鶏胸肉と白菜のブレゼ|フランスの家庭料理を手軽に再現
鶏胸肉と白菜を使った「ブレゼ」を紹介します。ブレゼとは、少量の水分で食材を蒸し煮にするフランスの調理法です。蒸し煮にすることで、野菜の甘みや肉の旨みがじっくり引き出され、シンプルな材料でも驚くほど美味しく仕上がります。鶏胸肉はしっとり柔らかくなり、白菜はとろりとした食感に。鍋一つで作れるので、忙しい日のご飯にもぴったりです。今回のレシピでは、ベーコンやハーブを加えることで、よりコク深い味わいに仕上げます。お好みでアレンジも可能なので、ぜひチャレンジしてみてください。
材料(4〜5人分)
- 鶏胸肉…2枚(約400g×2)
- 玉ねぎ…1個(くし切り)
- 人参…2本(1.5cm幅の輪切り)
- 白菜…1/2個(ざく切り、芯と葉を分ける)
- ベーコンブロック…80g(厚切りの角切り、お好みで)
- 白ワイン…100cc
- コンソメ…1個
- 塩・胡椒…適量
- サラダ油…大さじ1
- タイム、ローリエ…(あれば)
- 水…50〜100cc
※白菜の水分量によっては、水を加えなくてもOK
※ベーコンはなくても作れるが、入れると香ばしさが増す
※お好みで鶏もも肉や豚ロースに変更しても美味しい
作り方
1. 鶏胸肉の下準備
鶏胸肉はキッチンペーパーで水分を拭き取り、皮をしっかり広げる。皮付きの方が旨みが出やすいのでおすすめ。両面にしっかり塩・胡椒を振る。このとき、皮目には軽めに、身の部分にしっかりめに塩をするのがポイント。焼くと塩が落ちるため、少し濃いめにしておくと美味しく仕上がる。
2. 鶏胸肉を焼く
鍋または深めのフライパンにサラダ油を入れ、中火で加熱する。温まったら鶏胸肉を皮目を下にして入れ、強火にして焼く。焼いている間に皮が縮まないよう、しっかり押さえながら焼くと良い。皮がパリッとし、こんがり焼き色がついたら、裏返してさっと焼き、いったん取り出す。この時点で肉の中にはまだ火が通っていない状態。
3. 野菜の準備と炒める
鶏肉を焼いた後の鍋に残った脂で、玉ねぎを炒める。玉ねぎが透き通ってきたら、人参と白菜の芯部分を加え、さらに炒める。ベーコンもここで入れると、旨みがしっかり広がる。野菜の表面がしんなりしてきたら、火を強めて白ワインを加え、鍋底にこびりついた旨みをこそげ取るように混ぜる。
4. 鶏肉を戻して煮込む
鍋に先ほどの鶏胸肉を戻し、肉汁も加える。コンソメを入れ、水を50〜100cc足す(白菜の水分量によって調整)。タイムやローリエがあればここで加える。火を強め、沸騰したらすぐに蓋をして弱火にし、30〜60分ほど煮込む。弱火でじっくり火を通すことで、鶏肉がしっとり柔らかくなり、野菜の甘みがしっかり引き出される。
5. 煮詰める
煮込みが終わったら蓋を開け、水分の量を確認する。白菜の水分が多く出てスープ状になっていたら、火を強めて煮詰める。目安は、全体の水分が半分くらいになる程度。スープが残りすぎると薄味になり、煮詰めすぎると味が濃くなるため、味を見ながら調整するのが大切。
6. 仕上げと盛り付け
鶏肉を取り出し、アルミホイルをかぶせて少し休ませる。休ませることで、肉汁が落ち着き、よりジューシーに仕上がる。鶏肉をそぎ切りにし、器にたっぷりの野菜とともに盛り付ける。最後に煮汁をスプーンでかけ、全体になじませる。
美味しく作るコツ
-
鶏胸肉は皮目をしっかり焼く
皮をしっかり焼くことで、香ばしさとコクが増す。パリッと焼いた皮がアクセントになる。 -
水分量の調整
白菜の水分量によって仕上がりが変わる。最初に加える水の量は最小限にし、最後に調整するとよい。 -
煮込み時間を確保する
最低30分、可能なら1時間煮込むと、肉がほろほろに柔らかくなる。時間がないときは、圧力鍋を使うと時短できる。 -
ベーコンはお好みで
ベーコンを加えると、さらにコクが深まり、リッチな味わいに。ベーコンなしでも美味しく作れる。
アレンジ方法
-
鶏もも肉や豚ロースでアレンジ
鶏胸肉の代わりに、鶏もも肉や豚ロースを使っても美味しい。鶏もも肉ならよりジューシーに、豚ロースならコクのある味わいになる。 -
野菜のバリエーション
白菜の代わりにキャベツやじゃがいもを使ってもOK。キャベツは甘みが増し、じゃがいもはホクホクとした食感が楽しめる。 -
白ワインの代わりに
白ワインがない場合は、水や酒でも代用可能。酒を使うと、少し和風の味わいに仕上がる。 -
仕上げに粒マスタードを添えて
味に変化をつけたい場合は、粒マスタードを少し添えると良い。酸味とスパイスが加わり、さっぱりした味わいに。
このレシピなら、シンプルな材料でも驚くほど美味しいフランス家庭料理が楽しめます。じっくり煮込むことで、鶏胸肉はふんわり柔らかくなり、白菜や人参は甘みが増して、とろけるような食感に。野菜の旨みと肉の出汁が合わさったスープも絶品です。ぜひ試してみてください。
高齢者向け鶏胸肉と白菜のブレゼ献立|栄養バランスを考えた食べやすい工夫

高齢者の食事では、塩分を控えめにしながらも旨みを活かし、消化しやすく食べやすい工夫が大切です。そこで、鶏胸肉と白菜のブレゼをベースに、たんぱく質やビタミン、ミネラルを補いながら、噛みやすく飲み込みやすいメニューにアレンジしました。今回は、ブレゼをメインに、副菜2品を組み合わせて、栄養バランスを整えます。
メニュー構成
- メイン:鶏胸肉と白菜のブレゼ(旨みを活かした減塩仕立て)
- 副菜1:長芋と豆腐のごまみそ和え(消化に良くカルシウムも補える)
- 副菜2:アボカドとじゃこの卵とじ(鉄分とビタミンEを補う)
【メイン】鶏胸肉と白菜のブレゼ(高齢者向けアレンジ)
材料(2人分)
- 鶏胸肉…1枚(約200g)
- 白菜…1/4個(約250g)
- 玉ねぎ…1/2個(薄切り)
- 人参…1/2本(細切り)
- しめじ…1/2パック(石づきを取る)
- ベーコン…40g(細切り)
- 白ワイン…50cc
- 水…100cc
- 無塩コンソメ…1/2個
- 塩…少々
- 胡椒…少々
- オリーブオイル…小さじ2
- 片栗粉…小さじ1(水大さじ1で溶く)
作り方
- 鶏胸肉はそぎ切りにして片栗粉を薄くまぶし、塩・胡椒を軽く振る。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、鶏肉を両面さっと焼いて取り出す。
- 同じフライパンにベーコンを入れ、弱火で炒めて旨みを引き出す。
- 玉ねぎ、人参、しめじを加えて炒め、全体がしんなりしたら白菜を入れる。
- 白ワインと水を加え、コンソメを溶かし、蓋をして弱火で15分ほど煮込む。
- 鶏肉を戻し、水溶き片栗粉でとろみをつけて完成。
工夫ポイント
- 鶏胸肉をそぎ切りにして片栗粉をまぶすことで、柔らかく仕上げる。
- しめじを加えることで、食物繊維やビタミンDをプラス。
- 塩分控えめでも、ベーコンの旨みや白ワインでコクを出す。
【副菜1】長芋と豆腐のごまみそ和え
材料(2人分)
- 長芋…100g(皮をむいて1cm角に切る)
- 木綿豆腐…1/2丁(軽く水切りし、1cm角に切る)
- すりごま…大さじ1
- 味噌…小さじ1
- みりん…小さじ1
- 酢…小さじ1
作り方
- 長芋はさっと湯通しして食べやすくし、豆腐は水切りしておく。
- ボウルに味噌、みりん、酢、すりごまを混ぜ合わせる。
- 長芋と豆腐を加え、和えて完成。
工夫ポイント
- 長芋は消化が良く、粘りが喉ごしをよくするため高齢者に適している。
- 豆腐でたんぱく質とカルシウムを補給。
- 酢とみりんの効果で味噌の塩分を抑えながらもコクを出す。
【副菜2】アボカドとじゃこの卵とじ
材料(2人分)
- アボカド…1/2個(角切り)
- ちりめんじゃこ…10g
- 卵…1個
- だし汁…50cc
- 醤油…小さじ1/2
- みりん…小さじ1
- サラダ油…小さじ1
作り方
- フライパンにサラダ油を熱し、ちりめんじゃこをさっと炒める。
- アボカドを加えて軽く炒め、だし汁、醤油、みりんを加える。
- 溶いた卵を流し入れ、半熟状になったら火を止める。
工夫ポイント
- アボカドでビタミンEを補い、抗酸化作用をアップ。
- ちりめんじゃこでカルシウムをプラス。
- 卵でたんぱく質を強化し、ふんわり仕上げることで食べやすくする。
献立のポイント
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栄養バランスを強化
- たんぱく質(鶏肉、卵、豆腐、ちりめんじゃこ)
- ビタミンA(人参)
- ビタミンD(しめじ、ちりめんじゃこ)
- カルシウム(豆腐、ちりめんじゃこ)
- 食物繊維(白菜、長芋)
- 抗酸化作用(アボカドのビタミンE)
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食べやすさの工夫
- 鶏胸肉はそぎ切りにして片栗粉をまぶすことで、しっとり柔らかくする。
- 副菜はやわらかく仕上げて、飲み込みやすくする。
- とろみをつけたブレゼで喉ごしよくする。
この献立なら、栄養バランスを考えながら、食べやすさも工夫できます。塩分を控えつつ、食材の旨みや風味を活かしているので、高齢者でも無理なく楽しめる食事になります。ぜひ作ってみてください。
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