【DayDay.】塩を使わない滋賀の家庭料理と健康寿命トップの暮らし方 2025年8月13日放送

DayDay.

滋賀県が全国1位の健康寿命を誇る理由と長寿の秘けつ

滋賀県が健康寿命で全国1位という事実をご存じでしょうか。この記事では、その理由や生活習慣、食文化、地域の取り組みなどを現地取材の内容を交えて詳しく紹介します。健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されずに過ごせる期間のことで、単なる平均寿命よりも生活の質に直結します。滋賀県の人々がどのようにして長く元気に過ごしているのかを知れば、あなたの生活にも取り入れられるヒントが見つかるはずです。

健康寿命と平均寿命がともに全国トップ

慶應義塾大学野村周平特任教授が行った詳細な調査によると、滋賀県健康寿命74.7歳平均寿命86.3歳で、どちらも全国1位という輝かしい結果が示されています。この数字は、日本全体の中でも突出しており、滋賀県の人々が長く健康で暮らせていることを裏付けています。

さらに、厚生労働省が公表しているデータを見ても、食塩摂取量が男性で全国43位、女性で41位と非常に低い水準にあり、全国的に見ても塩分摂取を控える意識が高いことがわかります。こうした塩分控えめな食生活こそが、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病を防ぎ、寿命の延伸につながっていると考えられます。

加えて、喫煙率は全国で3番目に低く、タバコによる健康被害を抑える効果が期待できます。特筆すべきは、滋賀県が飲食店の分煙化に全国的にも早い段階から取り組んできた点です。こうした先進的な取り組みが、空気環境の改善や受動喫煙防止に寄与し、健康寿命の全国トップという成果を支えているのです。

塩分を使わない滋賀の家庭料理

取材の中で特に印象的だったのは、家庭料理における工夫の数々です。例えば、一般的には塩で味付けすることの多いガーリックシュリンプも、滋賀県の家庭では塩の代わりに砂糖を使い、素材の旨味を引き出す調理法が実践されていました。また、鶏肉と豆腐の炒め物では、トウガラシクミンといった香り高いスパイスを加え、塩分を一切使わずに満足感のある味わいを生み出していたのです。

さらに注目すべきは、取材で登場した4品すべてが食塩を使用していなかったという事実です。これは、滋賀県の家庭において日常的な塩分カットが強く意識され、生活習慣として根付いていることを示しています。このような日々の積み重ねが、健康寿命全国1位という結果を支える大きな要因になっていると考えられます。

運動習慣と地域活動の充実

滋賀県は全国的に見てもスポーツ人口が多く、男性は全国2位、女性も6位という高い順位を誇ります。日常的に体を動かす習慣が浸透しており、それが健康寿命の高さに直結していると考えられます。

また、県独自の健康促進アプリ「BIWA-TEKU」も注目されています。このアプリでは、歩数や運動量などの健康行動に応じてポイントが貯まり、そのポイントを利用して地元食品や特産品が抽選で当たる仕組みになっており、多くの県民が楽しみながら健康づくりに取り組んでいます。

さらに、公園ではラジオ体操を行う人々の姿が日常的に見られ、地域全体で身体を動かす文化がしっかりと根付いています。取材の中では、88歳で現役の美容師として働く女性も登場し、「人生は楽しく生きることが大事」と笑顔で語っていました。こうした前向きな生き方も、滋賀県の人々が長く元気でいられる大きな理由のひとつといえるでしょう。

105歳の女性が語る健康の秘訣

取材では、なんと105歳と2カ月という驚くべき年齢の女性も登場しました。この方は学生時代にヘレン・ケラーと実際に会った経験を持ち、その貴重な思い出を今も鮮明に語ることができます。現在も非常にアクティブで、日々気功で体を整えたり、仲間と麻雀を楽しんだりと、心身の健康を保つ活動を欠かしていません。

また、テレビで大谷翔平選手の活躍を熱心に応援するなど、興味や関心を持ち続ける姿勢も印象的です。長寿の秘訣は、食事や運動だけでなく、こうした趣味や人との交流を絶やさない生活にあることが、この方の生き方から強く感じられます。

健康寿命と平均寿命の差

日本全体の統計を見ると、1990年から2021年の約30年間で平均寿命5.8年延びましたが、健康寿命の伸びは4.4年にとどまり、その差は10年から11.4年へと拡大しています。この「平均寿命と健康寿命の差」が広がるという現象は、長く生きても健康で過ごせる期間が十分に確保されていないことを意味しており、今後の大きな社会的課題となっています。

さらに注目すべきは、主な死因の変化です。1990年当時は脳卒中が1位でしたが、2021年にはアルツハイマー病を含む認知症が1位となりました。認知症は進行とともに身体機能や認知機能の低下を引き起こし、それに伴って転倒衰弱死、さらに誤嚥性肺炎などの重篤な健康リスクが高まります。この変化は、高齢化が進む社会において、予防や早期対応の重要性を強く示しているといえます。

認知症予防と最新研究

2016年ノーベル賞を受賞した大隅良典氏の研究テーマである「オートファジー」は、細胞内の不要な物質を分解・再利用する仕組みで、この働きを活性化させることで認知症治療のカギとなる可能性が指摘されています。細胞レベルでの健康維持を促すこのメカニズムは、加齢による機能低下の予防にも役立つと考えられています。

こうした最新の研究成果を生活に生かすためには、日々の運動習慣食事改善が欠かせません。番組内では、タレントの児嶋腹筋・腕立て伏せ・スクワットをそれぞれ1日20回、しかも3年間継続していることが紹介されました。このような小さな努力の積み重ねこそが、長期的に見れば脳と体の健康を守り、大きな成果につながることが強調されていました。

長寿を支える3つの柱

滋賀県の事例から見えてきた長寿の秘訣は、大きく分けて次の3つにまとめられます。

  1. 食生活の工夫
    塩分を控え、スパイス甘味を上手に使って味付けを工夫することで、減塩しながらも満足感のある食事を実現しています。これにより高血圧や生活習慣病の予防にもつながっています。
  2. 運動習慣の定着
    スポーツや日常的な体操、地域で行われる健康イベントに積極的に参加する文化が根付いています。無理のない継続的な運動が、心身の健康を長く保つ基盤になっています。
  3. 社会参加と楽しみ
    仕事や趣味を通じた人との交流を大切にし、生きがいを持ち続けることで心の健康も維持しています。地域のつながりや笑顔あふれる暮らしが、長生きの大きな原動力になっています。

まとめ

滋賀県の健康寿命全国1位の背景には、塩分控えめな食事、活発な運動習慣、地域ぐるみの健康促進活動、そして人生を楽しむ姿勢があります。この記事で紹介した食生活や運動の工夫、趣味や社会活動の重要性は、どの地域に住んでいても参考になるはずです。健康寿命を延ばすために、今日からできることを少しずつ取り入れてみませんか。

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