行者にんにく密着&静岡茶の魅力全開!兵庫の餃子も登場
2025年6月12日(木)放送の『秘密のケンミンSHOW極!』(日本テレビ・21:00~21:54)では、北海道・静岡・兵庫の3県に注目し、それぞれの地域に根付いた食文化や習慣が紹介されました。今回もグルメ情報満載で、全国の視聴者に“ご当地の奥深さ”を伝える内容となっていました。
北海道の山の恵み「行者にんにく」をハンターが採取
番組前半の「KENMIN×HUNTER」では、北海道で春の山菜として親しまれている行者にんにくに密着しました。行者にんにくはニンニクのような強い香りと豊富な栄養をもち、古くから“山のスタミナ源”として知られています。最近では漫画『ゴールデンカムイ』に登場したこともあり、注目度が高まっています。札幌市の「北海市場 屯田店」では、この時期になると新鮮な行者にんにくが店頭に並び、買い物客でにぎわいます。
番組では、北海道内のむかわ町・鹿追町・清水町などを巡り、実際に山へ入って採取を行うハンターたちの姿を追いました。ハンターたちは無計画に採るのではなく、自然環境と植物の成長周期を守るため、数年育った「2枚葉」の行者にんにくだけを選んで丁寧に収穫していました。
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自生地は沢沿いの斜面や日当たりのよい丘陵地
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植物は群生しており、一面に広がる葉は鮮やかな緑色
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採取は短い旬の間だけに限られ、場所の選定も経験が必要
特にむかわ町では、斜面を歩きながら一株一株を確認する慎重な採取の様子が映され、自然への敬意と知識が求められる作業であることが伝わってきました。鹿追町では、なだらかな丘陵地に広がる行者にんにくの群生が紹介され、地域ごとに異なる自生環境も興味深い点でした。
清水町の仲川家では、収穫された行者にんにくを囲んでホームパーティーが開かれ、さまざまな料理に変身しました。
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定番の天ぷらは香りが際立ち、サクサクの衣と相性抜群
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豚バラ巻きは肉の旨みと行者にんにくの辛味がマッチ
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保存食として人気の醤油漬けはご飯が進む味わい
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ジンギスカンに加えることで風味がアップし、北海道らしいごちそうに
行者にんにくに含まれるアリシンは、疲労回復や免疫力向上にも良いとされており、栄養面からも注目されています。
スタジオでは、行者にんにく料理の試食が行われ、出演者たちは「香りが強い」「スタミナがつきそう」といった反応を見せながら、北海道の山の恵みを実感していました。また、冷凍すると香りが飛んでしまうという豆知識も紹介され、鮮度の高いうちに調理することが推奨されていました。
ただし、行者にんにくに似た植物の中には、バイケイソウ・スズラン・イヌサフランなど毒を持つものもあり、誤って食べると中毒を引き起こす危険があることも紹介されました。ハンターたちは見分け方を熟知しており、茎の断面や葉の形、匂いなどで慎重に確認する姿が印象的でした。
行者にんにくは、北海道だけでなく高知県などでも栽培されている例がありますが、野生の香りと力強さは北海道産ならでは。地元の人々にとって、行者にんにくは自然の恵みであり、春を告げる風物詩でもあることが、今回の特集でしっかりと伝わってきました。
静岡のお茶文化は“日常の中に溶け込む誇り”
続いての特集は、静岡県民にとっての「お茶の存在」について。静岡県は全国一のお茶の産地であり、出荷量・作付面積・出荷額すべてでトップを誇っています。
牧之原市は最大級の茶産地として知られ、静岡市の本山地区は最古の茶産地。そして川根本町では、香り高い「川根茶」がブランド茶として多くの人に親しまれています。川根本町のつちや農園では、新茶の収穫が最盛期を迎えており、スタッフたちが手摘みで作業を進めていました。
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静岡県民は「食事中に熱いお茶を飲む」「茶葉を冷凍保存する」など、独自の文化を持っている
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小学校では「お茶の授業」があり、子どもの頃からお茶に親しむ環境がある
静岡産業大学の堀川学長が、お茶と徳川家康の歴史的な関わりを紹介。家康が静岡茶を重宝し、江戸時代には幕府に献上されていたことにも触れられました。また、藤枝市のJAおおいがわ 茶加工課では、新茶の詰め放題イベントが開催され、島田掛川信用金庫では新茶のサービスも行われていました。
さらに、下町グルメとしてラーメン屋「一元本店」では川根茶と抹茶のブレンド茶が提供されており、「やきとり兄ちゃん」では静岡茶を使った“静岡茶割り”が人気とのこと。スタジオでは静岡県出身の深川麻衣さんが自身の地元・磐田市の茶文化について話し、鹿児島県出身の国生さゆりさんが「鹿児島は荒茶の生産日本一」と語る場面もありました。
神戸市の餃子は“味噌ダレ”で味わうのが常識
番組の最後に取り上げられたのは、兵庫県神戸市に根付く餃子の独特な食べ方に関する話題でした。一般的には酢醤油やラー油を合わせて食べる餃子ですが、神戸市ではそこに**「味噌ダレ」**を合わせるのが当たり前という、地域ならではのスタイルが紹介されました。
神戸の中華街・南京町にある「元祖ぎょうざ苑」をはじめ、「長田タンク筋南京町店」、「ギョーザ専門店イチロー」などでは、餃子に添えるタレとして濃厚な味噌ベースの調味料を提供しています。さらに「ぎょうざの店 ひょうたん」では、八丁味噌をベースにしたコク深い味噌ダレが使われており、餃子の風味を引き立てる調味料として定着しています。
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神戸市内には、味噌ダレを出す餃子店が100店舗以上あると言われており、それだけ地域に深く浸透している
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市内で販売されている「神戸餃子味噌たれ」は、年間8万本を超える売上を記録しており、その人気ぶりを物語っています
番組では、南京町の「元祖ぎょうざ苑」の関係者が、味噌ダレ文化の始まりについても触れ、創業者がどのようにこの食べ方を広めていったのかが紹介されました。甘辛い味噌が餃子の皮や具材によく絡み、一口食べると香りと旨みが広がるのが魅力だといいます。
スタジオでは恒例の「餃子&味噌ダレ大試食会」が開かれ、出演者たちが実際に味噌ダレ付きの餃子を試食。香ばしい風味と甘辛い味が絶妙にマッチし、酢醤油とはまた違った奥深い味わいに、皆が驚きを見せました。中でも、神戸出身の山之内すずさんは「餃子といえば味噌ダレ」と語り、神戸で育った人にとってこの食べ方が当たり前であることを実感させられました。
八丁味噌だけでなく、店舗ごとに合わせ味噌や信州味噌などをブレンドして独自の味を出している点も魅力の一つです。神戸の餃子文化は単なるローカルスタイルではなく、多様な味噌と餃子の融合から生まれた個性あるグルメとして評価されています。
この特集では、地域に根ざした独自の食文化が、現在も受け継がれ、多くの人に親しまれている様子が丁寧に描かれており、視聴者にとっても新しい餃子の楽しみ方を知る機会となりました。次に神戸を訪れる際には、ぜひ味噌ダレ餃子を味わってみたくなる内容でした。
まとめ
今回の放送では、北海道・静岡・兵庫それぞれの県民性が色濃く表れた内容となり、食を通して地域の知恵や歴史に触れることができました。次回の放送でも、全国の魅力ある“食と暮らし”に出会えるのが楽しみです。
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