震災から10年以上、今も人の心をつなぐ漂流POSTの物語
2025年6月30日(月)の深夜、日本テレビ系列で放送される「NNNドキュメント’25『漂流POST〜逢いたい〜』」は、岩手県陸前高田市にある漂流POST(ひょうりゅうポスト)をテーマにした番組です。放送時間は午前1時25分から午前2時20分まで、55分間の放送です。漂流POSTは、2011年の東日本大震災で大切な人を失った方々が、想いを手紙に込めて届ける場所です。震災から10年以上が経った今も、全国から多くの手紙が寄せられています。このポストは、悲しみや想いを受け止め、人々の心のよりどころとして大切にされてきました。
会えなくても届けたい大切な気持ち
SNSやメールが普及している今でも、手書きの手紙だからこそ、素直な気持ちが伝えられると感じる人がたくさんいます。漂流POSTには、震災で家族や友人、恋人などを失った方だけでなく、事故や病気などで大切な人を亡くした全国の人から、千通以上の手紙が届けられています。
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もう一度声が聞きたい
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直接言えなかった「ありがとう」
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あなたをずっと忘れない
こうした想いが、一枚一枚の便せんに込められています。手紙を書くことで、悲しみや後悔、感謝の気持ちを形にでき、少しずつでも前を向く力が湧いてくると感じる方が多くいます。
静かな森の中にひっそり佇む漂流POST
漂流POSTは、岩手県陸前高田市の広田半島の奥、静かな森の中に立っています。市の中心部から車で約30分の場所で、まるで手紙を待つかのように、木々の間にひっそりと佇んでいます。このポストは、2014年に赤川勇治さんが設置しました。赤川さん自身は内陸に住んでいて被災者ではありませんが、震災後の光景を目にして「悲しみを抱えた人たちが気持ちを吐き出せる場所が必要だ」と考えたそうです。
当初は赤川さんの経営する小さな喫茶店に設置され、全国から1000通以上の手紙が集まりました。そこには、伝えられなかった想いや、もう会えない人への言葉がたくさん詰まっています。
慈恩寺に移設され、今も想いを受け止め続ける
2019年、赤川さんが管理を引退することになり、漂流POSTは市内の慈恩寺へと移設されました。現在は古山敬光さんが新たな管理人として、全国から届く手紙を受け取っています。慈恩寺では毎年、手紙を供養する法要も行われています。こうして漂流POSTは、大切な人を想う気持ちを静かに受け止める場所として、今も変わらず大切に守られています。
手紙が生きる力に変わる瞬間
漂流POSTに手紙を書くことで、心が軽くなると語る人もいます。例えば高野慶子さんは、亡くなった息子になりきって手紙を書き、空に想いが届くような気持ちになれたと話しています。直接伝えられなかった言葉や、後悔、感謝の気持ちを手紙にすることで、少しずつ心の整理ができ、生きる力を取り戻すきっかけになる人も多いそうです。
若い世代にもつながる漂流POSTの役割
漂流POSTは、震災を知らない若い世代にも大切なことを伝えています。命の大切さや、家族、友人とのつながり、そして「今を生きる意味」を考えるきっかけになります。静かな森の中にひっそりと佇むこのポストは、訪れる人々の心に寄り添い、これからも変わらず想いを受け止め続けていきます。
坂本美雨さんが語る優しい時間
今回の番組では、坂本美雨さんがナレーションを担当します。坂本さんの優しく落ち着いた語りが、漂流POSTに込められた人々の想いやエピソードを、静かに丁寧に伝えてくれます。震災から10年以上経った今も続く「会いたい」という切実な気持ちと、漂流POSTの不思議な力を、ぜひ番組で感じてください。
放送日時と番組情報まとめ
「NNNドキュメント’25『漂流POST〜逢いたい〜』」は、2025年6月30日(月)午前1時25分から午前2時20分まで、日本テレビで放送されます。放送時間は55分です。震災で大切な人を失った方々の想いと、空にいるあなたと私をつなぐ漂流POSTの物語に、ぜひ耳を傾けてください。
【ソース】
朝日新聞GLOBE+『陸前高田の漂流ポスト 「大切なあの人とつながる」今も届き続ける』
https://globe.asahi.com/article/14055332
note『亡き人へ届ける言葉――岩手県陸前高田市の「漂流ポスト」』
https://note.com/yaandyu0423/n/n95bf6eee912c
毎日新聞『受け継がれる1000通の手紙 「漂流ポスト」10年、管理人が引退』
https://mainichi.jp/articles/20240408/k00/00m/040/297000c
nippon.com『震災による別離の悲しみを無言で受け止める「漂流ポスト」が映画に』
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c030122/
みちのく巡礼物語『亡くなった最愛の人への想いを綴る岩手の漂流ポストが…慈恩寺に移設』
https://ameblo.jp/michinokujyunrei/entry-12890669118.html
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