赤と黒の奇岩が語る大地の物語
果てしない荒野にそびえるパーヌルル国立公園。赤と黒の縞模様をまとった奇岩が連なり、太陽の角度で色を変えながら、数億年の記憶を静かに語りかけてきます。
狭い谷に差し込む一筋の光は、大地が秘めてきた物語を照らし出し、訪れる人を別世界へ誘います。
このページでは『世界遺産「オーストラリア〜赤と黒の縞模様をまとった奇岩の絶景」(2月1日)』の内容を分かりやすくまとめています。
パーヌルル国立公園とは?場所と世界遺産の基本情報
舞台となるパーヌルル国立公園は、オーストラリア北西部・キンバリー地域の奥地に広がる世界遺産です。
州都パースからははるか遠く、内陸の町・KununurraとHalls Creekの間に位置し、まさに「陸の孤島」といえる場所にあります。
公園の面積は約24万ヘクタール。うち、シンボルとなっているバングル・バングル山脈(Bungle Bungle Range)は約4万5千ヘクタールにわたり、蜂の巣のような奇岩群と深く刻まれた渓谷が一面に広がっています。
この独特の景観が評価され、2003年に世界遺産として登録されました。
番組タイトルにある「赤と黒の縞模様をまとった奇岩」とは、このバングル・バングル山脈のこと。オレンジ色の大地から、無数のドーム状の岩がにょきにょきと立ち上がる姿は、キンバリーを象徴する絶景として、オーストラリア観光のアイコンにもなっています。
このページでは『世界遺産「オーストラリア〜赤と黒の縞模様をまとった奇岩の絶景」(2月1日)』の内容を分かりやすくまとめています。番組で映し出されるダイナミックな空撮映像や、地上から見上げる迫力のあるカットを思い出しながら読んでいただくと、より臨場感が高まります。
赤と黒の縞模様の奇岩「バングル・バングル」の秘密
番組の主役である赤と黒の縞模様の奇岩群は、バングル・バングル山脈と呼ばれる砂岩の台地が、数千万年にわたる浸食を受けて生まれたものです。
ドーム状の岩肌には、オレンジ〜赤色の帯と、黒っぽい帯が交互に走っています。
・赤い部分…砂岩に含まれる鉄分が酸化した層
・黒い部分…湿り気の多い層に繁殖したシアノバクテリア(藍色細菌)の帯
この二つが積み重なることで、まるで縞模様のタマネギのような不思議なパターンが生まれています。
もともとの砂岩は、約3億5千万年以上前に堆積した砂や礫が固まったものと考えられています。そこに川の流れや豪雨、乾季の強烈な日差し、風による浸食が長い時間をかけて作用し、現在のような蜂の巣状のドーム地形を形づくりました。
バングル・バングルのドームは高さ200〜250メートルにも達し、地上から見上げると、壁のようにそびえ立つ巨人の群れに囲まれているような感覚になります。
番組では、広大な奇岩群を真上からとらえた映像と、足元から見上げた接近カットを交互に見せることで、このスケール感のギャップを印象的に伝えているはずです。
夕暮れどきになると、岩肌の色はさらにドラマチックに変化します。紫や深紅、オレンジのグラデーションが縞模様を染め上げ、影の伸び方によってドームの輪郭が際立ちます。こうした光と影のショーも、この世界遺産の大きな見どころです。
極細の谷と光のショーがつくる圧巻の絶景体験
番組の中盤では、「幅わずか数メートルの極細の谷」が紹介されます。これは、パーク北側にある**エキドナ・キャズム(Echidna Chasm)**や、南側の渓谷群をイメージさせるシーンです。
エキドナ・キャズムは、高さ約200メートルの岩壁が垂直に立ち上がる、スリット状の谷です。場所によっては、幅1〜2メートルほどしかないところもあり、まさに「岩の迷路」のような空間が続きます。谷底を歩いていくと、頭上にはヤシの木がしがみつくように生え、その隙間から差し込む光が、時間とともに壁面を移動していきます。
正午前後になると、上空からの直射日光が縦穴を通って谷底に差し込み、オレンジ色の岩肌が内側から灯ったように輝きます。番組では、この瞬間を狙って撮影し、暗い谷底から見上げた視点で、「光の柱」が落ちてくる様子を強調していると考えられます。
一方、公園南側には、象徴的なドーム群に囲まれた**カテドラル・ゴージ(Cathedral Gorge)**があります。ここは自然がつくった巨大な円形のホールのような地形で、音がよく反響することから「岩の大聖堂」と呼ばれています。
・ドーム群の間を抜ける「ドーム・ウォーク」
・渓谷の奥へと続くピッカニニー・クリーク(Piccaninny Creek)沿いのトレイル
・見晴らしの良いルックアウト(Piccaninny Creek Lookout など)
こうしたルートを組み合わせることで、視界いっぱいに奇岩が広がる「空撮級の眺め」を、徒歩でも体感できます。
番組のカメラは、荒野を進むトラッキングショットから、いきなり狭い谷の内部へ切り替え、さらにドローンによる上空からの俯瞰へと飛ぶことで、パーヌルルの「外の広さ」と「内側の密度」を対比させているはずです。
アボリジナルが守り継いだ聖地としてのパーヌルル
パーヌルル国立公園は、先住民アボリジナルにとって、何万年にもわたって祈りを捧げてきた聖地です。
この地の伝統的所有者は、ギジャ(Gija)族とジャル(Jaru)族であり、彼らは今もなお、この古い大地と深く結びついた生活と精神文化を守り続けています。
公園内のあちこちには、岩絵や手形のステンシル、顔料をすりつぶした跡などが残されており、狩りや採集をしながらこの一帯を移動してきた人びとの営みが刻まれています。
バングル・バングルの蜂の巣状の山々には、いくつもの**ドリーミング(創世神話)**が語り継がれています。一つの伝承では、部族同士の争いによって生まれた子どもたちが山になったとされ、夜空へ昇った精霊が地上の砂を持ち上げて今の姿にした、と説明されます。
近年では、ギジャの人々が伝えてきた創世神話「Jirraginy joo Goorrarndal」が初めて公にまとめられ、公園入口にある展示パネルやビジターセンターで紹介されるようになりました。訪れる人々が、この景観の背景にある精神文化を理解できるようにする取り組みです。
番組では、こうしたアボリジナルの物語や歌、絵画などを交えながら、単なる「観光地」ではなく、祈りと物語が今も息づく大地としてのパーヌルルを描き出していると考えられます。ナレーターの語りも、壮大な自然描写だけでなく、そこに重なる文化・歴史を静かに掘り下げるトーンになっているはずです。
行き方と見どころスポット・ツアー情報
パーヌルル国立公園は、アクセスの難しさも相まって、「行くこと自体が冒険」といえる場所です。
陸路で向かう場合は、グレート・ノーザン・ハイウェイから分岐するスプリング・クリーク・トラック(Spring Creek Track)を約53キロ走り、公園の玄関口であるPurnululu National Park Visitor Centreへ向かいます。
この道は、尖った洗濯板状のガタガタ道、岩の段差、砂地、川の浅い渡渉などが連続する本格的な未舗装路で、高い車高の4WD車のみ通行可とされています。普通車や2WDは、レンジャーによって入園を断られることもあるほどです。
公園内には、
・南側のワラルディ(Walardi)キャンプ場
・北側のクラレイ(Kurrajong)キャンプ場
など、簡易設備のキャンプサイトが整備されています。トイレや水場はあるものの、電源はなく、水も煮沸が推奨されるなど、基本は「アウトバック仕様」です。
一方で、時間や体力に限りがある人には、空から奇岩群を一望できる遊覧飛行ツアーや、公園内を歩くガイド付きウォーキングツアーも人気です。パーク内のBellburn Airstripや周辺の町から発着する遊覧飛行では、バングル・バングルのドーム群、エキドナ・キャズム、カテドラル・ゴージなどを一気に俯瞰できます。
ガイドツアーでは、地質学的な解説に加え、ギジャやジャルの人々が伝えてきた物語、植物や動物の暮らし方、乾季と雨季でまったく表情を変える環境の話など、「自然と文化が重なり合う大地」という番組のテーマに直結する内容が語られます。
番組を見たあとに現地を訪れるなら、
・奇岩の縞模様がいちばん立体的に見える朝夕の時間帯
・光の柱が差し込むエキドナ・キャズムの正午前後
・音の反響を体感できるカテドラル・ゴージ
といった時間と場所の組み合わせを意識すると、映像さながらの光景を自分の目で追体験できます。
世界遺産「オーストラリア〜赤と黒の縞模様をまとった奇岩の絶景」は、こうした最新の地質学の知見と、アボリジナルの精神世界、そして過酷で美しいアウトバックの自然を重ね合わせ、パーヌルル国立公園という一つの場所が持つ多層的な魅力を、30分に凝縮して見せてくれる回になりそうです。
放送内容の注意とまとめ
番組内容は事前情報をもとに記載しているため、実際の放送と異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
パーヌルル国立公園の奇岩や谷の光景、アボリジナルの物語など、多層的な魅力をできる限り丁寧にまとめました。壮大な景観と文化が重なる世界遺産として、その奥深さを感じられる内容になっています。
放送後に、確認できた内容を追記してさらに詳しく更新します。


コメント