勝村政信が歩く熊野古道と和歌山の魅力
俳優の勝村政信さんが、かねてから訪れたかったという和歌山・那智勝浦へ。世界遺産・熊野古道と三つの熊野三山をめぐる旅を通して、歴史や信仰、食や温泉の魅力がたっぷり紹介されました。神話の舞台や美しい滝、地元グルメ、珍しいスポーツ体験まで、見どころ満載の30分でした。
那智勝浦から始まる信仰と自然の出会い
勝村さんの旅は那智勝浦から始まりました。この地は熊野古道の人気ルートの一つで、海と山が近くにある自然豊かな場所です。
飛瀧神社と那智の滝で感じる自然の神聖さ
最初に訪れたのは飛瀧神社(ひろうじんじゃ)です。ここは熊野那智大社の別宮にあたり、目の前には日本一の落差133メートルを誇る那智の滝があります。この滝は古来よりご神体とされ、社殿ではなく滝そのものを拝むという独特の信仰が今も続いています。滝から立ちのぼる霧と音、しぶきに包まれながら、自然の力を全身で感じられる場所でした。
熊野那智大社の境内と巨木の神秘
続いて熊野那智大社へ。深い森の中に建つ社殿は、朱色が鮮やかで、周囲の緑とのコントラストが美しく映えます。境内には中に入れるほど大きな巨木がそびえ立ち、まるで自然の懐に抱かれているような気持ちになります。歴史を感じさせる石段や社殿の配置、そして静けさの中に漂う神聖な空気が心に残ります。
熊野本宮大社で八咫烏に出会い、信仰の重みを知る
次に向かったのは熊野本宮大社です。ここはかつて大斎原(おおゆのはら)という広い中州に社があった場所で、現在の社殿は移築されたものですが、変わらず熊野信仰の中心地として多くの人々が訪れています。
熊野信仰と多様な宗教の融合
この地では、自然崇拝、神道、仏教、そして修験道が重なり合い、独特の信仰文化が今も生きています。熊野詣として知られる巡礼の文化も、ここ熊野本宮大社を中心に広がったと言われています。
八咫烏とサッカーのつながり
熊野本宮大社では日本サッカーのシンボルマークにもなっている八咫烏(やたがらす)の展示もあり、サッカー好きの人にとっては特別な場所となっています。境内にはサッカー関連の奉納グッズや、お守りなども用意されており、信仰とスポーツが一つに交わるユニークな空間が広がっていました。
戦国武将が使った護符の展示
また、境内では徳川家康や武田信玄といった武将たちが、戦の前に用いた護符(ごふ)も紹介されていました。これらの護符には勝運や安全祈願の意味が込められており、時代を超えて多くの人々に信じられてきた証でもあります。
和歌山の味と温泉で体をほぐすひととき
熊野本宮大社での参拝のあとは、和歌山の“味”と“癒し”にふれる時間となりました。
八咫庵で鎌餅づくりを体験
勝村さんが訪れたのは「八咫庵(やたのあん)」という和菓子店。ここでは和歌山の伝統菓子「鎌餅(かまもち)」の手作り体験ができます。工房では、職人さんの指導のもと、手のひらでこしあんを包み込み、独特の形に整える工程を学びました。あんこの甘さとお餅のやわらかさが絶妙で、素朴ながらも記憶に残る味わいでした。
湯の峰温泉で心も体も温まる
続いて向かったのは「湯の峰温泉」。ここは日本最古の温泉ともいわれ、熊野詣の道中に旅人たちが体を休めた場所として知られています。現在も温泉宿や公衆浴場があり、地元の人々にも愛されています。勝村さんは温泉にゆっくりとつかり、湯けむりの中でリラックスする様子が印象的でした。
珍しいスポーツと地元のお酒で和歌山を味わう
旅の後半では、少しユニークな体験や和歌山らしいお酒との出会いが続きました。
新感覚スポーツ「バスピン」に挑戦
和歌山で誕生したバスピン(バスケットピンポン)というスポーツに挑戦しました。これはバスケットボールと卓球を組み合わせた競技で、ピンポン台の中央に空いた穴をめがけて、ノーバウンドでボールを入れるという新ルールが特徴です。プレイヤー同士の反応の早さや戦略が求められるため、思った以上に頭も体も使うスポーツでした。
梅酒おたのしみ処 うめ子で梅酒の飲み比べ
最後に訪れたのは、田辺市の駅前にある**梅酒専門店「梅酒おたのしみ処 うめ子」**です。和歌山県は梅の生産量全国1位を誇り、ここでは地元産の梅を使ったさまざまな梅酒を試飲できます。
表にまとめると以下の通りです。
銘柄名 | 特徴・味わい |
---|---|
CRAFT LIQUEUR くまの | フルーティでやさしい甘さが広がる |
梅リキュール 星子 | キリッとした酸味があり、すっきりとした後味 |
一梅千日 無糖仕込 | 甘くない分、梅本来のコクと酸味が際立つパンチのある一杯 |
それぞれ個性的な味わいで、甘口から辛口まで幅広く楽しめるのが魅力です。観光のついでに立ち寄るのはもちろん、ギフトやお取り寄せにもおすすめできる逸品ばかりでした。
熊野速玉大社と神倉神社で旅の締めくくり
旅の終盤は新宮市へ。ここでは熊野三山の最後となる熊野速玉大社と神倉神社を訪ねました。
鮮やかな朱色の熊野速玉大社
熊野速玉大社は、海に近い場所にあり、ほかの熊野大社とはまた違った雰囲気を持っています。鮮やかな朱塗りの社殿が並び、どこか開放的で穏やかな空気が流れていました。参拝客も多く、地元の人々にも親しまれている神社です。
神倉神社で538段の石段を登る
旅の最後に向かったのは「神倉神社」。ここは急な石段を538段も登った先にある社で、まさに体力勝負の参拝となります。途中で休みながらも、登りきった先には、街と海を一望できる絶景が広がっており、達成感とともに心が晴れるような体験ができました。
勝村政信さんの旅は、熊野の信仰と自然、文化と味覚をたっぷり感じられる充実の内容でした。三社すべてを訪れたことで、熊野信仰の奥深さと、和歌山が持つやさしさと力強さの両方に触れることができました。見どころも多く、旅好きな方はもちろん、初めて熊野を知る人にもおすすめの内容でした。
ソース:
日本テレビ「遠くへ行きたい」公式サイト
日本テレビ 番組表 2025年7月27日(日)
熊野古道ウォーキングの服装と持ち物ガイド

ここからは、私からの提案です。熊野古道は、しっとりとした石畳や起伏のある山道、杉林の中など自然に包まれた道を歩く旅です。道中の気候や地形は変わりやすいため、しっかりとした準備が大切です。特に初心者の方にとっては、歩きやすく快適な服装と装備が旅の満足度を大きく左右します。ここでは実際の熊野古道の歩き方に合わせて、必要な服装や持ち物を詳しく紹介します。
歩きやすく疲れにくい靴選びが基本
熊野古道の道は、舗装されたところだけでなく、苔むした石段やぬかるんだ土の道も多く含まれます。そのため、靴はしっかりした防水機能のあるトレッキングシューズがおすすめです。特に足首まで覆うミドルカット〜ハイカットタイプは、滑りやすい坂道でも足を守ってくれるので安心です。靴ずれ防止のためにも、新品の靴をいきなり使うのではなく、事前に何度か履いて慣らしておくことが大切です。
天候の変化に備える服装選び
熊野古道の森の中は湿気がこもりやすく、雨が急に降ることもあります。そのため、服装は速乾性のある長袖・長ズボンを選びましょう。汗をかいてもすぐ乾く素材なら、体が冷えるのを防げます。レインウェアは上下セパレートタイプが動きやすく、荷物も守れるポンチョ型も便利です。日差しが強い日や虫除け対策にもなるので、つばの広い帽子やUVカットのアームカバーも役立ちます。
体力と安全を支える持ち物のチェック
熊野古道を快適に歩くためには、持ち物もよく考えて準備しましょう。基本は両手があく登山用リュックで、20~30リットル程度が目安です。リュックの中には水分(最低500ml以上)、塩分を補える行動食(飴、梅干しなど)を入れておくと、疲れたときの回復にもなります。石段の多い場所ではトレッキングポールがあると足腰の負担を減らせます。また、道に迷わないように地図や簡易GPSアプリもあると安心です。
救急用品と衛生用品も忘れずに
旅の途中で転んだり靴擦れが起きたりすることもあるため、絆創膏や消毒液、虫よけスプレー、携帯用ティッシュなどの救急セットも必須です。また、温泉に立ち寄る予定があるなら、ビニール袋(濡れたタオルや靴下を入れる用)や小さめのタオルも持っておくと便利です。夏場は汗をかきやすいため、替えのTシャツや靴下をリュックに1枚入れておくと快適さが長続きします。
初心者向けチェックリスト
分類 | 持ち物 | 理由・ポイント |
---|---|---|
靴 | 防水トレッキングシューズ(ミドル〜ハイカット) | 滑りやすい山道や石段でも安心 |
服装 | 長袖・長ズボン(速乾素材) | 日焼け・虫除け・汗冷え対策 |
雨具 | 上下セパレートのレインウェア、ポンチョ | 突然の雨や湿気に備える |
頭部 | つば付き帽子、日よけタオル | 紫外線と熱中症予防に |
バッグ | 20〜30Lのリュック、ウエストポーチ | 荷重バランスと利便性重視 |
飲食 | 水500ml以上、行動食(飴・梅干し) | エネルギー補給と水分補給 |
補助具 | トレッキングポール、地図 | 疲労軽減とルート確認 |
衛生用品 | 絆創膏、消毒、ティッシュ、ビニール袋 | ケガや汗、汚れへの対応 |
温泉対応 | タオル、着替え、ビニール袋 | 湯の峰温泉などで活用できる |
熊野古道は、自然のなかをじっくり歩きながら自分と向き合える特別な場所です。快適な装備があれば、初めての方でも不安なく旅を楽しめます。歩く前の準備こそが、旅の満足度を高める一歩になります。
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