はじめに
【笠原将弘の料理のほそ道】で紹介された「鶏むね肉とアボカドのおかき揚げ」は、柿の種を砕いて衣に使った一品で、サクサクの食感が特徴です。鶏むね肉のジューシーさとアボカドのまろやかさが絶妙に組み合わさり、冷めても美味しいため、お弁当のおかずやおつまみにもぴったりのメニューです。今回は、番組内で紹介されたレシピを詳しく解説しながら、美味しく仕上げるためのポイントもご紹介します。
柿の種は、現在からおよそ100年近く前の大正時代末期、新潟県長岡市の工場で起きたハプニングから生まれたお菓子です。
鶏むね肉とアボカドのおかき揚げの材料(3〜4人前)
- 柿の種:150g(ピリ辛のものや甘めのもの、お好みの柿の種でOK)
- 鶏むね肉:1枚(約250g前後)
- アボカド:1個(完熟したものを使用)
- 卵:1個(溶いておく)
- レモン:1/4個(くし形にカット)
- マヨネーズ:適量
- 塩:適量(岩塩など風味の強い塩がオススメ)
- 薄力粉:適量(約大さじ3〜4杯)
- サラダ油:適量(揚げ油用、深さ2〜3cm分)
鶏むね肉とアボカドのおかき揚げの作り方とコツ
① 柿の種を砕く
柿の種はフードプロセッサーやミキサーで細かく砕きます。完全に粉状にするのではなく、粗めに仕上げることでザクザクとした食感が残り、仕上がりの食感がよくなります。ミキサーがない場合は、ポリ袋に入れて麺棒や瓶の底で叩いて砕く方法もおすすめです。
② アボカドと鶏むね肉の下ごしらえ
- アボカドは皮を剥き、種を取り除いた後、一口大にカットします。やや大きめに切ると揚げた際のとろっとした食感が引き立ちます。
- 鶏むね肉は皮を取り除き、1cm厚さのそぎ切りにします。繊維を断ち切るように切ると、揚げた際に柔らかく仕上がります。
- 下味として、鶏むね肉には軽く塩をふっておきましょう。
③ 衣をつける
アボカドと鶏むね肉に衣をつける工程です。次の順でしっかりと衣をつけます。
- 薄力粉を全体にまぶし、余分な粉は軽くはたき落とします。
- 溶き卵にくぐらせ、全体に卵液を絡ませます。
- 砕いた柿の種をしっかりとまぶし、表面全体を覆うようにします。衣がしっかりついていないと揚げたときにはがれやすくなるので、全体にまんべんなくつけましょう。
④ 揚げる
- フライパンや鍋にサラダ油を注ぎ、160〜170℃に熱します。油の温度は、衣の一部を落としてみて、ゆっくり浮き上がってくる程度が目安です。
- 鶏むね肉とアボカドを1つずつ油に入れ、2〜3分揚げます。衣がこんがりきつね色になったら取り出しましょう。
- アボカドは火が入りやすいので、焦がさないように注意してください。
⑤ 仕上げと盛り付け
- 揚げ終わった鶏むね肉とアボカドは、油をしっかりと切って器に盛り付けます。
- 仕上げにくし形に切ったレモンを添え、マヨネーズと塩を一緒に添えて完成です。
- レモンを絞ってさっぱりといただくのもおすすめです。
鶏むね肉とアボカドのおかき揚げの美味しく仕上げるコツ
- 柿の種のバリエーション
辛めの柿の種を使うとピリ辛仕上げに、甘めの柿の種を使うとお子様にも食べやすい仕上がりになります。さらに、わさび風味やチーズ味などの柿の種を使うと、アレンジの幅が広がります。 - 鶏むね肉の柔らかさを保つコツ
鶏むね肉はそぎ切りにし、火を入れすぎないように注意しましょう。低温からじっくり火を通すことでしっとり仕上がります。 - アボカドの熟し具合
完熟のアボカドを使用することで、揚げた後のクリーミーさが増します。ただし柔らかすぎると崩れやすいので注意が必要です。
鶏むね肉とアボカドのおかき揚げのアレンジ例
- チーズインアレンジ:鶏むね肉でスライスチーズを挟み、おかき揚げにするとさらにコクが増します。
- タルタルソース添え:マヨネーズと刻んだピクルスを混ぜたタルタルソースを添えると、よりリッチな味わいに。
- 柿の種の代用:砕いたポテトチップスやクラッカーでも代用可能です。
鶏むね肉とアボカドのおかき揚げの高齢者向けレシピ(2人分)
総エネルギー摂取目安:500〜600kcal程度
塩分目安:1.5g以下
【材料(2人分)】
柿の種(減塩タイプ)75g
鶏むね肉(皮なし)150g(約0.75枚)
アボカド(完熟で柔らかめのもの)1/2個
卵 1個
レモン 1/4個
マヨネーズ(カロリーハーフ)小さじ2(約10g)
塩(減塩タイプ)ひとつまみ(0.5g以下)
薄力粉 大さじ2(約18g)
サラダ油(揚げ焼き用)大さじ2(約24g)
栄養バランスと塩分調整のポイント
- 柿の種を減塩タイプに変更
- 鶏むね肉は皮を取り除き脂質カット
- 揚げ焼きで油の使用量を大幅に削減
- マヨネーズをカロリーハーフに
- 塩分を控えめにするため、味付けは最小限に調整
作り方
① 柿の種を細かく砕く
ミキサーで細かく砕きます。完全に粉状にせず、少し粒感を残してサクサク感を活かします。
② アボカドと鶏むね肉の下ごしらえ
- アボカドは皮を剥き、種を除いて1.5cm角程度の一口大にカット。
- 鶏むね肉は1cm厚さのそぎ切りにし、繊維を断つようにカット。塩(減塩タイプ)を軽くふる。
③ 衣をつける
- 鶏むね肉とアボカドに薄力粉をまぶし、溶き卵をつけ、砕いた柿の種をしっかりとまぶします。
④ 揚げ焼きする
- フライパンにサラダ油を入れて160℃に温め、少量の油で揚げ焼きにします。
- 鶏むね肉は片面1分半〜2分、アボカドは片面1分程度で揚げ焼きし、きつね色になったら取り出す。
⑤ 仕上げと盛り付け
- 油をよく切って器に盛り、レモンを添えます。
- マヨネーズ(カロリーハーフ)を添え、塩分控えめに仕上げます。
食べやすさの工夫
- 鶏むね肉を薄めにカットし、加熱後も柔らかく。
- アボカドは完熟の柔らかいものを使用。
- 柿の種は細かく砕くことで噛みやすさを改善。
栄養バランスの調整ポイント
- たんぱく質の補給:鶏むね肉と卵でしっかり補給。
- 脂質の調整:鶏皮なし、揚げ焼きで油量カット。
- ビタミンEの補給:アボカドのビタミンEで抗酸化作用をプラス。
- 塩分控えめ:塩を最小限にし、レモンで風味付け。
エネルギーと栄養成分(1人分目安)
- エネルギー:約300kcal
- たんぱく質:約20g
- 脂質:約15g
- 炭水化物:約25g
- 食物繊維:約2g
- 塩分:約0.7g
栄養バランス強化の提案
副菜の提案
鶏むね肉とアボカドのおかき揚げだけでは塩分や野菜量が不足しがちなため、減塩対応の副菜を取り入れてバランスを整えましょう。
- 具沢山味噌汁(減塩味噌使用)
野菜をたっぷり使った味噌汁。使用する味噌は減塩タイプで、根菜(大根、人参)、葉物(ほうれん草、小松菜)を取り入れることで、食物繊維やビタミンをしっかり補えます。 - ひじきと枝豆の和え物
ひじきや枝豆を薄味のだし醤油で和えたもの。鉄分や食物繊維が豊富で、塩分を控えめにしつつ、彩りも良く仕上がります。 - トマトときゅうりの酢の物
酢の酸味で塩分を抑え、さっぱりした味わいに。トマトのリコピンやきゅうりの水分補給効果も期待できます。
カルシウム補給
鶏むね肉とアボカドのおかき揚げにカルシウムを強化するためのアイデアです。
- 砕いた煮干しの追加
柿の種と一緒に砕いた煮干しを衣に混ぜ込むことで、香ばしさが増すだけでなく、カルシウムの摂取量がアップします。 - すりごまの活用
仕上げにすりごまをふりかけると、香ばしさとともにカルシウムやビタミンEの摂取量が向上します。 - チーズの使用
鶏むね肉の間にスライスチーズを挟んで揚げることで、カルシウムを手軽に摂取できます(ただし、塩分の多いチーズは避け、減塩タイプのものを使用)。
食物繊維強化
アボカドだけでは不足しがちな食物繊維の強化には、以下の食材をプラスするのがおすすめです。
- ブロッコリーの素揚げ
アボカドと一緒にブロッコリーの小房を揚げ焼きし、色鮮やかで食物繊維豊富な一品に仕上げます。 - パプリカの追加
赤・黄パプリカを加えて衣をつけることで、彩りとともにビタミンCが豊富な一皿になります。 - さつまいもやかぼちゃの使用
小さくカットしたさつまいもやかぼちゃを一緒に揚げることで、ビタミンAと食物繊維が強化され、甘みも加わって高齢者にも食べやすくなります。
これらの工夫を加えることで、塩分を控えめにしながら栄養バランスの整った高齢者向けの食事になります。
鶏むね肉とアボカドのおかき揚げはこんなシーンにぴったり!
- お弁当のおかずに:冷めても美味しいのでお弁当にも最適です。
- パーティーやおもてなしに:見た目のインパクトもあり、話題性のあるメニューです。
- 晩酌のお供に:ピリ辛の柿の種を使えばビールやハイボールにもぴったり。
柿の種を使った衣は、サクサク感と香ばしさが特徴で、一度食べたらやみつきになること間違いなしのレシピです。ぜひご家庭でお試しください。
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