クマと人の境界が消えた夜に
このページでは『NNNドキュメント’26「クマージェンシー2 〜ヒトとクマ 境界線崩壊〜」(2026年2月2日)』の内容を分かりやすくまとめています。
家のすぐ裏でふと聞こえるガサッという音。その正体がクマかもしれない――そんな現実が日本各地で起きています。
背後から迫る影に気づく間もなく、人々の生活圏へ近づくクマたち。秋田や北海道では、専門職員やハンターが休む間もなく奔走し、崩れた境界線の向こう側で何が起きているのかを追い続けています。
いま私たちは、野生動物と暮らしの距離が変わってしまった時代のただ中にいます。
日本列島をのみ込んだクマージェンシーの実態
2025年、日本各地でクマの目撃と被害が急増し、私たちの生活圏はこれまでにない危険と隣り合わせになりました。住宅街のすぐそばで響く悲鳴、畑が荒らされる朝、学校の通学路に残る足跡――こうした光景が全国で日常のように見られるようになりました。
とくに目撃件数が全国最多クラスとなった秋田県では、季節を問わずクマが人里へと現れ、その頻度はこれまでの常識を超えていました。番組では、この異常な状況を「クマージェンシー」と呼び、日本全体で何が起きているのかを掘り下げています。
秋田県の最前線 専門職員が追う“境界線崩壊”の証拠
秋田県北部では、北秋田市・大館市・鹿角市などを中心に、通勤や通学の時間帯にもクマの姿が確認されています。住民が裏山に洗濯物を干している間に庭へクマが現れることもあり、日常の行動一つひとつに緊張が走っています。
この過酷な現場を支えているのが、自治体のクマ専門職員です。通報を受けると、フンや足跡、爪痕の位置や大きさを細かく調べ、どんな個体が街へ降りているのか、どのルートを使っているのかを綿密に分析します。必要に応じて箱わな・電気柵の設置、スピーカー車による巡回など、一日中対策に走り続けています。
秋田では新しい取り組みとして、AIカメラでクマを自動検知するシステムも登場し、危険な夜間の見回りを減らす工夫も進んでいます。こうした試行錯誤の裏側には、予測不能な行動をとる野生動物との“ギリギリの攻防”がありました。
北海道で続くヒグマとの攻防 命を懸けるハンターたち
北海道では、より大型で強力なヒグマが人々の生活圏に近づくケースが増えています。2025年の人身事故は深刻で、知床半島・羅臼岳の登山道で、若い登山者がヒグマに襲われて命を落とす事件も起きました。
また札幌市の西区・南区などでは、住宅街のすぐ近くでヒグマが繰り返し姿を見せ、市は公園の閉鎖や市街地での緊急銃猟を実施するほどの緊張状態になりました。
こうした現場で命を張って動いているのが地元のハンターです。夜明け前の見回り、出没通報が入り次第の現場急行、危険個体の捕獲まで、一日のほとんどを【クマ】の行動を追い続けています。
「できれば撃ちたくない」という思いと、「人を守らなければならない」という使命の間で揺れながら、彼らは常に厳しい判断を迫られているのです。
崩れたヒトとクマの境界 森と里山で起きている変化
かつてははっきり存在していたヒトとクマの生活圏の境界は、2025年には完全に揺らぎ始めていました。その背景には、気候変動と人間社会の両側からの変化があります。
北海道ではドングリの凶作が広範囲で発生し、山の実りが大幅に減少しました。食べ物を求めたクマが人里へと移動するのは当然の結果で、森の奥だけでは生き抜けない状況に追い込まれていることが分かっています。
さらに、過疎化で手入れされなくなった里山や、放置された果樹、外に置かれた生ゴミやペットフードなど、人間側の生活環境にも原因が潜んでいます。
宮城県では目撃件数が3000件を超え、「保護」と「人命」をどう両立するかという大きな課題が突きつけられています。ヒト側の環境がクマを呼び寄せてしまうという現実が、全国で同時に起きているのです。
私たちが今できること 被害を防ぐための行動と社会の課題
クマが日常の脅威となった以上、対策は自治体だけに任せることはできません。家庭レベルでも、外に食べ物を放置しない、生ゴミをしっかり管理する、家庭菜園の果実を放置しないなどの対策が求められています。
また山や里山に入る際には、フンや足跡などクマの痕跡を見つけたら即座に引き返す判断が必要です。札幌市が提供する「ひぐまっぷ」のような出没情報のチェックも大きな助けになります。
一方で、北海道では春先の個体を計画的に捕獲するなど「科学的な個体数管理」の議論が進み始めています。ハンター不足や市街地対応の難しさなど課題は山積みですが、人命と生態系、その両方を守るための仕組みが求められています。
番組が浮かび上がらせるのは、最前線で戦う人々だけでなく、「野生動物とどう共存していくのか」という社会全体が向き合うべき問いです。クマージェンシーは、一部地域の問題ではなく、日本全体の未来を左右する出来事として私たちの前に迫っています。
まとめ
まとめとして、2025年に各地で起きたクマの異常出没は、私たちの生活がすでに安全圏ではなくなっていることをはっきり示していました。秋田や北海道の現場では、専門職員やハンターが日々奔走し、崩れた境界線の裏側で何が起きているのかを追い続けています。私たち自身の行動が被害を減らす第一歩になることも強く感じられます。なお、この内容は番組の実際の放送と異なる場合があります。放送後に内容を確認し追記します。
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