基礎から学ぶ!笠原流「王道・肉じゃが」の作り方|2025年2月22日
和食の定番料理「肉じゃが」は、家庭で親しまれる人気の一品ですが、基本を押さえていないと、じゃがいもが煮崩れたり、味が薄かったり濃すぎたりして、なかなか思い通りに仕上がらないこともあります。今回紹介するのは、和食の名人・笠原将弘さん直伝の「王道の肉じゃが」の作り方です。初心者でも簡単に美味しく作れるように、材料の切り方から煮込みのコツまで、わかりやすく解説します。
このレシピのポイントは、牛肉に調味料を順番に加えて炒めることで味をしっかりなじませることと、じゃがいもをあらかじめ水にさらすことで煮崩れを防ぐことです。これを守れば、誰でも美味しい肉じゃがを作れるようになります。ぜひチャレンジしてみてください。
材料(2〜3人前)
- 牛切り落とし肉 200g
- じゃがいも(男爵) 4個
- 玉ねぎ 1/2個
- いんげん 6本
- 白滝 1パック
- サラダ油 大さじ1
【調味料(A)】
- 砂糖 大さじ2
- 酒 大さじ3
- 醤油 大さじ3
- 水 300cc
- だし昆布 3g
作り方
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下準備をする
じゃがいもは皮をむき、丸ごと水にさらして5分ほどおく。こうすることで表面のデンプンが取れ、煮崩れしにくくなる。水を切ったら、大きめの一口大に切る。玉ねぎは芯を取ってくし切りにする。いんげんはヘタを切り落とし、半分の長さに切る。 -
白滝の下処理
白滝は、アク抜き不要のものならサッと水で洗って水気を切る。アク抜きが必要な場合は、沸騰したお湯で3分ほど茹で、ザルにあげて水を切る。白滝のアク抜きをすることで、臭みが取れ、味がしみ込みやすくなる。 -
牛肉と玉ねぎ、白滝を炒める
フライパンにサラダ油(大さじ1)を入れ、中火で熱する。玉ねぎと白滝を加え、しんなりするまで炒める。ここで油をしっかり絡めておくことで、煮込んだときに味がなじみやすくなる。玉ねぎが透き通ってきたら、フライパンの中央をあけ、牛肉を入れる。 -
牛肉に味をつける
牛肉に砂糖(大さじ2)をまぶし、肉の表面に砂糖がなじむまで炒める。砂糖は肉のタンパク質をやわらかくする働きがあるので、最初に加えることでお肉がしっとり仕上がる。次に酒(大さじ3)を加えてサッと炒め、最後に醤油(大さじ3)を加えてさらに炒める。この順番で味付けすることで、肉の旨味が引き立ち、しっかりとした味わいになる。すべての調味料が全体になじんだら、フライパンの中身をよく混ぜる。 -
じゃがいもを加えて煮る
じゃがいもを加え、軽く混ぜ合わせる。ここで混ぜすぎるとじゃがいもが崩れやすくなるので、優しく炒めることが大切。水(300cc)とだし昆布(3g)を加えたら、アルミホイルを落とし蓋代わりにのせ、中火で10分ほど煮る。落とし蓋をすることで煮汁が全体に回り、味がしっかり染み込む。 -
仕上げの煮込み
じゃがいもに竹串を刺し、スッと通るようになったら、いんげんを加える。さらに2分ほど煮て、いんげんが鮮やかな緑色になったら火を止める。 -
味をなじませる
いんげんと昆布を取り出し、煮汁を全体に行き渡らせるように優しく混ぜる。そのまま蓋をして10分ほど置く。煮物は火を止めた後に時間をおくことで味がさらになじみ、美味しさが増す。 -
盛り付け
器に肉じゃがを盛り付け、取り出したいんげんを彩りよくのせる。最後に細かく刻んだ昆布を添えると、より一層風味が増して美味しく仕上がる。
美味しく作るためのポイント
- じゃがいもは水にさらすことで煮崩れを防ぎ、仕上がりがきれいになる。
- 砂糖→酒→醤油の順番で牛肉を炒めることで、肉が柔らかくなり味がしっかり染み込む。
- 落とし蓋をすることで煮汁の対流を作り、味が均一に行き渡る。
- 最後に火を止めて蒸らすことで、より味がなじみ、美味しく仕上がる。
基本を押さえれば、肉じゃがは簡単に作れます。このレシピで、家庭でもプロの味を再現してみてください。
高齢者向け!栄養バランスを考えたやさしい肉じゃが献立
高齢者の食事では、エネルギーはしっかり確保しながら、塩分や脂質は控えめにし、食べやすさにも配慮することが大切です。今回は、やわらかく仕上げた「減塩・食べやすい肉じゃが」をメインに、栄養を補う副菜を組み合わせた献立を考えました。
【1回の食事量の目安(高齢者向け)】
- エネルギー:500~600kcal
- たんぱく質:15~20g
- 脂質:15~20g
- 塩分:2.5g以内
【献立】
- メイン:だしの旨みたっぷり やわらか減塩肉じゃが
- 副菜1:かぼちゃとくるみの白和え
- 副菜2:れんこんとひじきの梅酢和え
【食べやすさと栄養バランスの工夫】
● だしの旨みたっぷり やわらか減塩肉じゃが
【材料(2人分)】
- 鶏ひき肉(または薄切り鶏もも肉) 100g
- じゃがいも(小さめ) 2個
- 玉ねぎ 1/4個
- にんじん 1/3本
- しめじ 1/3パック
- だし昆布 5g
- かつお節 ひとつかみ
- 水 300ml
- 醤油 小さじ1
- みりん 小さじ2
- 酒 小さじ1
- 砂糖 小さじ1/2
- サラダ油 小さじ1
【作り方】
- じゃがいもは皮をむいて大きめに切り、水にさらす。にんじんは薄めの乱切り、玉ねぎは薄切りにする。しめじは小房に分ける。
- 鍋にサラダ油を熱し、鶏ひき肉を炒める。色が変わったら玉ねぎ、にんじん、しめじを加えてさらに炒める。
- だし昆布とかつお節で取っただし汁を加え、じゃがいもを入れる。落とし蓋をして中火で15分ほど煮る。
- 調味料(醤油、みりん、酒、砂糖)を加え、弱火でさらに10分煮る。
- 火を止めて10分ほど蒸らし、味をなじませる。
【ポイント】
- 鶏ひき肉を使うことで、脂質を抑えつつたんぱく質をしっかり補給
- かつおと昆布のだしを効かせて、醤油を減らしても旨みたっぷり
- じゃがいもとにんじんは柔らかく煮て、飲み込みやすい食感にする
● かぼちゃとくるみの白和え
【材料(2人分)】
- かぼちゃ 50g
- くるみ 5g
- 木綿豆腐 1/4丁
- すりごま 小さじ1
- みそ 小さじ1/2
- 砂糖 小さじ1/2
【作り方】
- かぼちゃは一口大に切り、レンジでやわらかく加熱する。
- くるみは細かく砕く。
- 豆腐を水切りし、すりごまと調味料と混ぜる。
- かぼちゃとくるみを加え、和える。
【ポイント】
- 豆腐でたんぱく質補給
- かぼちゃの甘みとくるみの香ばしさで塩分控えめでも満足感アップ
- やわらかく仕上げるので噛む力が弱くても食べやすい
● れんこんとひじきの梅酢和え
【材料(2人分)】
- れんこん 30g
- 乾燥ひじき 5g
- 梅酢 小さじ1
- ごま油 小さじ1/2
【作り方】
- ひじきを水で戻し、さっと湯通しする。
- れんこんは薄くスライスし、さっと湯がく。
- ボウルにひじきとれんこんを入れ、梅酢とごま油で和える。
【ポイント】
- ひじきで鉄分補給
- 梅酢の酸味で減塩でもさっぱり美味しく
- れんこんは薄切りにして食べやすく
この献立では、メインの肉じゃがでエネルギーとたんぱく質をしっかり確保し、副菜でビタミンや鉄分、食物繊維を補いました。調味料の使い方を工夫し、減塩でも美味しく食べられる工夫をしています。和食の美味しさを活かした、やさしい味わいの献立をぜひ試してみてください。
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