て、いまや地域の象徴ともいえる人気スポットになっています。閖上漁港のそばにある広場に常設され、日曜と祝日の午前6時〜13時に営業。東北の海の幸を求めて、地元客から観光客まで多くの人が訪れます。
カニ、ホタテ、牡蠣、そして名物の海鮮丼など、並ぶ商品はどれも鮮度抜群。中でも人気なのが、隣接する“ろばた焼きコーナー”。その場で購入した魚介を自分で焼いて味わえるスタイルで、香ばしい煙が立ち上る中、笑顔があふれる朝市ならではの光景です。
また、スイーツ部門では南蛮屋の『わらび餅』(300円)が紹介されました。柔らかくとろけるような食感と、優しい甘さが評判で、地元の人が「これを食べないと朝市は始まらない」と語るほど。寒い季節には、地元の名物名取せり鍋やどんどん焼き、メンチカツなども登場し、まるで秋の祭りのような雰囲気です。
この朝市は、被災地の復興と地域の交流を象徴する存在でもあり、「行ってよかった」以上に「また行きたい」と思わせる温かさに満ちています。
第1位 岐阜・高山市 飛騨高山宮川朝市 ― 四季を味わう“日本の原風景”
堂々の第1位は、岐阜県高山市の飛騨高山宮川朝市。江戸時代から続く歴史ある朝市で、観光客はもちろん、地元の人々の日常の市場としても愛されています。場所はJR高山駅から徒歩10分、宮川沿いの通りにおよそ40店舗が軒を連ね、毎日朝7時〜正午まで営業。
ここでは季節の野菜や果物、漬物、味噌、工芸品などがずらり。秋は特に紅葉を背景にした市場の風景が美しく、外国人観光客にも人気です。
そして訪れた人の多くが目当てにするのが、飛騨こって牛の『トロさしにぎり』(1200円)。軽く炙った飛騨牛をシャリの上に乗せた寿司で、とろける脂の旨味が絶品。屋台の前には行列ができ、手に取った瞬間に湯気と香ばしい香りが漂います。
そのほか、手焼きのせんべい、地元の味噌を使ったおにぎりなど、ほっとする味もたくさん。お店の人との何気ない会話も楽しみのひとつで、旅情を感じる“朝の日本”を体験できます。
スタジオトークとまとめ
スタジオでは、出演者たちが「朝市といえば野菜のイメージだったけれど、いまはグルメがすごい!」と驚きのコメント。勝浦朝市で取材をした鳥海高太朗さんも「どの朝市も地域の人の温かさと旬のエネルギーを感じました」と振り返りました。
共通していたのは、どの市場にも“地元の誇り”と“人とのつながり”があること。朝の空気の中で味わう食べ物は、どんな高級レストランにも負けない“特別なごちそう”です。
この記事のポイント
・三浦市の三崎朝市ではマグロ料理が大人気、名物『まぐろトロちまき』が話題
・静岡の東伊豆まち港の朝市では金目鯛の釜めしと味噌汁がセットで満足度抜群
・宮城のゆりあげ港朝市は復興とともに歩む“東北の心”を感じる市場
・岐阜の飛騨高山宮川朝市は歴史と文化が息づく日本を代表する朝市
・SNSで「#朝市めぐり」投稿数28万件、秋の旅トレンドとして注目度上昇中
朝市は、単なる“買い物の場”ではなく、その土地の季節と人を感じる小さな世界。
秋の空気を胸いっぱいに吸いながら、地元の旬をその場で味わう——それこそが、今の時代に求められる“心の贅沢”なのかもしれません。
次の週末、早起きして出かける旅先に、あなたも「朝市」を加えてみませんか?


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