「妻はなぜ死んだ?」疑惑だらけの事件から見える真実と現実に迫る話
2025年11月18日放送のザ!世界仰天ニュースは、前半は思わず笑ってしまうような“日常の珍事件”が連発し、後半は一転して重く深いテーマである朴鐘顕事件へ踏み込む、振り幅の大きい2時間でした。
どのエピソードも人間らしさがあふれ、思わず「こういうことあるよね」と頷くものから、「こんな事件が実際にあったのか…」と息をのむものまで盛りだくさんでした。
【ザ!世界仰天ニュース】完全犯罪はなぜ崩れた?保険金とアリバイで夫殺害した妻の衝撃10年|2025年6月17日放送
パンツ一丁で帰宅せざるを得なかったママの必死すぎる日常
オープニングの再現ドラマでは、2019年8月に起きた「ワイドパンツが自転車のチェーンに絡まる事件」が紹介されました。
ワイドパンツは風でひらひらしやすいため、自転車とは相性が悪いと言われることもありますが、この主婦の方はまさに“その瞬間”に遭遇してしまいました。
チェーンにガッツリ絡まってしまい、どうにも取れない。
無理に引っ張ると危ない。
結果、パンツを脱いで家に駆け込むしかなかったという、必死さが伝わるエピソードでした。
ちょっとした服装の選択が、こんな大事件につながるなんて思いもしない…そんな“あるあるの延長線上”にある話として、多くの視聴者が共感したのではないでしょうか。
トイレを我慢しすぎた結果…前歯を失う大惨事
続いて紹介されたのは、東京国際空港(羽田)で働く女性の話。ラウンジスタッフとして多忙な勤務をこなしながら、尿意を我慢してしまった結果、帰宅後に倒れ、前歯を折ってしまうという衝撃の出来事でした。
「あと少し」「家まで我慢できる」
つい誰もが思ってしまうものですが、体は正直です。
健康にも危険があるということを改めて感じさせるエピソードでした。
Travis Japanのエピソード
続いてはスタジオトーク。テーマは“バカバカしいけど忘れられない出来事”。
七五三掛龍也は、音楽番組に出演した際に「チャック全開」のままだったという赤面エピソードを披露。本人が語るからこそ、その恥ずかしさが自然と伝わってきてスタジオに笑いが広がりました。
中村海人の「トイレットペーパー2個注文したら段ボール2箱届いた」話も強烈でした。ネット通販の“思わぬトラップ”は、誰もが経験したことがあるだけに、身近さがありました。
さらに大沢あかねが、夫である劇団ひとりの迷惑行為を明かし、ここでも笑いが起こるなど、前半はとにかく軽快でテンポよく進んでいきました。
帽子が縮んでしまっただけで…予想外の大ケガに
大阪市の女性が、縮んでしまった帽子を無理やりかぶろうとした結果、頚椎の筋肉を損傷するという出来事も紹介されました。
帽子が縮むなんて、大抵は「入らないだけ」で済む話のはず。
それがまさかのケガに発展するとは本人も想像していなかったはずです。
日用品でも、使い方ひとつで思わぬ事故が起こり得るということを改めて感じさせる再現ドラマでした。
番組の空気が一変…世間を揺るがせた朴鐘顕事件へ
ここから番組は一転して、重いテーマに切り込みます。
後半の中心となったのが、講談社の編集者だった朴鐘顕が妻を殺害した容疑で逮捕された事件です。
事件発生は2016年8月9日。
この日、東京消防庁に救急要請が入り、救急隊が現場へ向かいました。
妻は搬送された病院で死亡が確認されます。
その場で朴が語った最初の言葉は、「階段から落ちたことにしてほしい」。
これが、事件の“違和感”の始まりでした。
供述は揺れ動き、状況はより複雑に
朴はその後の事情聴取で「包丁を持った妻ともめた」と話し、自身の腕には擦り傷がありました。
しかし二度目の聴取では、「自殺した」と供述を変更します。
短期間のうちに説明が変化したことが、捜査側の疑惑を大きく深める結果となりました。
実況見分では、階段に血痕や尿が残されていましたが、司法解剖の結果は「頸部圧迫による窒息死」。
さらに、第三者侵入の形跡もなし。
これらの状況を踏まえ、検察側は殺人を主張。
一方で弁護側は、あくまで妻の自殺だと主張し、裁判では両者のストーリーが完全に食い違う形となりました。
朴鐘顕という人物の素顔
朴は大阪府堺市生まれの在日3世で、京都大学法学部を卒業したエリート。
講談社では少年漫画雑誌の編集者として、多数の人気マンガを担当し、41歳で編集次長に就任していました。
家庭では4児の父でもありましたが、育児は妻に任せきりになっていたとされています。
仕事も家庭も、激しい負担がかかっていた時期だったのではないか、と番組では背景をしっかり伝えていました。
裁判は長期化し、二転三転する展開
2019年2月の初公判で懲役11年の判決が下されましたが、朴はこれを不服として控訴。
しかし控訴審でも判決は変わらず、さらに進んだ最高裁では判決を東京高等裁判所へ差し戻し。
まさに「結論が読めない事件」として、長い期間にわたり注目を集め続けました。
そして2024年7月18日、差し戻し控訴審にて有罪が確定しました。
海外でも取り上げられたほどの注目事件
この事件は国内だけでなく、海外メディアも検証番組を制作するほど注目されました。
証拠開示をめぐる議論、裁判の在り方、供述の信頼性――多くのテーマが絡み合った事件であり、番組でも弁護士である森詩絵里が分かりやすく解説を行いました。
服役中の朴から番組に届いた手紙
番組の最後には、現在服役中の朴本人から寄せられた手紙が紹介されました。
出所後は、母親が育てている子どもたちとの生活を望んでいるという内容で、事件がいかに家族の人生に重い影を落としているのかが、静かに伝わってくるものでした。
まとめ
今回のザ!世界仰天ニュースは、前半の“クスッと笑える”日常のトラブルと、後半の“人の人生を変えてしまう重大事件”という、強烈な対比が印象的な回でした。
特に朴鐘顕事件は、供述、証拠、裁判の過程など、多くの謎と議論が続いた上での確定判決であり、視聴者に深い余韻を残しました。
日常の中に潜む小さな危険から、司法の世界にある大きな課題まで、「人が生きること」にまつわる多様な問題を考えさせられる放送回だったと言えます。


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