プロの技が光る!町中華の味を再現【笠原家の焼き飯&おまけスープ】
2025年6月5日放送のNHK『笠原将弘の料理のほそ道』では、人気料理人・笠原将弘さんが自宅でも子どもたちに何度も作っていたという思い出の「焼き飯」と、その横にそっと添えられていた簡単でおいしいわかめスープが紹介されました。今回のメニューは、冷蔵庫にある身近な食材だけで作れて、しかもまるでお店で食べているような本格的な味わいに仕上がるのが特徴です。笠原さんが「家庭で作る焼き飯こそ、料理のテクニックが活きる」と語るように、素材の切り方、火加減、調味料の使い方にたくさんの工夫が詰まっていました。
笠原家の焼き飯(2人分)
家庭でも失敗しない焼き飯に仕上げるために、笠原さんがこだわったのは素材の順序と火加減、味つけのタイミングです。特に炒め方や調味料の順番で、仕上がりに大きな差が出ます。
材料
・豚バラスライス…100g
・ちくわ…2本
・長ねぎ…1/3本
・卵…2個
・ご飯…400g(あたたかいご飯がベスト)
・サラダ油…大さじ2
・A(塩…小さじ1/2、コショウ…少々、ハイミー…2つまみ)
・B(醤油…小さじ1、みりん…小さじ1)
作り方
・長ねぎはみじん切りにする
・豚肉とちくわは細かく切る
・卵はボウルで軽く溶いておく
・フライパンを油をひかずに中火で熱する
・豚肉を入れ、塩・コショウを少々ふって炒める
・しっかり火が通ったら一度取り出しておく
・フライパンにサラダ油を大さじ2入れ中火で温める
・溶き卵を流し入れ、半熟状態でご飯を加える
・卵とご飯をよく混ぜながら炒める
・豚肉、ちくわ、長ねぎを加えてさらに炒める
・調味料A(塩、コショウ、ハイミー)を入れて全体に味をなじませる
・仕上げに調味料B(醤油とみりん)を鍋肌から回し入れ、香りを立たせてさっと炒める
このレシピのポイントは、「先に具材を炒めておく」「卵とご飯は一気に炒める」「調味料は段階的に加える」という流れを守ることです。とくに、溶き卵を入れてすぐにご飯を加えるタイミングが重要で、卵をご飯にまとわせながら炒めることで、ベタつかずパラパラの仕上がりになります。炒める順番を間違えるとベチャっとしてしまうため、火の通し方が全体の完成度に大きく影響します。
また、焼き飯の中にちくわを入れるという意外な発想も笠原さん流です。魚のうま味がプラスされ、豚バラのコクと合わさって、家庭料理でありながら一段と深い味わいになります。ハイミーのようなうま味調味料を使うのもポイントで、調味料の少なさからは想像できないほど豊かな味に仕上がります。
おまけスープ(長ねぎとわかめ)
焼き飯と一緒にいただく「おまけスープ」も、余りがちな材料を無駄なく使える一品です。すぐ作れて、焼き飯によく合うさっぱりとした風味が魅力です。
材料
・長ねぎの青い部分…適量
・わかめ(戻したもの)…30g
・C(水…400cc、醤油…小さじ2、酢…小さじ1/2、ごま油…小さじ1/2、ハイミー…2つまみ、コショウ…少々)
作り方
・長ねぎの青い部分は小口切りにする
・わかめは食べやすい大きさに切る
・鍋に水400ccと調味料Cをすべて入れる
・カットした長ねぎとわかめも加える
・中火にかけてひと煮立ちさせたら完成
このスープは、だしを取らずにそのまま煮るだけで十分なうま味が出ます。長ねぎの香味とわかめの磯の風味が合わさり、酢の酸味とごま油のコクでバランスよく仕上がります。特にネギの青い部分は普段捨ててしまいがちですが、スープに使うと甘みも香りも活かせるのでおすすめです。
高齢者にも食べやすく栄養バランス◎笠原家焼き飯アレンジ献立(メイン+副菜2品)
今回は「笠原家の焼き飯」と「おまけスープ」をベースに、高齢者の方にも安心して食べてもらえるように、エネルギー量・塩分・食べやすさ・栄養バランスを見直しながら、主菜1品+副菜2品の献立に仕立て直しました。調理法はなるべくそのままに、でも味や見た目、食べやすさにもこだわっています。
メイン:やわらか焼き飯(ちくわと豚肉の卵炒飯)
【材料(2人分)】
・豚バラスライス…60g(脂を減らしカロリーダウン)
・ちくわ…1本(細切り)
・長ねぎ(白い部分)…1/4本(みじん切り)
・卵…2個
・ご飯…320g(1人分160g目安、やや柔らかめに炊いたもの)
・サラダ油…小さじ2
・A(塩…ひとつまみ、コショウ…少々、うま味調味料…1つまみ)
・B(減塩醤油…小さじ1、みりん…小さじ1/2)
【作り方】
・豚肉とちくわは細かく切る。長ねぎもみじん切りにする。卵は溶いておく。
・フライパンに油をひかず、豚肉を中火で炒め、色が変わったら取り出す。
・油を入れ、溶き卵を流し、すぐご飯を加えて混ぜ炒める。
・豚肉・ちくわ・長ねぎを加えて炒め、Aで味つけ。
・仕上げにBを鍋肌から入れて香りづけして仕上げる。
※ご飯の量や豚肉の脂を抑えることで、1人分約400kcal前後に調整。
※やわらかめご飯にすることで、噛みやすさ・飲み込みやすさも配慮。
※ちくわと卵でたんぱく質もしっかり補えます。
副菜①:豆乳かぼちゃの和風白あえ風
【材料(2人分)】
・かぼちゃ(皮なし)…80g
・絹ごし豆腐…100g
・すりごま…小さじ1
・豆乳(無調整)…小さじ2
・減塩しょうゆ…小さじ1/2
【作り方】
・かぼちゃをやわらかく蒸してつぶす。
・豆腐はキッチンペーパーに包んで軽く水切りする。
・かぼちゃと豆腐、豆乳、すりごま、しょうゆをよく混ぜ合わせる。
※ビタミンA、カルシウム、植物性たんぱく質がとれる一品。
※白あえのような口当たりで食べやすく、見た目も明るいです。
※塩分は控えめでも、ごまの香りで満足感あり。
副菜②:オクラときくらげのやわらか梅和え
【材料(2人分)】
・オクラ…4本
・乾燥きくらげ…4g(戻して千切り)
・梅干し(塩分控えめ)…1個
・だし汁(昆布だしがおすすめ)…小さじ2
・かつお節…適量
【作り方】
・オクラは塩で軽くこすってからゆでて、小口切りにする。
・きくらげはやわらかく戻して、さっと湯通し。
・梅干しは種を取ってたたき、だし汁と混ぜる。
・すべてを和えて、かつお節をのせる。
※食物繊維・カルシウム・ミネラルが補えます。
※梅の酸味で減塩でも満足感。さっぱりしていて箸休めにぴったり。
※きくらげはコリコリしすぎないように、しっかり戻してやわらかくしておくのがポイントです。
この献立は、1食あたりエネルギー約550~600kcal、たんぱく質25g前後、塩分2g以下を目安に設計しています。主菜はやわらかく、具材も小さめで食べやすく、栄養素のバランスとともに、噛みやすさや飲み込みやすさも大切にしました。かぼちゃや梅干しなど季節感のある食材も使って、食卓の彩りや楽しさにもつながる献立です。毎日の食事に変化をつけたいときにもおすすめです。
家庭でも真似できる町中華の知恵
今回紹介された焼き飯とスープのセットは、特別な材料を使わずに家庭の冷蔵庫にあるもので完成する手軽さがありながら、プロならではの調理テクニックによって驚くほど本格的な味に仕上がるのが最大の魅力です。調味料は最小限、手順もシンプルですが、細かい火加減や順番、炒める時間の工夫によって、味と食感がまったく変わることを、笠原さんは丁寧に伝えてくれました。
さらに、「子どもたちに何度も作ってきた」という言葉からも、家庭で長く愛されてきた料理の温かみが伝わってきます。見た目や味だけでなく、手早く・安く・おいしく作れる“家族思いのごはん”として、ぜひ真似したくなるレシピです。
忙しい平日や、冷蔵庫にあるもので何か作りたいときにぴったりの一品です。しっかり食べごたえがありながら、胃にもやさしいので、子どもから大人まで楽しめます。今日のごはんに、ぜひ「笠原家の焼き飯とスープ」を作ってみてはいかがでしょうか。
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